G mediterraneus Finschow
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/09 09:36 UTC 版)
「オウギタケ属」の記事における「G mediterraneus Finschow」の解説
原記載によれば、「かさは径2-5cm、粘性はなく、黒紫色で光沢を有し、部分的にしみを生じ、僅かにざらつき、縁は長く内側に巻き込むとともに、柄と繊維状の被膜で連結されている。柄はしばしば屈曲しており、かさと同色もしくはより暗色で、クモの巣状のつばを有する。ひだはやや密で柄に垂生し、赤銅色から次第に黒紫色となる。肉は淡橙褐色ないし赤褐色を呈し、柄の基部では橙褐色である。胞子は黒紫色で細長く(イグチ類のそれに似る)、大きさ14-15×6-7×4-5μmである。シスチジアは頭状をなす。アレッポマツPinus halepensis Millerの樹下に発生する」とされている。ヨウ素溶液に対する子実体や菌糸の反応については、原記載では触れられていないので断定はできないが、かさに粘性がないとされることからは、オウギタケ属の菌ではなくクギタケ属に置かれるべきものではないかと考えられる。上記の報文において、「クギタケと比較して胞子がやや短小であり、子実体の色調も異なることから新種であると考える」と述べられている点にも、これを疑わせるものがある。スペイン産の標本をもとに記載された種類であるが、その後の再発見の記録はなく、タイプ標本の詳細な再検討がなされた報告もないようである。
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