遺産分割協議書 (相続手続き)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/31 12:58 UTC 版)
|
|
この記事には複数の問題があります。
|
|
|
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。
|
遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)は、相続人全員が被相続人の遺産の分割方法について合意した内容を記録する書面である。主に相続登記や金融機関での相続手続きにおいて、分割内容を証明する目的で作成される。
概要
遺産分割協議書は、被相続人の死亡により開始した相続について、民法第907条に基づく相続人全員の協議の結果を明確化するために作成される文書である。法的には契約書の一種であり、各相続人が署名押印することによって成立する。
法的根拠
遺産分割協議に関する根拠は民法第907条および第909条に規定されている。
- 民法第907条:相続人は、遺産の分割について協議をすることができる。
- 民法第909条:分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。
遺産分割協議書そのものの作成義務を定める条文は存在しないが、協議内容を証明するため実務上広く用いられている。
目的・効力
遺産分割協議書は、相続人間の合意内容を明確にし、将来的な紛争を防止する役割を持つ。また、不動産の相続登記や金融機関・証券会社での名義変更手続において、協議の結果を証明する書面として提出が求められる。協議書の効力は私文書であっても有効であり、全員の署名押印がある限り法的拘束力を持つ。ただし、相続人の一部が欠けた協議書は無効となる。
書式・記載事項
特定の様式は法令で定められていない。一般的には以下の事項が記載される。
- 被相続人の氏名・死亡日・本籍地
- 相続人全員の氏名・住所
- 相続財産の内容(不動産・預貯金・株式など)
- 各相続人が取得する財産の詳細
- 協議成立日
- 相続人全員の署名押印および印鑑証明書の添付(登記の場合)
作成時の注意点
相続人全員が協議に参加しない場合、その協議書は無効となる。訂正や再協議を行う場合は、新たに「再分割協議書」を作成するのが一般的である。また、内容を公的証明力のある形で残す場合は、公証人による「公正証書遺産分割協議書」を作成する方法もある。
実務とIT化の動き
従来は紙媒体で作成されていたが、近年[いつ?]はクラウド上での文書作成・共有を行う業務支援システムも登場している。たとえばクラウド業務支援システム「サムポローニア[注 1]」では、相続関係説明図や協議書案の作成を支援する機能が提供されている。このような電子的支援ツールの登場により、相続業務のデジタル化が進展している。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 法務省「相続登記の申請書類に添付する遺産分割協議書の例」
- 日本司法書士会連合会『遺産分割協議書作成マニュアル』新日本法規出版
- 国税庁「相続税の申告手続」
- 民法(明治29年法律第89号)
関連項目
外部リンク
- 遺産分割協議書 (相続手続き)のページへのリンク