諸工夫(戦法)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 09:18 UTC 版)
姫路城や彦根城の城壁には敵が近付くまで狭間としての役割を隠す「隠し狭間」と呼ばれる鉄砲狭間があり、普段は漆喰によって窓が塞がれており、一見すると外からは壁にしか見えないようにカモフラージュされているが、敵が攻めてきた際は漆喰を内側から突き破って建物内から攻撃することができる。 より死角を減らすために 狭間のある塀を屏風折りにして横矢掛かりにする。 下方向の死角を減らすため石落としを設置する。 大手門など重要な門では、門周囲の塀をコの字、またはL字に囲み枡形にして、敵を三方、または十字方向から迎え撃てるようにする。 など、設置の仕方を工夫しているものもある。江戸城や大坂城などの枡形門、高知城の追手門の塀の狭間の配置など多くの例があり、長い路地の場合、左右の塀の狭間から挟撃も可能。 狭間は多くの場合、外側(城外)にいる敵を狙う小窓であるが、例外として、姫路城の大天守内部には、敵が侵入した際、隠れ部屋の壁から狙う狭間があり、いわゆる城の外側を狙うのではなく、部屋内の敵を狙うものであり、籠城戦が崩れた後の想定、すなわち最後の最後の抵抗目的で造られたものもある。城内に侵入した敵の油断(狭間は城外を狙うもので建物内にはないとの思い込み)をつく狭間である。 姫路城城壁の狭間内側 姫路城櫓内の石落としと狭間(右下) 伊予松山城の狭間 岡山城月見櫓、塀と石垣の境目(石垣上部)に石狭間がある。(国の重要文化財) 大坂城大手門。壁面の丸狭間の下、塀と石垣の境目(石垣上部)に石狭間がある。 姫路城櫓門の隠し狭間。窓の下部左右にある少し凹んだ壁。
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