療育手帳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/20 05:42 UTC 版)
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。
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療育手帳(りょういくてちょう)とは日本の知的障害者に対して交付される、障害者手帳のうちの1つである。
手帳取得・判定について
手帳の申請は居住する市区町村の福祉担当窓口を経由し、18歳未満の場合は児童相談所、18歳以上の場合は各都道府県に置かれる心身障害者福祉センターや知的障害者厚生相談所(名称は各都道府県で異なる)などで判定される。申請の際、幼少期から障害者本人のことを知っている親族、知人、教師などの証言や通知表や母子手帳などの資料等が必ず必要になる。
1999年の地方自治法の改正(施行は2000年4月1日)により機関委任事務が廃止され、通知・通達により国が地方自治体の事務への関与はできなくなった。改正の施行日以降、療育手帳の制度は各都道府県及び各自治体独自の施策となっている。
療育手帳に関して知的障害者福祉法に記述はなく、1973年9月27日に当時の厚生省が出した通知「療育手帳制度について」(厚生省発児第156号厚生事務次官通知。のち、1991年9月24日の厚生省発児第133号厚生事務次官通知として知的障害者に対する旅客運賃の割引制度の適用の関係で一部が改正されている)、同日の児発第725号「療育手帳制度の実施について」に基づき各都道府県知事(政令指定都市の長)が知的障害と判定した者に発行している[1]。なお、全国ほぼすべての自治体で知能指数が76を超える場合は原則として手帳の発行はできない[2]。
また、発達障害(ADHD、ASD、LD)者に対しては、知的障害がなければ、精神障害者保健福祉手帳の対象となっている[3]。
知能測定値、基本的生活習慣、問題行動など障害の程度を総合的に判断して判定される。階級分けの方法については、○A(最重度)、A(重度)、○B(中度)B(軽度)の4階級(広島県)[4]、重度「A」重度以外(中軽度)「B」に分けられたり(多くの自治体)、1度から4度(東京都)や1級から3級(最大でも5級まで)、A級からC級など、地域により異なる。全国統一の仕組みや法律がないため、障害者団体などから全国統一の認定基準や法整備を求めており、2025年(令和7年)時点で国は具体的な方法について検討中としている[5]。
手帳の名称
おおむね「療育手帳」としている道府県が多いが、一部の地方公共団体では以下の表記がみられる。名称等の実施要領については厚生労働省より、通知が行われている[6]。
問題
都道府県や政令指定都市により障害程度区分に違いがあり、障害認定に際する規定に対象となる本人よりも家族の関与が目立つことなどが挙げられている[12][13]。
設定している知能指数の上限値を上回った場合でも、社会適応能力、専門医の診断結果などを総合的に判定し[14]、交付する場合があるとするものもあるなど、その取組はまちまちであった。このことを踏まえ、総務省行政評価局が厚生労働省に対し「療育手帳を交付する都道府県等の取り組みがまちまちとなっていることについて改善を図るべきである」と通知をした。
脚注
注釈
出典
- ^ 北沢清司 (2004-12). “当事者からの意見-知的障害の立場から「知的障害」と認定されるまでの問題点”. ノーマライゼーション 障害者の福祉 (日本障害者リハビリテーション協会).
- ^ ごく一部の自治体では、知能指数が76以上あっても発達障害を併発し、日常生活に支障がある場合など総合的に判断し発行しているところもある
- ^ “発達障がい者に対する療育手帳の交付について” (PDF). 総務省行政評価局. 2026年1月20日閲覧。
- ^ “広島県の療育手帳の程度区分表” (PDF). 広島県. 2019年2月10日閲覧。
- ^ “療育手帳を全国統一 厚労省が検討会設置の方針”. 福祉新聞WEB. 2026年1月8日閲覧。
- ^ “療育手帳制度の実施ついて”. 厚生省児童家庭局長. 2026年1月20日閲覧。
- ^ “愛護手帳について”. 青森県. 2010年9月30日閲覧。
- ^ “愛の手帳について”. 東京都福祉保健局東京都心身障害者福祉センター. 2026年1月20日閲覧。
- ^ “療育手帳(みどりの手帳)”. さいたま市. 2015年10月23日閲覧。
- ^ “愛の手帳(療育手帳)の交付”. 横浜市健康福祉局. 2015年10月23日閲覧。
- ^ “愛護手帳”. 名古屋市・ウェルネットなごや. 2015年10月23日閲覧。
- ^ 北沢清司 (2004-12). “当事者からの意見-知的障害の立場から「知的障害」と認定されるまでの問題点”. ノーマライゼーション 障害者の福祉 (日本障害者リハビリテーション協会).
- ^ 若林 美佳『四訂版 図解 福祉の法律と手続きがわかる事典』、168頁。
- ^ “広島県の療育手帳の程度区分表” (PDF). 広島県. 2019年2月10日閲覧。
関連項目
療育手帳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 23:56 UTC 版)
知的障害者向けの障害者手帳の療育手帳取得の適法化を求める声も多いとされているが、療育手帳自体が根拠となる法律がなく、1973年に厚生省(現・厚生労働省)が出した通知「療育手帳制度について」や「療育手帳制度の実施について」を参考に都道府県や政令指定都市の独自の事業として交付されているため、地域によっては取得できるところもある。 同省が出した各通知は1999年に地方自治法(施行は2000年4月)の改正で、国が通知や通達を使って地方自治体の事務に関与することができなくなった(機関委任事務の廃止)影響ですでに効力は失っている。
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