煙道ガス洗浄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/04 07:47 UTC 版)
B発電所はロンドン中心部に位置していたため、大気汚染緩和用に煙道ガス洗浄プラントを備えていた。バンクサイド発電所以前にこの仕組みを備えていた英国の発電所は、バタシー発電所とフラム発電所(英語版)のみである。ボイラーから排出された煙道ガスは、シーダー材の気体浄化装置塔に送られ、石灰を加えたテムズ川の水が逆流・順流する3本の水道を通すことで洗浄された。この仕組みにより、煙突からは特徴的な白いプルーム (Plume (fluid dynamics)) が放出された。プラントは煙道ガスから硫化物を取り除くのに効果的で、稼働中の硫化物除去効率は全体で97.2%であった。しかしこの方法は、ある大気条件下で「プルーム・ドループ」(英: plume-droop)を産生し得るガスを冷却しており、地表レベルではガスによる生活妨害も起きていた。煙道ガス洗浄プラントから排出される汚染水は、気体で泡立つタンクへ送られ、亜硫酸塩を酸化して硫酸塩に変えた上で、コンデンサーからの水で希釈されて川へ放流された。1950年代には汚染は取るに足らないこととされていたが、1960年代後半にテムズ川の清掃活動が行われるようになってからは、川の生態系回復の上で有害なものと見なされるようになった。
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