集団パニック
集団パニック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 06:50 UTC 版)
「パニック障害」も参照 同一空間上の集団の中で、痙攣、歩行障害、動悸、失神、過呼吸や呼吸困難、または突然叫びだすなどの興奮や恍惚状態といったパニック障害やヒステリーの症状が、集団内の一人を発端として多数に連鎖する現象で、集団ヒステリー(mass hysteria)とも呼ばれる。集団パニック(集団ヒステリー)は他人への同調を原因として発生する。例えば保育園で0歳児の1人が泣き出すとみんなが泣き出したり、大人でも誰かが何かのきっかけで笑うと特に理由はなくともみんなが笑い出すというような現象が見られるが、これらと同じものだと考えられている。症状は過呼吸、興奮、意識障害、電波系を含む妄言や幻覚などで呼びかけにも反応が鈍くなる場合がある。集団パニック(集団ヒステリー)は、心霊スポットと呼ばれる場所で起こりやすいため、修学旅行などで戦争の舞台になり多数の死者が出たような場所、例えば沖縄の伊原第一外科壕、糸数壕、ひめゆりの塔などを訪問する場合には、引率する教師は非常に気を使うという。 2006年7月27日 千葉県船橋市のショッピングセンターで、女子中学生が次々にパニック症状を訴え、計11人が病院に搬送され、うち4人が入院する騒ぎがあった。1人が体調不良で倒れたのを見て、他の生徒らがショックを受けて症状が連鎖したとされる。これを報じた東京新聞の2006年7月28日付記事によると、過去1年だけでも、秋田、埼玉、大阪、山口、佐賀で、同様な過呼吸の連鎖があったと述べている。 2013年6月19日 兵庫県立上郡高等学校(兵庫県上郡町)の4階廊下で1年生の女子生徒が休憩時間に、女子トイレ前で「気持ちが悪い」と体調不良を訴えたところ、その様子を見ていた女子生徒らが次々にパニックになり、1時間ほどの間に女子生徒計21人が過呼吸の症状を訴え保健室で手当てを受けたが、18人は病院に救急搬送、3人が入院した。症状は軽症であった。 2014年6月30日 柳川高等学校(福岡県柳川市)で1年生の女子生徒が叫び声をあげてうずくまり、様子を見に来た他の生徒も同様の症状を発し、女子生徒26人が体調を崩す。同校では同日と翌7月1日を臨時休校とする措置を取る。 2018年5月12日午後、東京・JR新橋駅前の通称「機関車広場(SL広場)」で、女子高生7人が次々と過呼吸症状となり、救急搬送される事件があった。搬送されたのはいずれも横浜市内の私立高校の生徒で、この日は約300人で遠足のため東京に来たが、生徒の一部が自由行動後の集合時間に遅れ、教師から叱責されるうちに体調不良を訴えた。午後4時20分ごろ、新橋駅の駅員が「高校生が具合が悪くなっている」と警視庁に通報。警察、消防が駆けつけ最終的に7人が搬送された。いずれの生徒も軽症だったが、金曜日の夕方、しかも人通りの多い駅前広場だったためプライバシーを保護するためにビニールシートで大きな目張りがされた。多くのマスコミも繰り出したことで、より騒ぎが大きくなり、現場は一時騒然とした。
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