オリンピックの卓球競技

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オリンピック(卓球競技)
大会概要
英語 Table tennis at Olympic Games
開始年 1988
主催 国際オリンピック委員会国際卓球連盟
使用球 上海紅双喜
使用台 三英、Infinity
前回優勝
オリンピック卓球競技
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オリンピックの卓球競技
統括団体 国際卓球連盟 (略称: ITTF)
種目数 5 (男子 2, 女子 2, 混合 1)
大会

オリンピックの卓球競技(オリンピックのたっきゅうきょうぎ、: Table tennis at Olympic Games)は、1988年ソウルオリンピックから男女ともに実施された。2004年アテネオリンピックまでは男女シングルスと男女ダブルスの4種目が実施されていたが、2008年北京オリンピックからは男女ダブルスに代わり、男女団体(1チーム3人)が実施された。

国際オリンピック委員会によって各国からの代表選手は3名までとなっており2004年のアテネオリンピックではシドニーオリンピック金メダリストの孔令輝は出場権を得ることができなかった[2]

その後2010年の世界選手権モスクワ大会の際に行われた国際卓球連盟のオリンピック委員会で2012年ロンドンオリンピックのシングルス出場枠は各国2名までとなった[3]

2020年東京オリンピックからは新種目として混合ダブルスも実施される。

実施種目[編集]

種目 / 年 88 92 96 00 04 08 12 16 20 24 合計
現行種目
男子シングルス 10
男子団体 5
女子シングルス 10
女子団体 5
混合ダブルス 2
現在は実施されていない種目
男子ダブルス 5
女子ダブルス 5
種目数 4 4 4 4 4 4 4 4 5 5 42

試合形式[編集]

シングルス[編集]

現行は、7ゲームマッチ(4ゲーム先取)。トーナメント方式。準決勝の敗者2名で3位決定戦を行う。

団体[編集]

現行は、5ゲームマッチ(3ゲーム先取)。トーナメント方式。シングルスに出場する選手に、団体戦のみ出場する選手を加え、各チーム3名で構成する。5試合行い、3試合先取したチームが勝利。第1試合、第2試合、第4試合、第5試合はシングルス、第3試合はダブルスを行う。

試合前に両チームの監督がABCかXYZのどちらかをトスで決定する。第1試合にA対X、第2試合にB対Yを行った後、第3試合の出場ペアを決定し、「C+(AまたはB)」対「Z+(XまたはY)」のダブルスを行う。その後、第4試合に(AまたはBで第3試合に出ない選手)対Z、第5試合にC対(XまたはYで第3試合に出ない選手)を行う。よって、チームのうち2名はダブルスとシングルス1回ずつ、1名はシングルス2回を行う。

北京(2008年)はグループリーグと変則トーナメントを組み合わせた方式だった。

2020年東京オリンピックからは、第1試合にダブルスを行う方式に変更される。第1試合はB+C対Y+Z、第2試合はA対X、第3試合はC対Z、第4試合はA対Y、第5試合はB対Xの順に試合を行う。この方式は他の国際大会では既に2018年から採用されているが、AとXはシングルス2試合を行うためチームのエース格が担当することが多い。また、CとZは相手のエース格の選手(AまたはX)とは対戦しないこととなる。まとめると下表の通り。

団体戦試合形式(2020年~)
試合 形式 チームABC チームXYZ
1 ダブルス B+C Y+Z
2 シングルス A X
3 シングルス C Z
4 シングルス A Y
5 シングルス B X

メダル獲得数の国別一覧[編集]

国・地域
1 中国 中国 (CHN) 32 20 8 60
2 韓国 韓国 (KOR) 3 3 12 18
3 日本 日本 (JPN) 1 3 4 8
4 スウェーデン スウェーデン (SWE) 1 1 1 3
5 ドイツ ドイツ (GER) 0 4 5 9
6 北朝鮮 北朝鮮 (PRK) 0 1 3 4
7 シンガポール シンガポール (SGP) 0 1 2 3
チャイニーズタイペイ チャイニーズタイペイ (TPE) 0 1 2 3
9 フランス フランス (FRA) 0 1 1 2
香港 香港 (HKG) 0 1 1 2
ユーゴスラビア ユーゴスラビア (YUG) 0 1 1 2
12 デンマーク デンマーク (DEN) 0 0 1 1
37 37 41 115

参加国[編集]

国 / 年 88 92 96 00 04 08 12 16 20 合計
アルジェリア アルジェリア (ALG) 4
アルゼンチン アルゼンチン (ARG) 7
オーストラリア オーストラリア (AUS) 9
オーストリア オーストリア (AUT) 9
ベルギー ベルギー (BEL) 7
ボスニア・ヘルツェゴビナ ボスニア・ヘルツェゴビナ (BIH) 2
ベラルーシ ベラルーシ (BLR) 6
ブラジル ブラジル (BRA) 9
ブルガリア ブルガリア (BUL) 3
カナダ カナダ (CAN) 9
コンゴ共和国 コンゴ共和国 (CGO) 3
チリ チリ (CHI) 7
中国 中国 (CHN) 9
カメルーン カメルーン (CMR) 3
コンゴ民主共和国 コンゴ民主共和国 (COD) 1
コロンビア コロンビア (COL) 3
クロアチア クロアチア (CRO) 8
キューバ キューバ (CUB) 5
チェコ チェコ (CZE) 7
チェコスロバキア チェコスロバキア (TCH) 2
デンマーク デンマーク (DEN) 6
ジブチ ジブチ (DJI) 1
ドミニカ共和国 ドミニカ共和国 (DOM) 5
エクアドル エクアドル (ECU) 2
エジプト エジプト (EGY) 7
スペイン スペイン (ESP) 6
エストニア エストニア (EST) 1
フィジー フィジー (FIJ) 2
フィンランド フィンランド (FIN) 1
フランス フランス (FRA) 9
イギリス イギリス (GBR) 7
ドイツ ドイツ (GER) 8
西ドイツ 西ドイツ (FRG) 1
ガーナ ガーナ (GHA) 3
ギリシャ ギリシャ (GRE) 7
ガイアナ ガイアナ (GUY) 1
香港 香港 (HKG) 9
ホンジュラス ホンジュラス (HON) 1
ハンガリー ハンガリー (HUN) 9
インドネシア インドネシア (INA) 4
インド インド (IND) 9
イラン イラン (IRI) 7
イラク イラク (IRQ) 1
イスラエル イスラエル (ISR) 1
イタリア イタリア (ITA) 7
ジャマイカ ジャマイカ (JAM) 3
ヨルダン ヨルダン (JOR) 5
日本 日本 (JPN) 9
カザフスタン カザフスタン (KAZ) 3
韓国 韓国 (KOR) 9
サウジアラビア サウジアラビア (KSA) 3
クウェート クウェート (KUW) 3
ラトビア ラトビア (LAT) 1
リビア リビア (LBA) 1
レバノン レバノン (LBN) 3
リトアニア リトアニア (LTU) 3
ルクセンブルク ルクセンブルク (LUX) 5
モロッコ モロッコ (MAR) 1
マレーシア マレーシア (MAS) 1
メキシコ メキシコ (MEX) 4
モンゴル モンゴル (MGL) 1
モナコ モナコ (MON) 1
モーリシャス モーリシャス (MRI) 2
オランダ オランダ (NED) 9
ナイジェリア ナイジェリア (NGR) 9
ニュージーランド ニュージーランド (NZL) 5
パキスタン パキスタン (PAK) 1
パラグアイ パラグアイ (PAR) 3
ペルー ペルー (PER) 4
フィリピン フィリピン (PHI) 1
ポーランド ポーランド (POL) 9
ポルトガル ポルトガル (POR) 4
北朝鮮 北朝鮮 (PRK) 6
プエルトリコ プエルトリコ (PUR) 2
カタール カタール (QAT) 4
ルーマニア ルーマニア (ROU) 8
南アフリカ 南アフリカ (RSA) 1
ロシア ロシア (RUS) 6
ROC ROC (ROC) 1
EUN EUN (EUN) 1
ソビエト連邦 ソビエト連邦 (URS) 1
セネガル セネガル (SEN) 2
シンガポール シンガポール (SGP) 7
スロベニア スロベニア (SLO) 5
セルビア セルビア (SRB) 4
セルビア・モンテネグロ セルビア・モンテネグロ (SCG) 1
ユーゴスラビア ユーゴスラビア (YUG) 3
独立参加 独立参加 (IOP) 1
スーダン スーダン (SUD) 1
スイス スイス (SUI) 2
スロバキア スロバキア (SVK) 4
スウェーデン スウェーデン (SWE) 9
シリア シリア (SYR) 2
タイ タイ (THA) 6
トルクメニスタン トルクメニスタン (TKM) 2
トーゴ トーゴ (TOG) 2
チャイニーズタイペイ チャイニーズタイペイ (TPE) 8
トリニダード・トバゴ トリニダード・トバゴ (TTO) 2
チュニジア チュニジア (TUN) 7
トルコ トルコ (TUR) 3
ウガンダ ウガンダ (UGA) 3
ウクライナ ウクライナ (UKR) 5
アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 (USA) 9
ウズベキスタン ウズベキスタン (UZB) 2
バヌアツ バヌアツ (VAN) 4
ベネズエラ ベネズエラ (VEN) 7
ベトナム ベトナム (VIE) 2
参加数 41 48 51 48 50 56 57 56 57

脚注[編集]

  1. ^ 2016年ITTFカレンダー アーカイブ 2017年9月30日 - ウェイバックマシン国際卓球連盟
  2. ^ アダム・シャララ (2004年3月18日). “Kong Linghui”. 国際卓球連盟. 2010年6月5日閲覧。
  3. ^ 日本経済新聞 2010年5月25日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]