ウェルドニッヒ・ホフマン病
別名:乳児脊髄性筋萎縮症、SMA1、SMA1型、Spinal Muscular Atrophy Type 1
英語:Werdnig-Hoffmann Disease
脊髄神経の異常により筋萎縮の障害が生じる「脊髄性筋萎縮症」のうち、生後まもない段階で発症するもの。
ウェルドニッヒ・ホフマン病に罹患した乳児は、表情筋などの一部の筋肉を除く全身の筋力が著しく低下する。呼吸筋も侵され、人工呼吸器が必要となる。ウェルドニッヒ・ホフマン病は脊髄性筋萎縮症の中でも特に重症とされ、ほとんどの場合に生後数ヶ月から数年以内に死に至るとされる。
脊髄性筋萎縮症には、ウェルドニッヒ・ホフマン病を含め全部で4つのタイプに分類される。「2型」は生後半年から1年半後ほどの間に発症し、中間型とも呼ばれる。2型~4型では障害は残るものの成人を迎えることが可能である。
関連サイト:
脊髄性筋萎縮症 - 難病情報センター
乳児脊髄性筋萎縮症
母親の1/3 は胎動が弱かったといいますので、胎内での発症が推定されます。生下時、あるいは乳児期早期から筋力低下、筋緊張低下が著明です。とくに筋緊張低下が強く、フロッピーインファントで発達の遅れも目立ちます。筋肉をさわると、筋肉はまるでマシュマロのように柔らかです。顔の筋肉はしっかりしていますから、表情は正常です(図40)。舌に細かいふるえ(線維束性収縮:fasciculation)があります。腱反射は消失します。
手足の筋肉は軟らかく、ほとんど動きがない。 顔面筋は侵されないので、泣いたり笑ったりの表情は豊かである。 | |
図40:ウェルドニッヒ・ホフマン病 |
遺伝子診断が可能になって、筋生検はほとんど行われません。筋病理では萎縮線維が大きな群をなして存在する(大群萎縮:large groups of atrophic fibers)のが特徴的です。非萎縮ないし肥大線維はタイプ1線維です。また筋内の末梢神経も早くから髄鞘を失います。
脊髄性筋萎縮症
(ウェルドニッヒホフマン病 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/25 15:54 UTC 版)
脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう、spinal muscular atrophy:SMA)とは、脊髄の前角細胞と脳幹の運動ニューロンの変性による筋萎縮と進行性の筋力低下を特徴とする常染色体劣性遺伝の形式の遺伝子疾患である。小児期、特に乳幼児発症のSMAの多くはSMN(survival motor neuron)遺伝子の変異を示すSMAであり、成人発症例や国際SMA協会報告の除外項目を含む場合はSMN遺伝子以外が原因であることが多い。運動ニューロン病のひとつである。
- ^ J Med Genet. 1973 Sep;10(3):260-5. PMID 4774536
- ^ Eur J Hum Genet. 2012 Jan;20(1):27-32. PMID 21811307
- ^ a b “全身の筋力が低下する難病「脊髄性筋萎縮症」治療薬を初承認”. ヨミドクター (読売新聞). (2017年7月4日) 2017年7月5日閲覧。
- ^ Brain Dev. 2014 Nov;36(10):914-20. PMID 24359787
- ^ なかでも非侵襲型人工呼吸器(NIPPV)は有効と考えられるが乳児対応が困難である
- ^ Genes Dev. 2010 Aug 1;24(15):1634-44. PMID 20624852
- ^ J Med Chem. 2016 Nov 23;59(22):10067-10083. PMID 27490705
- 1 脊髄性筋萎縮症とは
- 2 脊髄性筋萎縮症の概要
- 3 治療
- 4 歴史
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