消音機導入
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オートレースは競走車の騒音が大きいことから、1976年頃に騒音問題で揺れていた川口オートレース場で消音機を増設したマフラーが試作されたことがあるが、この時は運用を見送られた。なおこのマフラーは現在も保存されている。 しかし近年はモータースポーツ全体において騒音が問題視され、どの競技用の車両においても、ある程度の規制値が設定されるようになったことから、オートレースでも2007年10月26日、浜松オートレース場にて一般開催の前検日に消音機付きマフラーの運用テストが行われ、試験走行及び模擬レースが行われた後、2009年3月1日に新型マフラー導入についてJKAより発表され、2009年4月以降の全レースで新型マフラーが装着されることになった。 この消音機は過去の増設タイプとは異なり、マフラーそのものに一体化して内蔵されており、ストレートタイプの構造はそれまでのものと変化はないが、テールエンドを太くしサイレンサの部分となる内側に、円形のパンチング孔を施した円柱状の金属板が設置され、金属板と外側との隙間にはフィルタが巻きつけられており、排気口をやや狭めている。この消音機付きマフラーが装着されてからは、セア独特の甲高い金属音が軽減され、音色自体はやや内に篭ったものになり、当然ながら音の大きさ自体は軽減されている。なお装着の影響のついては、エンジン全域でトルクがやや低下し、回転上昇の度合いが穏やかになることから、スタート時のダッシュ及び走行中の加速時に影響を与えている。 2015年9月5日から川口オートレース場で開催されるナイター競走においては、近隣への騒音対策として専用のマフラーが装着された。このマフラーのエキゾーストパイプは、エンジン付近にサブチャンバーを装着してパイプを後方へ更に伸ばし終端で一本にまとめた 2 into 1 タイプのもので、これを後輪右側に装備した巨大なサイレンサーに接続する構造にしたことで、現行のマフラーより約70%以上減音させた。なお装着による影響として、マフラー重量の増加によるフレームへの負担と、排気経路の変更によるエンジンブレーキへの違和感が挙げられている。このマフラーの採用で、夜遅い時間帯でのレース開催が可能になったことから、同年より開催されるミッドナイトオートレースにおいても本マフラーが採用されている。なおこの専用マフラーについては各オートレース場が所有・管理し、前検日に抽選で各選手に配られる仕組みで、選手は開催毎に割り当てられたマフラーを(昼間開催用の通常のマフラーと)付け替える必要がある。
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