マット・アンドリース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マット・アンドリース
Matt Andriese
マイアミ・マーリンズ #34
アリゾナ・ダイヤモンドバックス時代
(2019年5月30日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州レッドランズ
生年月日 (1989-08-28) 1989年8月28日(34歳)
身長
体重
188 cm
97 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2011年 MLBドラフト3巡目
初出場 MLB / 2015年4月10日
NPB / 2022年5月31日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

マシュー・リー・アンドリースMatthew Lee Andriese , 1989年8月28日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州レッドランズ出身のプロ野球選手投手)。右投右打。マイアミ・マーリンズ所属。愛称は「ドリージー(Dreezy)」[1]

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

レッドランズ・イーストバレー高等学校英語版時代にはタイラー・チャットウッドとチームメイトだった。2008年MLBドラフト37巡目(全体1113位)でテキサス・レンジャーズから指名されたが、入団せずにカリフォルニア大学リバーサイド校へ進学した。

プロ入りとパドレス傘下時代[編集]

2011年MLBドラフト3巡目(全体112位)でサンディエゴ・パドレスから指名され、プロ入り。契約後、傘下のA-級ユージーン・エメラルズ英語版でプロデビュー。12試合(先発8試合)に登板して5勝1敗、防御率1.51、42奪三振を記録した。

2012年はA+級レイクエルシノア・ストーム英語版でプレーし、27試合(先発26試合)に登板して10勝8敗、防御率3.58、131奪三振を記録した。

2013年はAA級サンアントニオ・ミッションズとAAA級ツーソン・パドレスでプレーし、2球団合計で27試合(先発25試合)に登板して11勝7敗、防御率3.88、105奪三振を記録した。

レイズ時代[編集]

2014年1月22日にアレックス・トーレスジェシー・ハンとのトレードで、ローガン・フォーサイスブラッド・ボックスバーガーと共にタンパベイ・レイズへ移籍した[2]。この年は傘下のAAA級ダーラム・ブルズでプレーし、28試合(先発25試合)に登板して11勝8敗、防御率3.77、129奪三振を記録した。オフの11月20日に40人枠入りした[3]

2015年は開幕25人枠入りし[4]、4月10日のマイアミ・マーリンズ戦でメジャーデビューを果たした[5]。この年はメジャーとマイナーを行き来しながらスウィングマンとして先発・中継ぎの役割をこなし、25試合(先発8試合)に登板して3勝5敗2セーブ、防御率4.11、49奪三振を記録した。

タンパベイ・レイズ時代
(2016年6月25日)

2016年は29試合中19試合に先発登板し、先発で投げる比重が増した。8勝8敗1セーブ、防御率4.37という成績を記録した。また、与四球率を1.8まで下げ、制球力の面で成長した。

2017年は18試合(先発17試合)に登板して5勝5敗1セーブ、防御率4.50、76奪三振を記録した。

ダイヤモンドバックス時代[編集]

2018年7月25日にマイケル・ペレスブライアン・シェーファーとのトレードで、アリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍した[6]。オフの10月29日に2018日米野球のMLB選抜に選出された[7]

エンゼルス時代[編集]

2020年1月14日にジェレミー・ビーズリーとのトレードで、ロサンゼルス・エンゼルスへ移籍した[8]。7月26日のオークランド・アスレチックス戦で大谷翔平のリリーフ登板でエンゼルスの選手として初登板を記録した。5回と2/3回を投げ、5奪三振を記録し無失点に抑えた。オフの12月2日にノンテンダーFAとなった。

レッドソックス時代[編集]

2020年12月23日にボストン・レッドソックスと185万ドルの単年契約を結んだ[9]。オプションとして2022年は球団側が選択権を所持し、バイアウトの際は25万ドルが支払われる。

2021年8月17日にDFAとなり、19日に自由契約となった[10]

マリナーズ時代[編集]

2021年8月22日にシアトル・マリナーズとメジャー契約を結んだ[11]。移籍後は8試合に登板して防御率2.45と好投していたが9月28日にDFAとなり[12]、30日にFAとなった[13]

巨人時代[編集]

2021年12月17日に読売ジャイアンツと年俸200万ドルの単年契約で契約合意したと発表した。背番号は29[14]

2022年は5試合登板し0勝2敗の防御率4.82だった。オフの12月2日に自由契約公示された[15]

ドジャース傘下時代[編集]

2023年2月1日、ロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結んだ[16]。このシーズンは傘下AAA級オクラホマシティ・ドジャースで21試合に登板、19試合に先発し8勝6敗で防御率6.05という成績であった。オフにFAとなった[17]

マーリンズ傘下時代[編集]

2023年12月6日にマイアミ・マーリンズとマイナー契約を結んだ[18]

投球スタイル[編集]

投球データ(2021年レギュラーシーズン)
球種 割合 平均球速 最高球速
% mph km/h mph km/h
フォーシーム 43.9 92 148.1 94.8 152.3
チェンジアップ 33.9 86 138.4 89.8 144.5
カーブ 12.6 80.1 128.9 82.3 132.4
カッター 5.1 85.8 138.1 88.2 141.9
シンカー 4.4 89.6 144.2 91.7 147.6

自らを「ゴロ投手」と分析し、カッターを低めに集める投球が身上[19]。手元で伸びるフォーシームチェンジアップの落差も武器とする。速球の最速は、2015年に計測した95.9mph(約154.3km/h)。

人物[編集]

弟のデビッドはかつてピッツバーグ・パイレーツ傘下のA-級チームに2シーズン所属していた。現在は父のグレッグが呼吸療法士をしていることもあり、救急救命室看護師をしている[20]

2017年12月にガールフレンドのジルと結婚した。テイト、タッカーと名付けられた二人の息子がいる[21][22]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2015 TB 25 8 0 0 0 3 5 2 0 .375 282 65.2 69 8 18 1 2 49 2 2 32 30 4.11 1.33
2016 29 19 1 1 0 8 8 1 4 .500 527 127.2 131 17 25 1 1 109 3 4 64 62 4.37 1.22
2017 18 17 0 0 0 5 5 1 0 .500 374 86.0 90 16 28 1 4 76 3 2 48 43 4.50 1.37
2018 27 4 0 0 0 3 4 0 1 .429 251 59.2 55 7 18 3 2 59 3 0 32 27 4.07 1.22
ARI 14 1 0 0 0 0 3 0 0 .000 89 19.0 29 8 7 2 0 19 0 0 19 19 9.00 1.89
'18計 41 5 0 0 0 3 7 0 1 .300 340 78.2 84 15 25 5 2 78 3 0 51 46 5.26 1.39
2019 54 0 0 0 0 5 5 1 4 .500 310 70.2 72 8 27 4 3 79 9 2 37 37 4.71 1.40
2020 LAA 16 1 0 0 0 2 4 2 3 .333 126 32.0 21 5 11 0 1 33 0 0 17 16 4.50 1.00
2021 BOS 26 0 0 0 0 2 3 1 3 .400 177 37.1 55 7 11 0 3 38 0 1 29 25 6.03 1.77
SEA 8 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 45 11.0 10 0 2 0 1 12 0 0 6 3 2.45 1.09
'21計 34 0 0 0 0 2 3 1 3 .400 222 48.1 65 7 13 0 4 50 0 1 35 28 5.21 1.61
2022 巨人 5 5 0 0 0 0 2 0 0 .000 87 18.2 28 3 4 0 1 18 0 0 11 10 4.82 1.71
MLB:7年 217 50 1 1 0 28 37 8 15 .431 2181 509.0 532 76 147 12 17 474 20 11 284 262 4.63 1.33
NPB:1年 5 5 0 0 0 0 2 0 0 .000 87 18.2 28 3 4 0 1 18 0 0 11 10 4.82 1.71
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手(P)












2015 TB 25 4 5 0 1 1.000
2016 29 12 9 1 1 .955
2017 18 6 5 0 0 1.000
2018 27 4 2 1 0 .857
ARI 14 0 2 0 0 1.000
'18計 41 4 4 1 0 .889
2019 54 6 12 2 1 .900
2020 LAA 16 4 3 0 0 1.000
2021 BOS 26 1 2 0 0 1.000
SEA 8 0 1 0 0 1.000
'21計 34 1 3 0 0 1.000
2022 巨人 5 1 3 0 0 1.000
MLB 217 37 41 4 3 .951
NPB 5 1 3 0 0 1.000
  • 2022年度シーズン終了時

記録[編集]

NPB[編集]

初記録
投手記録
打撃記録
  • 初打席:2022年5月31日、対福岡ソフトバンクホークス1回戦(東京ドーム)、2回裏に石川柊太から見逃し三振

背番号[編集]

  • 35(2015年 - 2021年8月16日)
  • 27(2021年8月26日 - 同年9月27日)
  • 29(2022年)

脚注[編集]

  1. ^ Matt Andriese”. Baseball-Reference.com (2021年9月30日). 2021年10月1日閲覧。
  2. ^ Rays acquire Forsythe, Boxberger in seven-player trade with Padres” (英語). MLB.com (2014年1月22日). 2016年7月12日閲覧。
  3. ^ MLB公式プロフィール参照。2016年7月12日閲覧。
  4. ^ Dennis Maffezzoli (2015年4月3日). “Rays settle on Opening Day roster” (英語). Spring Training. 2016年7月12日閲覧。
  5. ^ Rays' Matt Andriese excited for first big-league start” (英語). Tampa Bay Times (2015年4月13日). 2016年7月12日閲覧。
  6. ^ Bill Chastain (2018年7月25日). “TB lands 2 prospects from D-backs for Andriese” (英語). MLB.com. 2018年7月26日閲覧。
  7. ^ 2018日米野球 MLBオールスターチーム コーチ・出場予定選手発表 侍ジャパン公式サイト (2018年10月29日) 2020年7月28日閲覧
  8. ^ エンゼルス、Dバックスの救援右腕アンドリース獲得”. nikkansports.com (2020年1月15日). 2020年1月15日閲覧。
  9. ^ Red Sox Sign Matt Andriese” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年12月23日閲覧。
  10. ^ Anthony Franco (2021年8月19日). “Red Sox Release Matt Andriese” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年8月21日閲覧。
  11. ^ Daniel Kramer (2021年8月22日). “Mariners sign Andriese to Major League deal” (英語). MLB.com. 2021年8月24日閲覧。
  12. ^ Mark Polishuk (2021年9月28日). “Mariners Select Matt Brash’s Contract, Designate Matt Andriese” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年10月2日閲覧。
  13. ^ Anthony Franco (2021年9月30日). “Matt Andriese Elects Free Agency” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年10月2日閲覧。
  14. ^ “巨人新外国人アンドリース発表、背番29「優勝のために全力を尽くします」”. nikkansports.com. 日刊スポーツNEWS. (2021年12月17日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202112170000334_m.html 2021年12月17日閲覧。 
  15. ^ 2022年度 自由契約選手 公示”. NPB.jp 日本野球機構 (2022年12月2日). 2022年12月2日閲覧。
  16. ^ “前巨人の右腕マット・アンドリース、ドジャースとマイナー契約”. 日刊スポーツ. (2023年2月2日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/mlb/news/amp/202302020000219.html 2023年12月13日閲覧。 
  17. ^ Transactions” (英語). MiLB.com (2023年11月6日). 2023年12月13日閲覧。
  18. ^ Transactions” (英語). MiLB.com (2023年12月6日). 2023年12月13日閲覧。
  19. ^ 「2015メジャーデビュー全254選手リスト」『月刊スラッガー』2016年3・4月合併号 日本スポーツ企画出版社 51頁
  20. ^ Boston Red Sox’s Matt Andriese proud of brother David”. リパブリカン (2021年4月9日). 2021年4月10日閲覧。
  21. ^ マット・アンドリース (@MAndriese) - X(旧Twitter)
  22. ^ 読売巨人軍(ジャイアンツ) [@TokyoGiants] (2021年12月17日). "#マット・アンドリース 投手と来季の選手契約を結ぶことで合意しました". X(旧Twitter)より2021年12月18日閲覧
  23. ^ 【巨人】原監督「スミ1」逆転負け「1点では、やっぱりいけませんね」初先発アンドリース粘投も”. 日刊スポーツ (2022年5月31日). 2022年5月31日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]