Om mani padme humとは? わかりやすく解説

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六字大明呪

(Om mani padme hum から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/21 16:04 UTC 版)

六字大明呪(ろくじだいみょうじゅ)[1]とは、仏教陀羅尼呪文)の1つ。サンスクリットの6つの音節からなる観世音菩薩の陀羅尼であり[2]チベット語で六文字となることから六字真言(ろくじしんごん)ともいう[3]。特に、チベット仏教圏のチベットモンゴルの仏教徒が頻繁に唱える陀羅尼である[1]。ほかに六字と名のつく真言陀羅尼には、文殊菩薩の六字陀羅尼、『請観音経』を典拠とする六字章句陀羅尼がある[注釈 1]


注釈

  1. ^ 坂内龍雄『真言陀羅尼』は、観音菩薩の六字真言に六字陀羅尼の呼称を与えている(同書 89頁)。
  2. ^ ここではアヌナーシカの表す鼻音()を m に置き換えている。
  3. ^ ここではアヌナーシカ(仰月点)の表す鼻音( または )を「ン」と表記している。「オーム マ ニ パ ドメー フーム」[2][注釈 2]、「オーム、マニ、パドメー、フーン」[4]、「オーム、マニパドメーフーン」[5]とも表記される。
  4. ^ 正確には、ここでの六は字数に拠るのではなく、音節 (akṣara) が6つあることを指している[4]
  5. ^ チベット語のカナ転写の仕方は学者ごとに異なっており、統一されていない。ここでは今枝監訳 2015田中 2009の表記に拠った。ほかに「オン・マニ・ペメ・フン」(チベット学者の石濱裕美子による[6])、「オムマニペメフム」(1910年代にチベットで僧院生活を経験した多田等観[7]、文化人類学者・チベット学者の棚瀬慈郎[8]、同じく村上大輔[9]がこの表記を採用)、「オムマニペメフン」[10]、「オム・マニ・ペメ・フム」[11]などの表記例がある。「オーム・マニペメ・フーム」[12]、「オーム・マニ・ペーメエ・フーム」[1]とも表記される。
  6. ^ 発音: [om ma ni peː`me hum][10]
  7. ^ yi geにはakṣaraと同様に音節の意味もある。

出典

  1. ^ a b c d 『岩波 仏教辞典 第二版』 121-122頁。
  2. ^ a b c d 佐久間 2015, p. 193.
  3. ^ 今枝監訳 2015, 今枝由郎星泉「用語集」, p. 353.
  4. ^ a b c 森 2011, p. 188.
  5. ^ 立川 1997, p. 30.
  6. ^ a b 石濱編 2004, 石濱裕美子「観音菩薩に祝福された民」, p. 14.
  7. ^ 多田等観著、牧野文子編 『チベット滞在記』 〈講談社学術文庫〉、講談社、2009年、178頁。
  8. ^ 棚瀬慈郎 『旅とチベットと僕』 講談社、2013年、80頁。
  9. ^ 村上大輔 『チベット 聖地の路地裏 - 八年のラサ滞在記』 法蔵観、2016年、43頁。
  10. ^ a b ケルサン・タウワ編 『チベット語辞典 蔵日・日蔵』 カワチェン、2003年、蔵日218頁、日蔵29頁。
  11. ^ a b ダライ・ラマ法王日本代表部事務所>チベットについて>チベットと文化>くらしの中の信仰(オム・マニ・ペメ・フム)
  12. ^ ローソン著, 森訳 1994, pp. 78–79.
  13. ^ a b c 伊藤 2011, pp. 236–237.
  14. ^ ローソン著, 森訳 1994, p. 23.
  15. ^ ローソン著, 森訳 1994, p. 50.
  16. ^ Lopez 1998, pp. 114–134.
  17. ^ a b 田中 2009, pp. 46–47.
  18. ^ 今枝監訳 2015, 今枝由郎星泉「用語集」, p. 356.
  19. ^ 佐久間 2015, p. 200.
  20. ^ a b 佐久間 2015, pp. 200–201.
  21. ^ 今枝監訳 2015, p. 65.


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