踊りとは? わかりやすく解説

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踊り

1.やめられない踊り。

『赤いくつ』アンデルセンカレンは赤いくつが気に入って、黒いくつをはいて行くべき教会堅信礼にも聖餐式にも、赤いくつをはいて出かける教会の入口にいた年寄り兵隊が、「なんときれいなダンスぐつじゃ。ダンスをする時は、しっかりくっついているんだぞ」と言って、手でくつの底をたたく。赤いくつはカレンの足にくっつきカレン永遠に踊り続けなければならなくなる。

ジゼルアダン結婚前恋人裏切られ、心がはりさけ死んだ娘たちは、妖精のウィリになり、夜の墓地で一晩中踊る。通りかかった男は踊りの中に引き入れられ疲れて死ぬまで踊らされる〔*アルブレヒト伯爵村娘ジゼル裏切って死なせ、夜の墓地で踊らされるが、ジゼルアルブレヒトを恨むことなく、彼を力づけ、アルブレヒト生きたまま朝を迎えることができる〕。

*夜の踊り→〔不眠〕2の『おどりぬいてぼろぼろになる靴』(グリム)KHM133。

『火の鳥』ストラヴィンスキー悪魔コスチェイとその子分たちが火の鳥捕らえようとすると、火の鳥が羽を1振りし、悪魔たち一斉に踊り始める。踊りは、しだいに激しくなって止めることができない火の鳥がもう1度羽を振ると、疲れ果てた悪魔たち倒れ眠りこむ。

★2.踊りの褒美

イソップ寓話集岩波文庫版83「踊る駱駝動物たち集まりが踊り、満座喝采浴びる。駱駝妬み自分喝采されたい思って、座から立って踊る。しかし下手な踊りだったので、動物たち怒り棍棒殴って追い払う

『宇治拾遺物語』1-3 右頬に大きなこぶのある翁が山で雨風遭い木の洞穴ほらあな)に入る。夜になり、百人ほどの鬼が集まって来る。赤い体、黒い体、一つ目の者、口のない者など、皆、異様な姿をしていた。鬼たちは洞穴の前で酒宴始めたので、翁も洞穴から出て踊る。鬼たちは翁の踊りの面白さ感心し、「次回も必ず参れその時まで預かっておく」と言って、翁の右頬のこぶを取る。

小人おつかいものグリム)KHM182 夜の山で飾り屋仕立屋が、小人たちと踊り黄金をもらう。翌晩飾り屋1人で行くが、黄金ではなく石炭をもらい、背中に前からあった駱駝のような瘤が、胸にも、もう1つ新たにくっつく。

『サロメ』ワイルドエロド(=ヘロデ)王が、妃の連れ子である王女サロメに「踊りを見せてくれ」と望み、「踊りの褒美に、欲しいものは何でも、この国の半分でも与えよう」と約束するサロメ7つのヴェールの踊り見せた後に、「捕らわれ預言者ヨカナーンの首が欲しい」と言うエロド王は驚き翻意させようとするが、サロメあくまでも首を要求しエロド王はやむなくヨカナーン斬首する。

★3a.の踊り。

の踊りの伝説 戸塚の某家で、手拭毎晩1本ずつなくなった主人気をつけていると、飼い猫手拭くわえて逃げたので、主人不思議に思った近くの「踊り場」という所で、近所の猫たちが毎夜集まって踊っており、踊る時に頭にかぶる手拭を、持ち出したのだった神奈川県横浜市戸塚区)。

半七捕物帳岡本綺堂)「三河万歳香具師富蔵白猫に、三味線合わせて踊る芸を仕込む或る日の夕方富蔵留守宅入り込んだ漫才師市丸太夫が、何気なく三味線を引くと、いきなり白猫立って踊り出したので、市丸太夫は「これは化け猫だ」と思って三味線で撲り殺してしまった。

吾輩は猫である夏目漱石)2 正月或る日、の「吾輩」が、主人(苦沙弥先生)の食べ残し雑煮試しに食ってみる。ところが餅が噛み切れず、歯にくっついてしまう。「吾輩」は後足で立ち、左右前足で餅を払い落とそうと、もがく。子供が「あら。お雑煮食べて踊りを踊っている」と大声を出す主人は「このばかやろう」と、「吾輩」を叱る。

★3b.踊る魔力用いて主人に福をもたらす

猫檀家昔話) 貧乏寺の老猫が衣を着て踊る所を和尚見られたため、「もうおられんようなりましたと言って寺を去る。の大分限者(おおぶげんしゃ)が死ぬが、老猫雷雨起こし風を吹かせるので、偉い坊さん大勢集まって葬儀できない老猫勧め和尚拝みに行くと、天気良くなってりっぱに葬儀ができる。これを見た村人は皆、貧乏寺の檀家になり、寺は栄えた広島県比婆郡)。

★3c.雀の踊り。

雀躍高木敏雄日本伝説集』第22) 酒を作り出したのは、雀である。昔、雀が墓のお供えの米をくわえて竹薮帰り青竹切り株の、たまっている中へ落としておいた。それが、いつのまにか酒になった。雀たちは群がり集まり酒宴始めて躍り出した。「雀百まで躍り止まぬ」というのは、このことを云ったのである出雲国松江)。

★4.死体の踊り。

狗張子(釈了意)巻4-4死骸音楽聞き舞い躍ること」 文禄2年(1593)春、山崎庄屋宗五郎の妻が病死した。通夜の席に音楽聞こえ、妻の死骸動き出して、楽の拍子合わせて舞い踊り、外へ出て行った半里ほど離れた野原墓所まで夫が追いで打つと死骸倒れ音楽止んだ

『らくだ』落語) 「らくだ」とあだ名される乱暴者河豚の毒死んだので、長屋中が大喜びする。「らくだ」の兄弟分の男が、家主に「通夜をするから、上等の酒と肴を届けてくれ」と要求するが、断られる兄弟分の男は、屑屋に「らくだ」の死体背負わせて家主の家に乗り込み死体の手足を動かしてかんかんのう」を踊らせる家主腰を抜かし、酒と肴を届けることを約束する

骸骨の踊り→〔〕9の『踊る骸骨』(昔話)。

★5.天人の舞い。

『私は霊界見て来た』スウェーデンボルグ第2章の4 霊界太陽は、ふだんは霊たちの胸の高さにあって動かないごくまれに太陽中天の高い位置現れ、その周囲を、純白の衣を着た数十人の霊が、舞うことがある上・中・下、3階から成る霊界の、上世界の霊たちが高い悟り達し、「天人」の境地到ると、それを祝って天人の舞い」が許されるのだ。「天人の舞い」が見られるのは、おおよそ千年1度である。

★6.カーニバルの踊り。

黒いオルフェカミュリオ・デ・ジャネイロのカーニバル前日市電運転手オルフェはユリディスと出会うオルフェには婚約者ミラがいたが、オルフェとユリディスは恋におち、一夜ともにするカーニバル当日オルフェミラ相手にせず、ユリディスと踊り続ける。ミラ怒り、ユリディスにつかみかかる。ユリディスは逃げ高圧線触れて感電死する。オルフェはユリディスの死体抱いて断崖に立つ。狂乱しミラが、大きな石を投げつける。石はオルフェの額に当たり、オルフェはユリディスとともに崖下落ちる。

★7.踊り子との恋。

舞姫森鴎外) 某省からベルリン派遣された「余(太田太郎)」は、ある夕方古寺の門によりかかって泣く1617歳美少女を見る。彼女の名はエリス。ヰクトリア座の踊り子で、家が貧しく病死し父親葬儀費用もなくて、途方に暮れていたのだった。「余」はエリス必要な金を与え、それがきっかけ2人親しくなり、やがてエリスは「余」の子供を身ごもる。しかし「余」は将来立身出世のため、エリス捨てて日本帰る〔*「豊太郎(TOYOTARO)」の名前には、「東洋男子」という意味が込められているのかもしれない〕。

ライムライトチャップリンバレリーナテリーは、関節炎で脚が動かなくなったことを悲観してガス自殺をはかる。老芸人カルヴェロが彼女を救い励ましたおかげでテリーは元気を回復し舞台で成功を収めるテリーはカルヴェロを慕い求婚するが、カルヴェロは年齢差理由に断る。彼女は青年作曲家ネヴィルからの求愛退けひたすらカルヴェロとの結婚を望む。しかしカルヴェロは心臓発作起こしテリーの踊りを舞台の脇で見守りつつ、息絶える

大尉バレリーナとの恋→〔3aの『哀愁』(ルロイ)。

高等学校学生旅芸人踊り子との恋→〔道連れ〕2の『伊豆の踊子』(川端康成)。

裸踊り→〔裸〕1・2

踊り→〔袋〕9bの『キリシタン伝説百話』(谷真介32占い師予言」。

*→〔舞踏会〕に関連記事



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