蘇蕙

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蘇蕙 / 『晩笑堂竹荘畫傳』より

蘇 蕙(そ けい、生没年未詳)は、五胡十六国時代前秦の女性で詩人若蘭始平郡武功県の人。父は東晋の陳留県令の蘇道質。

生涯[編集]

若くして文才あり。苻堅の治めていた時代の前秦にいた竇滔に嫁ぐ。夫の竇滔が秦州刺史となり流沙に赴任することになるが、別に妾を連れて行き正妻の蘇蕙を伴わなかった。蘇蕙は思慕の念に耐えきれず、錦を織り、「廻文旋図の詩」をその中に織りこんで贈った。その文は順に読んでも逆に読んでも平仄や韻字の法則にかない、循環させて読むことができた。およそ840字でできたその文は絢爛多彩で、はなはだ凄艶であったという。現存はしていないが、これが後に流行した廻文の始まりであるという。その錦に織られた文を読んだ夫は妾を関中に送り返し、蘇蕙を呼び寄せたともいう。

文献[編集]

  • 晋書』96
  • 上官周『晩笑堂竹荘畫傳』