チークは、世界の有名木材、とくに熱帯に産するものの仲間で、忘れてはならないものの一つです。天然にはアジアの熱帯のうち、インド、ビルマ、タイ、など大陸の各地に分布しています。インドネシアのジャワ島には広い面積にわたっての造林地があります。有名な木材なので、東南アジアはもちろんのこと、世界の熱帯各地で造林されています。このチークの天然の産地は、熱帯ではあっても、乾期と雨期がはっきりしている雨緑林帯と呼ばれる地域です。したがって、チークでも熱帯降雨林地帯に植えられたものからの木材は、品質的に劣るようです。 ■木材 心材の色は、生育状態によってかなり変化し、金褐色、褐色、赤褐色などです。辺材は黄白色で、心材からはっきりと区別出来ます。また黒あるいは紫色を帯びた縞があり化粧的な価値を高めています。チークはもともとは、耐朽性があり、かつ強さがあるため、大型の船舶(軍艦など)の甲板によく使われています。京都の寺院でチークを使っている所もあります(万福寺)。今ではスライスドベニヤあるいはムクで、内装、家具などに主に使われています。これは、むしろ材面の美しさを利用したもので、かっての使われ方と随分違っています。材面には、ワックスのような感じがあり、脂でこすっていると段々とベトベトして来ます。また、機械油のような臭いがします。熱帯産の樹種としては珍しく年輪がわかります。これは、雨緑林という乾季、雨季のはっきりとした所が故郷だからでしょう。肌目は粗くなっています。加工はとくにむずかしくはありません。 ■用途 装飾価値を利用して、家具、キャビネット、建築などに、また造船にも用います。 |