逆ブラウン方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 04:06 UTC 版)
逆ブラウン方式(英: reverse Browne charging system)では、カード状の貸出券と袋状のブックカードを用いる。その他は通常のブラウン方式と同一である。ブラウン方式とは貸出券とブックカードの形状が「逆になる」ためこの名称がある。 手続き方法はブラウン方式と同じなので、逆ブラウン方式も同じ利点・欠点を持つ。しかし逆ブラウン方式は以下の点で優れている。 貸出記録抜き取り時の事故防止貸出記録は返却期日順に保管箱に収められ、隙間なく詰まっていても探しやすいよう、図書名や管理番号はブックカードの上端に記載されている。しかし目的の記録を見つけ出して引き抜く際、通常のブラウン方式の形状ではカードだけ抜いてしまう事故が起こりやすい。ブラウン方式では貸出券とブックカードの組合せが唯一の貸出記録であるためこの事故は看過できない。逆ブラウン方式の形状では事故が起こらず、そのためピックアップに要する時間も短縮できる。 貸出券のカード化利用者が持ち歩くものなので、耐久性のある厚紙で作られる。これを袋状にすると厚くて携帯しにくい上、一人に複数発行すればそれだけ費用もかかる。カード形貸出券はこれらを解消する。 ブックカード常に図書館で保管するため貸出券よりは薄い紙でよい。こちらを袋状にする逆ブラウン方式の方が、加工費用を少なくできる。 貸出記録逆ブラウン方式の方が保管時も薄いため省スペースになる。 これらの特徴から、遠山義樹 1977, p. 3では、「能率の良さは,ブラウンの比ではない」としている。一方で『市民の図書館』での紹介が「ブラウン方式の逆」程度に終始したため「どちらも大差ない」との印象を与えてしまい、日本での導入館は少なかった。
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