ジャベール・マギー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャベール・マギー
JaVale McGee
2018年のマギー
サクラメント・キングス  No.00
ポジション C
所属リーグ NBA
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生年月日 (1988-01-19) 1988年1月19日(36歳)
出身地 ミシガン州フリント
身長 213cm (7 ft 0 in)
体重 122kg (269 lb)
ウィングスパン 228cm  (7 ft 6 in)[1]
シューズ ナイキ[2]
キャリア情報
高校 デトロイト・カントリー・デイ英語版
プロビデンス・クリスチャン
ヘールズ・フランシスカン高等学校英語版
大学 ネバダ大学
NBAドラフト 2008年 / 1巡目 / 全体18位[1]
プロ選手期間 2008年–現在
経歴
20082012ワシントン・ウィザーズ
20122015デンバー・ナゲッツ
2015フィラデルフィア・76ers
2015–2016ダラス・マーベリックス
20162018ゴールデンステート・ウォリアーズ
20182020ロサンゼルス・レイカーズ
2020–2021クリーブランド・キャバリアーズ
2021デンバー・ナゲッツ
2021–2022フェニックス・サンズ
2022–2023ダラス・マーベリックス
2023サクラメント・キングス
受賞歴
Stats ウィキデータを編集 Basketball-Reference.com
Stats ウィキデータを編集 NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten
代表歴
キャップ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
獲得メダル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
オリンピック
金メダル - 1位 2021 東京 チーム

ジャベール・リンディ・マギーJaVale Lindy McGee, 1988年1月19日 - )は、アメリカ合衆国ミシガン州フリント出身のプロバスケットボール選手。NBAサクラメント・キングスに所属している。ポジションはセンター

経歴[編集]

1985年のNBAドラフト2巡目でポートランド・トレイルブレイザーズから指名されたジョージ・モンゴメリー英語版、1984年のロサンゼルスオリンピック金メダリスト、WNBAのスターでロサンゼルス・スパークスサクラメント・モナークスでプレーしたパメラ・マギー英語版の息子として[3]、1988年にミシガン州フリントで生まれた。ミシガン州の高校2校に通った後、イリノイ州シカゴの高校に転校した。NBAのゴールデンステート・ウォリアーズでプレーしたことのあるソニー・パーカー英語版 (ジャバリ・パーカーの父) の元でトレーニングを積み、2005年11月、翌年ネバダ大学リノ校に進学にすることが決まった[4]。ネバダ大学で2シーズンプレーした後、2008年のNBAドラフトへのアーリーエントリーを決断した。2年次には平均14.3得点、7.3リバウンド、シュート成功率53%、3Pシュート成功率33%で、ウェスタン・アスレティック・カンファレンストップの2.8ブロックショットや豪快なダンクショットで知られた[5]

ワシントン・ウィザーズ[編集]

2008年ワシントン・ウィザーズから1巡目18位で指名され、同年7月9日、ウィザーズと2年240万ドルの契約を結んだ[3]。2010年1月9日、ギルバート・アリーナスの卑劣な行為に同調する行為を行ったとして、チームメートのアンドレイ・ブラッチェランディ・フォイニック・ヤングとともに1万ドルの罰金を科された[6]

2010年のマギー

2011年1月6日、その年のNBAオールスター・スラムダンクコンテストへの出場が決まった。ウィザーズからの出場はマギーが初めてであった[7]。コンテストで彼は、1度のジャンプで3つのボールをダンクするという離れ業を演じて(3つ目のボールは、チームメートのジョン・ウォールからパスされた。)、ブレイク・グリフィンに次いで2位となった。3月15日のシカゴ・ブルズ戦では11得点、12リバウンド、12ブロックをあげて、初のトリプル・ダブルを達成した。1試合で12ブロックショットをNBA選手があげたのは、2001年3月23日にトロント・ラプターズキオン・クラークがあげて以来の快挙であった[8]。しかし19点差で敗れたこの試合の残り18秒7に二桁得点を達成、リムにぶらさがり、テクニカルファウルを受けたマギーについて、解説のケビン・マクヘイルは、ひどいトリプルダブルだとコメントした[9]

2011年3月に起きた東日本大震災に対して、ラマーカス・オルドリッジマーク・ガソルパウ・ガソルアル・ホーフォードデリック・ローズラッセル・ウェストブルックとともに3月25日から27日にあげた1得点につき1,000ドルを義捐金として寄付した[10]

NBAのロックアウト中、フィリピンを訪れ、エキシビションゲームに出場したり、バスケットボールクリニックを行った。

デンバー・ナゲッツ[編集]

2012年3月15日にロニー・トゥリアフとともにネネイとの交換でデンバー・ナゲッツに移籍した[11]。ウィザーズではこの年41試合中40試合に先発し、平均27.6分出場していたマギーは、20試合中5試合の先発にとどまり、平均20.6分の出場と出場時間を減らした。3月21日のナゲッツでのデビュー戦では、残り5秒にアーロン・アフラロが失敗したフリースローをダンクで押し込み、決勝点をあげた。この年ナゲッツは、ウェスタン・カンファレンス6位でシーズンを終え、マギーは初めてプレーオフに出場した。1回戦のロサンゼルス・レイカーズとの第5戦では、21得点をあげて3点差の勝利に貢献したが[12]、第7戦では7本中1本のシュートしか決められず、2得点に終わった[13]。シーズン終了後、制限付きフリーエージェントとなったマギーは、7月12日に4年4400万ドルでナゲッツと契約を結んだ[14]

2015年2月19日、複数のチームが絡んだ大型トレードでフィラデルフィア・76ersに移籍したが、3月1日にバイアウトで合意し、フリーエージェントとなった。

ダラス・マーベリックス[編集]

2015年8月13日にダラス・マーベリックスと契約[15]。シーズン終了後の2016年7月8日に解雇された。

ゴールデンステート・ウォリアーズ[編集]

7月29日、ゴールデンステート・ウォリアーズとトレーニングキャンプ契約を交わし[16]、10月19日に正式に契約した。

2016-17シーズンは主に控えセンターとして77試合に出場。フィールドゴール成功率においてチームトップかつ自身のキャリアハイとなる65.2%を記録した。出場時間はキャリアワーストの平均9.6分にとどまったものの、平均6.1得点、3.2リバウンドの成績を残し、短時間で得点やブロックを量産しゲームの流れを幾度となく変え勝利に貢献。そして同シーズンに念願のNBAチャンピオンを経験した。

2017年7月27日、ウォリアーズと再契約で合意した[17][18]

2017-18シーズンは65試合に出場。平均4.8得点、2.6リバウンドと成績を落としたものの、2年連続のNBAチャンピオンとなった。

ロサンゼルス・レイカーズ[編集]

2018年7月10日にロサンゼルス・レイカーズと契約した[19]

2018-19シーズンはウォリアーズ時代より出場機会が大きく増え、75試合に出場(うち62試合に先発)、平均22.3分プレイした。レブロン・ジェームズらのアシストを受けてダンクを量産し、キャリアハイのシーズン平均12.0得点を挙げた。

クリーブランド・キャバリアーズ[編集]

2020年11月23日にアルフォンゾ・マッキニージョーダン・ベルとのトレードで、クリーブランド・キャバリアーズへ移籍した[20]

ナゲッツ復帰[編集]

2021年3月25日にアイザイア・ハーテンシュタインと将来のドラフト2巡目指名権2つとのトレードで、古巣のナゲッツへ移籍した[21]

フェニックス・サンズ[編集]

2021年8月6日にフェニックス・サンズと契約した[22]

マーベリックス復帰[編集]

2022年7月10日に古巣のマーベリックスと3年契約を結んだ[23]

契約1年目の2022-23シーズン終了後に解雇された[24]

サクラメント・キングス[編集]

2023年9月2日にサクラメント・キングスと契約した[25]

個人成績[編集]

略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック  PPG  平均得点  太字  キャリアハイ
  優勝シーズン     リーグリーダー

レギュラーシーズン[編集]

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2008–09 WAS 75 14 15.2 .494 - .660 3.9 .3 .4 1.0 6.5
2009–10 60 19 16.1 .508 .000 .638 4.0 .2 .3 1.7 6.4
2010–11 79 75 27.8 .550 .000 .583 8.0 .5 .5 2.4 10.1
2011–12 41 40 27.4 .535 - .500 8.8 .6 .6 2.5 11.9
DEN 20 5 20.6 .612 - .373 5.8 .3 .5 1.6 10.3
2012–13 79 0 18.1 .575 1.000 .591 4.8 .3 .4 2.0 9.1
2013–14 5 5 15.8 .447 - 1.000 3.4 .4 .2 1.4 7.0
2014–15 17 0 11.5 .557 - .690 2.8 .1 .1 1.1 5.2
PHI 6 0 10.2 .444 - .500 2.2 .3 .0 .2 3.0
2015–16 DAL 34 2 10.9 .575 .000 .500 2.2 .3 .0 .2 3.0
2016–17dagger GSW 77 10 9.6 .652 .000 .505 3.2 .2 .2 .9 6.1
2017–18dagger 65 17 9.5 .621 .000 .731 2.6 .5 .3 .9 4.8
2018–19 LAL 75 62 22.3 .624 .083 .634 7.5 .7 .6 2.0 12.0
2019–20dagger 68 68 16.6 .637 .500 .646 5.7 .5 .5 1.4 6.6
2020–21 CLE 33 1 15.2 .521 .250 .655 5.2 1.0 .5 1.2 8.0
DEN 13 1 13.5 .478 .000 .667 5.3 .5 .2 1.1 5.5
2021–22 PHO 74 17 15.8 .629 .222 .699 6.7 .6 .3 1.1 9.2
2022–23 DAL 42 7 8.5 .640 .400 .585 2.5 .3 .1 .6 4.4
通算 863 343 16.6 .578 .197 .604 5.2 .4 .4 1.4 7.8

プレーオフ[編集]

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2013 DEN 7 0 25.9 .434 .538 9.6 .7 .7 3.1 8.6
2014 6 2 18.7 .581 .389 5.2 .0 .7 1.0 7.2
2016 DAL 2 0 7.0 .500 .333 1.5 .0 .5 .0 2.0
2017dagger GSW 16 1 9.3 .732 .722 3.0 .3 .1 .9 5.9
2018dagger 13 9 12.2 .672 .000 .684 3.2 .3 .2 1.3 6.5
2020dagger LAL 14 11 9.6 .625 .000 .500 3.1 .5 .1 .7 2.9
2021 DEN 4 0 8.5 .300 .000 .333 3.0 .8 .3 1.3 2.0
2022 12 0 11.1 .700 .000 .846 4.0 .6 .6 .4 6.8
通算 74 23 12.4 .616 .000 .571 4.0 .4 .3 1.0 5.6

カレッジ[編集]

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2006-07 ネバダ 33 0 10.0 .600 .667 .471 2.2 .1 .2 .9 3.3
2007-08 33 31 27.3 .529 .333 .525 7.3 .6 .8 2.8 14.1
通算 66 31 18.7 .542 .356 .514 4.8 .3 .5 1.8 8.7

その他[編集]

  • 両腕を広げた際の長さは2m30cmであり、現役のNBA選手の中でも屈指の長さとなっている[26]
  • NBA公式のShaqtin' A Fool(元NBAのスター選手であるシャキール・オニールが、その週の珍プレイを紹介するコーナー)[27]の常連であり、オニールのお気に入りでもある。2度MVP(所謂珍プレイ大賞)に選ばれている。あまりにもマギーを小馬鹿にするような演出を巡りオニールとSNS上で激しい舌戦を繰り広げ、果てはチームや番組を巻き込む騒動まで発展した。最終的にオニールの母親が息子をたしなめたことで事態は沈静化した。
  • 珍プレイの印象が強くバスケットボールIQが低いという評価が多いが、ナゲッツ時代の同僚のアンドレ・イグダーラはマギーを高く評価しており、ゴールデンステート・ウォリアーズの首脳陣にマギーをプッシュしキャンプに参加させるまでに至り、最終的に契約を勝ち取った。

脚注[編集]

  1. ^ JaVale-McGee”. draftexpress.com (2008年). 2017年10月25日閲覧。
  2. ^ JaVale McGee | NBA Shoes Database”. ballershoesdb.com. 2022年1月28日閲覧。
  3. ^ a b Rookie McGee signs contract with Wizards”. ESPN (2008年7月9日). 2013年10月6日閲覧。
  4. ^ Nevada lands recruit McGee, son of former WNBA star”. ESPN (2005年11月4日). 2013年10月6日閲覧。
  5. ^ Scott Sonner (2008年3月31日). “'Big Secret' out at Nevada; McGee declares for draft”. seattlepi.com. 2013年10月6日閲覧。
  6. ^ Wiz fine Blatche, McGee, Foye, Young”. ESPN (2010年1月9日). 2013年10月6日閲覧。
  7. ^ Griffin, Ibaka, Jennings and McGee set for Sprite Slam Dunk”. nba.com (2011年1月6日). 2011年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月6日閲覧。
  8. ^ Despite JaVale McGee's triple-double, Bulls best Wizards to gain control of first in East”. ESPN (2011年3月15日). 2013年10月6日閲覧。
  9. ^ Benjamin Hoffman (2011年3月19日). “JaVale McGee’s Unusual Triple-Double”. ニューヨーク・タイムズ. 2013年10月6日閲覧。
  10. ^ Chris Cusack. “Dunleavy Jr. Teams Up with NBA Stars to Raise Money for Japan”. dukechronicle.com. 2013年10月6日閲覧。
  11. ^ Michael Lee (2012年3月16日). “Wizards trade JaVale McGee and Nick Young”. ワシントン・ポスト. 2013年10月6日閲覧。
  12. ^ Greg Beacham (2012年5月9日). “Nuggets avoid elimination, hold off Lakers 102-99”. YAHOO! SPORTS. 2013年10月6日閲覧。
  13. ^ Lakers outlast Nuggets 96-87 in thrilling Game 7”. YAHOO! SPORTS (2012年5月12日). 2013年10月6日閲覧。
  14. ^ Nuggets re-sign free agent JaVale McGee”. nba.com (2012年7月18日). 2013年10月6日閲覧。
  15. ^ Mavericks sign center Javale Mcgee”. Mavs.com (2015年8月13日). 2015年8月14日閲覧。
  16. ^ JaVale McGee Signs Make-Good Deal With Warriors
  17. ^ Warriors Re-Sign Center JaVale McGee”. NBA.com (2017年8月1日). 2017年8月1日閲覧。
  18. ^ Haynes, Chris (2017年7月27日). “Sources: JaVale McGee re-signing with Warriors on 1-year deal”. ESPN.com. 2017年7月28日閲覧。
  19. ^ Lakers Sign JaVale McGee”. NBA.com (2018年7月10日). 2018年7月10日閲覧。
  20. ^ Cavaliers Acquire JaVale McGee from Los Angeles Lakers”. NBA.com (2020年11月23日). 2020年11月27日閲覧。
  21. ^ Denver Nuggets acquire center JaVale McGee from Cleveland Cavaliers”. NBA.com (2021年3月25日). 2021年3月26日閲覧。
  22. ^ SUNS SIGN JAVALE MCGEE”. NBA.com (2021年8月16日). 2021年8月17日閲覧。
  23. ^ Mavs sign McGee” (英語). The Official Home of the Dallas Mavericks (2022年7月10日). 2023年8月29日閲覧。
  24. ^ Mavs waive McGee” (英語). The Official Home of the Dallas Mavericks (2023年8月29日). 2023年8月29日閲覧。
  25. ^ Sacramento Kings Sign JaVale McGee” (英語). www.nba.com. 2023年9月3日閲覧。
  26. ^ Sport Science: JaVale McGee”. ESPN Youtube 公式チャンネル (2012年2月18日). 2013年10月6日閲覧。
  27. ^ Shaqtin' A Fool--NBA.com

外部リンク[編集]