タバコを吸うと肺からニコチンが取り込まれ、ニコチンは急速に脳内の腹側被蓋野にあるα4β2ニコチン性アセチルコリン受容体に取り付きます。ニコチンが受容体に取り付くことで、側坐核から大量のドーパミンが放出されます。ドーパミンは快楽を司る神経伝達物質であり、喫煙者はそのドーパミンの大量放出により満足感を得られます。しかし、ニコチンは30分程度で代謝され、ドーパミンは枯渇します。ドーパミンを出しすぎた神経末端は、ドーパミンの放出量を減少させるため、喫煙者はドーパミン枯渇による不快感(離脱症状)を味わいます。そして、その不快感を消すためにまた喫煙し、枯渇と喫煙を繰り返すようになります。これがニコチン依存症です。
ニコチン‐いそんしょう〔‐イソンシヤウ〕【ニコチン依存症】
ニコチン依存症
ニコチン依存症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/30 05:47 UTC 版)
ニコチン依存症(ニコチンいそんしょう、ニコチンいぞんしょう、英語: Nicotine dependence)とは、主に喫煙によるたばこの常用で生じるニコチンに対する依存症(嗜癖)で、薬物依存症のひとつ。世界保健機関 (WHO) による疾病の分類基準である国際疾病分類第10版 (ICD-10) では「F17.2 タバコ使用<喫煙>による精神および行動の障害 依存症候群」として精神障害に分類されている。
- ^ Marijuana and Medicine: Assessing the Science Base (1999) Institute of Medicine(全米科学アカデミー医学研究所、1999年)[要ページ番号]
- ^ 7割がニコチン依存症 喫煙実態調査で判明 共同通信社、2005年。
- ^ 喫煙者の4割、ニコチン依存症の自覚なし・ファイザー調べ 日経産業新聞、2008年5月16日
- ^ ダイヤモンド・オンライン 2010年12月13日(月) 監修 有岡宏子(国立国際医療研究センター病院第二総合診療科医長)
- ^ 禁煙治療のための標準手順書 日本循環器学会 禁煙推進委員会 2010年4月、日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会、日本呼吸器学会
- ^ 未成年の喫煙 平成8,12,16年度 最新タバコ情報 統計情報、厚生労働省
- ^ 市立中生徒1・5%、毎日喫煙…親も7割容認 読売新聞、2010年12月9日
- ^ 宮城県/健康推進課/たばこ対策/未成年者とたばこ 宮城県健康推進課たばこ対策室、2008年3月27日。
- ^ 未成年に喫煙させない環境をつくりましょう 神奈川県、2006年6月12日。
- ^ 平成10年度 喫煙と健康問題に関する実態調査 たばこ依存症判定 厚生労働省
- 1 ニコチン依存症とは
- 2 ニコチン依存症の概要
- 3 ニコチンの依存性
- 4 関連項目
ニコチン依存症
- ニコチン依存症のページへのリンク