スループとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > スループの意味・解説 

スループ【sloop/(オランダ)sloep】

読み方:するーぷ

1本マスト前後三角形縦帆をもつ小型帆船17〜19世紀軍艦として使われた。

スループの画像

スループ

名前 Sloop

スループ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/02 05:47 UTC 版)

スループオランダ語: sloep英語: sloop)とは、

  1. 1本マストにジブとメインスルの帆装を持つ帆船[1]#帆走スループ参照。
  2. 帆船時代末期にみられたコルゲート艦より小型の砲艦[1][注 1]#戦闘用のスループ参照。
  3. 連絡用の小型艦艇である通報艦[1]

帆走スループ

帆装

帆走スループ

帆走のスループは、マスト1本にガフ1枚とジブ1枚を持つ帆装である。マストの本数、そこに張られた帆の種類はカッターと共通しているが、「船体に対するマストの位置」と「フォアステイの張り方」で区別される。

マストの位置は、カッターよりも船首寄りである。そのためスループのジブはカッターのものよりも小型で、通常は数も1枚しか持たない。ただし、スループであってもフレンドシップ・スループなどの形式では複数の船首帆を持っており、船首帆の数は決定的な区別要素ではない。結局のところ、マストの位置がスループを定義づける最大の要素ということになる[要出典]

両者を区別する最も明快な要素は、フォアステイ(マストと船首の間に張られた線)の張り方である。スループの場合、バウスプリットの突端(the outboard end of the bowsprit)とマストの間にステイが張られており、そのためにバウスプリットを動かすわけにはいかず、常に設置しておかねばならない。これに対してカッターの場合、バウスプリットではなく船殻の船首端にステイが張られている。これにより、カッターの場合はバウスプリットを外して収容することも可能で、混雑した港内での航行時や、強風下でのジブの収納の際に便利である[要出典]

バミューダスループ

バミューダスループBermuda sloop)とは、17世紀初頭にバミューダ諸島で開発されたバミューダ帆装を持つスループである。スループの定義としてはマストは1本であるが、バミューダスループと呼ばれた船は3本マストで建造されたものも多く、バミューダ帆装スクーナーとも同義である。

戦闘用のスループ

等級制度
戦列艦
フリゲート
等級なし

歴史

戦闘用の帆走スループは、スループ・オブ・ウォーSloop-of-war)とも呼ばれる。18世紀から20世紀まで用いられたフリゲートコルベットの中間に位置する軍艦であり、一層の砲甲板に10から20の大砲を搭載していた。砲門の数で定義されており、マストの本数や帆の種類は問わない。マストが2本のものをブリッグ・スループ、3本のものはシップ・スループと分類するが厳密な帆装の区別ではなく、帆の種類も縦帆・横帆を問わない。主に船団護衛艦や沿岸警備艦として用いられた。

帆走時代から機走軍艦の時代へと移るに従い、砲艦海防艦などに呼びかえられあまり使用されない分類となったが、第一次世界大戦において航洋型の船団護衛艦の分類としてイギリス海軍で復活した。その後、第二次世界大戦にかけて、船団護衛艦のほか艦隊型掃海艇哨戒艦艇、植民地警備艦などの多様な性格の小型艦がスループの名で建造された。しかし、より量産性の高いコルベットフリゲートに船団護衛艦の主力の地位は移り、第二次世界大戦中のブラックスワン級スループを最後にスループの名を持つ艦は建造されていない。

なお、フランス海軍の植民地通報艦 (aviso) や、日本海軍が第二次世界大戦期に建造した海防艦などは、英語文献においてスループと分類されていることがある。

代表的な戦闘用のスループ

日本海軍の天城
イギリス海軍のFowey
帆走時代
第一次世界大戦以降

脚注

注釈

  1. ^ 出典には確かに「コルゲート艦」とあるが、現在使用されていない用語であり、「コルベット」の誤記の可能性がある。スループとコルベット間の大小関係には入れ替わる場合もある。コルベット#帆走コルベット参照。

出典

  1. ^ a b c 池田勝, 「古今(こきん)用語撰」『らん:纜』 1994年 25巻 p.33-36, 日本船舶海洋工学会, doi:10.14856/ran.25.0_33、2020年6月19日閲覧。

スループ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/01 14:47 UTC 版)

ポートロイヤル2-カリブ大航海記-」の記事における「スループ」の解説

1本のマスト縦帆ガフセイル)・ジブ帆装した小型の船である。

※この「スループ」の解説は、「ポートロイヤル2-カリブ大航海記-」の解説の一部です。
「スループ」を含む「ポートロイヤル2-カリブ大航海記-」の記事については、「ポートロイヤル2-カリブ大航海記-」の概要を参照ください。


スループ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/01 14:47 UTC 版)

ポートロイヤル-カリブ海戦記-」の記事における「スループ」の解説

1本のマスト縦帆ガフセイル)・ジブ帆装した小型の船である。

※この「スループ」の解説は、「ポートロイヤル-カリブ海戦記-」の解説の一部です。
「スループ」を含む「ポートロイヤル-カリブ海戦記-」の記事については、「ポートロイヤル-カリブ海戦記-」の概要を参照ください。


スループ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 02:53 UTC 版)

ポートロイヤル-カリブ大航海記-」の記事における「スループ」の解説

1本のマスト縦帆ガフセイル)・ジブ帆装した小型の船である。

※この「スループ」の解説は、「ポートロイヤル-カリブ大航海記-」の解説の一部です。
「スループ」を含む「ポートロイヤル-カリブ大航海記-」の記事については、「ポートロイヤル-カリブ大航海記-」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「スループ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「スループ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「スループ」の関連用語

スループのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



スループのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのスループ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのポートロイヤル2-カリブ大航海記- (改訂履歴)、ポートロイヤル-カリブ海戦記- (改訂履歴)、ポートロイヤル-カリブ大航海記- (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS