向背軸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/06 00:28 UTC 版)
向背軸(こうはいじく、英: adaxial–abaxial axis[1])は植物の軸に対する側生器官について、原基の段階でのシュート頂に対する関係を、軸に向かう方を向軸(こうじく、adj. adaxial)、その反対を背軸(はいじく、adj. abaxial)とし、それをつないだ軸を呼ぶものである[2][3]。葉の場合、いわゆる表側の面(上面)を向軸面(こうじくめん、adaxial surface)で、裏側の面(下面)を背軸面(はいじくめん、abaxial surface)と呼ぶ[3][4]。
注釈
- ^ キンギョソウ Antirrhinum majus のPHAN遺伝子とそのオルソログで、キンギョソウにおけるphantastica 機能欠損型変異体の解析から研究が進んだ[5]。ARPの名は、シロイヌナズナ Arabidopsis thaliana におけるASYMMETRIC LEAVES1 (AS1)、ROUGH SHEATH2 (RS1)、およびキンギョソウのPHANTASTICA (PHAN)からなる名称[5]。それぞれの産物(AS1、RS1、PHAN)はARPファミリーと呼ばれ、MYB転写因子をコードしている[5]。
- ^ KNOTTED1-LIKE HOMEOBOXの略[5]。ジベレリン濃度に対する抑制効果に寄与してジベレリン生合成を抑制する、ジベレリンの不活性化を促進する、サイトカイニン濃度を上げるISOPENTENYL TRANSFERASE7 (IPT7)の発現を上昇させサイトカイニンの生合成に寄与するなどの働きを持つ[16]。
- ^ AUXIN RESPONSE FACTOR
- ^ YABBYはオーストラリアのザリガニの一種、ヤビー Cherax destructor に由来する[17]。この遺伝子ファミリーのうち最初に同定されたのがシロイヌナズナの CRABS CLAW (CRC)であり、欠損変異体が心皮形成に異常を来す[17]。
出典
- ^ a b Fukushima & Hasebe 2013, pp. 1–18.
- ^ a b c 巌佐ほか 2013, p. 446b.
- ^ a b c d 巌佐ほか 2013, p. 1088e.
- ^ テイツ & ザイガー 2017, p. 553.
- ^ a b c d e f g h i テイツ & ザイガー 2017, p. 556.
- ^ a b c 原 1994, p. 40.
- ^ 岩月 2001, p. 32.
- ^ 加藤 1999, p. 48.
- ^ 熊沢 1979, pp. 237–239.
- ^ 加藤 1999, p. 8.
- ^ 西田 2017, pp. 91–96.
- ^ a b c d e f g 西田 2017, p. 98.
- ^ a b c d 長谷部 2020, p. 59.
- ^ テイツ & ザイガー 2017, p. 554.
- ^ Fukushima & Hasebe 2013.
- ^ a b テイツ & ザイガー 2017, p. 557.
- ^ a b c d e f g h i j k l テイツ & ザイガー 2017, p. 558.
- ^ 熊沢 1979, p. 126.
- ^ a b c d e f g h i 熊沢 1979, pp. 232–233.
- 1 向背軸とは
- 2 向背軸の概要
- 3 シュートの背腹性
- 4 脚注
- 向背軸のページへのリンク