なか‐がわ〔‐がは〕【那珂川】
那珂川
那珂川は、栃木県那須郡の那須岳(標高1,915m)にその源を発し、余笹川・箒川が合流し、武茂川・荒川等の支川を合わせ、山間部から平野に流れ出て水戸市に入り、藤井川、桜川、涸沼川を合流し、ひたちなか市・大洗町間で太平洋に注いでいます。 那珂川流域は、栃木県、茨城県及びその一部は福島県にまたがり、流域面積は約3,270km2、流路延長1,485km(幹川150km・支川1,335km)となっています。 |
開発が進み流れと共に生活する人々 ひたちなか市(写真上)と水戸市を流れる 那珂川(写真下の流れは支川・桜川) |
河川概要 |
| ○拡大図 |
1.那珂川の歴史 |
"自然河川の形態が長く続き、洪水が起きてもその被害を逃れるため人々は川の近くの高台に住んでいたが、近年の都市化により、川近くの低地にも住むようになり、洪水被害を受けるようになった。" |
特有の歴史、先人の知恵の活用 |
那珂川は自然豊かで表情豊かな河川です。那珂川の氾濫した洪水は周辺の土地を浸水させ大きな被害をもたらしましたが、一方で洪水の去った後には洪水の残していった土砂の堆積等により、豊富な農作物が収穫でき農業が発展してきました。 そのため、人々は洪水の被害から逃れるため周辺の高台に住み、難を逃れて生活して来ましたが、水戸市・ひたちなか市では開発が進むなかで、川の近くの低地にも生活の場が広がるようになり、近年の出水では大きな浸水被害を受けることになりました。 1.昭和61年 浸水区域面積4,117ha 浸水被害戸数3,580戸 (河口から直轄管理区間終点まで) 2.平成10年 浸水区域面積1,726ha 浸水被害戸数1,011戸 (河口から直轄管理区間終点まで) 3.平成14年 浸水区域面積 411ha 浸水被害戸数 18戸 *内水による。 (河口から直轄管理区間終点まで) 現在では、昭和61年洪水を機に築堤事業、掘削事業等の整備が進められ、浸水範囲は年々減少してきています。
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2.地域の中の那珂川 |
"下流から上流まで沿川に住む人だけではなく、大勢の太公望が訪れ賑わいを見せ、河口部でのマリンスポーツ・中上流域でのカヌーや自然河岸でのキャンプ等人々に安らぎと憩いを与える一方で、一度荒れ狂うと多大な洪水被害を起こすという、様々な顔を持つ川である。" |
地域社会とのつながり
また、河川管理者自ら、毎年の夏休みを中心に小中学生及び高校生を対象にして、「水生生物による水質の簡易調査」として、申込のあった学校の総合学習を協力するかたちで「那珂川の水質の現状」を知ってもらい、これからの環境について考える手伝いをしています。
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3.那珂川の自然環境 |
"那珂川は那須岳を水源とし、山間平地から渓谷を流れ、そして都市化の進んだ市街地、そしてまた平野部の田園地帯を流れ下るといった変化にとんだ環境を持ち、関東でもアユが生息し、鮭の遡上する清流として有名である。" |
また那珂川は関東でも鮎が生息し、鮭の遡上する川としても有名で、その水質は過去10年間平均(平成5年から平成14年)のBOD(75%値)でみると、上流部の「新那珂橋」(82.5k付近)地点では 1.1mg/l 、中流部「野口」(38.5k付近)地点 0.9mg/l 、下流部「下国井」(19.5k付近)地点 1.1mg/l ・「勝田橋」(8.0k付近)地点で 1.5mg/l という値で、いずれも環境基準(2.0mg/リットル)を下回っており、清流「那珂川」と呼ぶにふさわしい結果となっています。
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4.那珂川の主な災害 |
"昭和61年の出水では、浸水区域面積:4,117ha、浸水被害戸数:3,580戸 平成10年の出水では、浸水区域面積:1,726ha、浸水被害戸数:1,011戸 を記録しました。(直轄区間)" |
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5.その他 |
"昭和61年の洪水被害を契機に、1.激甚災害対策特別緊急事業、2.緊急改修事業、3.床上浸水対策特別緊急事業、4.直轄河川災害復旧等関連緊急事業、そして今現在、5.特定構造物改築事業として、水府橋及びJR水郡線那珂川橋梁の架替えが平成20年度の完成を目標に工事中です。" |
那珂川下流部の治水対策 昭和61年8月の洪水を受け、国土交通省では、特に浸水被害の大きかった、那珂川下流の水戸市、ひたちなか市において、再び浸水被害をもたらさないように、無堤地区の早期解消を図るべく様々な改修を行ってきました。 昭和61年度より、那珂川左岸水戸市中河内地区と右岸の水戸市根本地区で激甚災害対策特別緊急事業を行い、築堤、水門等の整備を実施し、昭和63年度からは同地区の下流JR常磐線那珂川橋梁までを緊急改修事業区間として集中投資を行い、堤防整備を推進しました。また、平成7年度より、当区間の水府橋から水戸大橋間の左岸側を床上浸水対策特別緊急事業として、築堤、水門等の整備の促進を図りました。 その後、平成10年8月、同地区を再び洪水が襲い、改修途中の水府橋から下流地区で浸水被害が生じました。このため、緊急改修事業区間のなお一層の促進を図るとともに、河口部までの区間において、直轄河川災害復旧等関連緊急事業により、築堤、逆流防止施設等の整備を実施し、昭和61年規模の出水に対応できる改修を行いました。 そしてさらに、特定構造物改築事業により二つの橋梁架替えを実施し、安全・安心な那珂川に整備して行きます。 |
(注:この情報は2008年2月現在のものです)
那珂川
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 04:43 UTC 版)
那珂川(なかがわ)は、栃木県北部那須郡那須町の那須岳山麓を源とし同県東辺部を南に流れ、芳賀郡茂木町で東に向かい、茨城県を南東に流れてひたちなか市と東茨城郡大洗町の境界部で太平洋に注ぐ、一級水系那珂川の本流である。
- ^ 茨城県. “いばらきの川紹介_那珂川(第15回)”. 茨城県. 2019年9月5日閲覧。
- ^ 茨城県. “いばらきの川紹介_川の名前の由来(第3回)”. 茨城県. 2019年9月5日閲覧。
- ^ 七千山水源の森 -水源の森百選 - 林野庁
- ^ 『角川日本地名大辞典 8 茨城県』角川書店、1983年12月、448頁。
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