バナール球

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バナール球の外観
バナール球の内部

バナール球(バナールきゅう、: Bernal sphere)は、スペースコロニーについての初期構想のひとつ。

フランス語読みで「ベルナール球」と表記されることがある。

1929年イギリスの物理学者ジョン・デスモンド・バナールの著書『宇宙・肉体・悪魔 理性的精神の敵について』の中で提唱した案に基づいて名付けられた。

長期間の宇宙滞在を目的として提案されているモデルのひとつ。直径1.6kmの中空の球で空気が満たされて、2万から3万人が居住できる。

島1号[編集]

1975年から1976年までスタンフォード大学で行われた、将来のスペースコロニーの設計に関する一連の研究で、ジェラード・K・オニールはバナール球を改良した島1号(Island One)を提案した。

これは、地球と同程度の人工重力を生み出すために、直径500mで分速1.9回転する球体モデルであり、気圧維持に適し放射線遮蔽効率が良い[1]

最大10万人の人々を養うことができ、"Crystal Palace"では農業ができる。日光は極付近の鏡で窓を通して内部に導かれ、内部の景色は湾曲した巨大な谷となる。

島2号[編集]

オニールは、より大型のスペースコロニーとして島2号を提案した。

直径1800mで赤道部分の外周は6.5kmとなり、14万人が十分な居住地を持てる。これは、住人間で効率的な輸送を行うには十分小さく、工業基盤となるには十分大きいサイズである[2]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ O'Neill, Gerard K., The High Frontier, third edition. Apogee Books, 2000.
  2. ^ ibid. pp 93

参考文献[編集]

  • J・D・バナール 著、鎮目恭夫 訳『宇宙・肉体・悪魔 理性的精神の敵について』みすず書房、1972年(原著1929年)。 

外部リンク[編集]