松代駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/22 13:35 UTC 版)
松代駅 | |
---|---|
![]()
駅舎(2004年2月)
|
|
まつしろ MATSUSHIRO |
|
◄Y5 象山口 (1.1 km)
(3.1 km) 金井山 Y7►
|
|
所在地 | 長野県長野市松代町松代70 |
駅番号 | Y6 |
所属事業者 | 長野電鉄 |
所属路線 | 屋代線 |
キロ程 | 8.6 km(屋代起点) |
電報略号 | マシ[1] |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線[1] |
乗車人員 -統計年度- |
333人/日(降車客含まず) -2010年- |
開業年月日 | 1922年(大正11年)6月10日[1] |
廃止年月日 | 2012年(平成24年)4月1日[1] |
松代駅(まつしろえき)は、長野県長野市松代町松代にあった長野電鉄屋代線の駅(廃駅)である[1]。駅番号はY6。
路線が廃止となった後も、駅舎やホーム等の設備は残され観光案内所やバスの待合所として利用されている。線路は撤去され旧駅構内は松代城公園の駐車場として利用されている。以下、駅に関する記述はいずれも鉄道駅としての営業当時のものである。
歴史
- 1922年(大正11年)6月10日:河東鉄道により開業[1]。
- 1926年(大正15年)9月30日:河東鉄道と長野電気鉄道の合併により、長野電鉄が発足したことに伴い、河東線の駅となる。
- 1973年(昭和48年)4月1日:貨物営業廃止。
- 1983年(昭和58年)8月14日:手小荷物営業廃止。
- 1990年(平成2年)12月2日:「汽車ポッポ」の歌碑が設置される[2]。
- 2002年(平成14年)9月18日:路線名改称により屋代線の駅となる。
- 2012年(平成24年)4月1日:屋代線廃止により廃駅[1]。
- 2025年(令和7年):駅舎解体(予定)[3]。
駅構造
単式・島式の複合2面3線のホームと留置線を有する地上駅[1]。有人駅であった[1](駅員配置時間は7:00-21:00)。戦時中は不要不急線として休止される予定だったが、松代大本営建設のために休止は返上され、貨物輸送に利用された。留置線はその際に敷設されたもの。なお駅員に申請すれば、レンタサイクルを利用することが可能になっていた(17:00まで)。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | ■屋代線 | 上り | 綿内・屋代方面 | 早朝・深夜の当駅始発のみ |
下り | 信濃川田・須坂方面 | |||
2 | 上り | 綿内・屋代方面 | ||
3 | 下り | 信濃川田・須坂方面 |
- 付記事項
- 駅舎に一番近いホームが3番線である。
-
駅舎内部(2004年2月、改札口付近)
-
ホーム(2004年2月)
-
構内(2012年3月)
-
駅舎(2017年8月、路線廃止後)
-
ホーム(2017年8月、路線廃止後)
利用状況
年間乗車人数及び1日あたり乗車人員は次のとおりであった[4]。
- 2006年度 107,648人 : 295人/日
- 2007年度 106,221人 : 290人/日
- 2008年度 110,009人 : 301人/日
- 2009年度 105,466人 : 289人/日
- 2010年度 121,696人 : 333人/日
駅周辺

廃止後
代替バスの「松代駅」バス停は従来あるアルピコ交通の「松代駅」バス停の隣に設置された。松代地区内にある貴重な大正時代の建築物として、観光地と交通施設の両方で利用されている。そのためか、フリーWi-Fiが整備された。
駅の設備は屋代線廃止から1年ほど残ったが、以降は駅舎と駅舎側ホームを除いて全て解体・更地化されたのち松代城など観光用駐車場に転用された。 さらに近くで三日月池の復元工事も行われている。また、2022年から2023年の間に駅前にある松の木が枯れ、その後伐採された。
代替バスは旧駅前に発着しているほか、屋代線廃止以前からアルピコ交通による松代地区と長野市街地を結ぶバスの設定もある。
2022年にはCURIOUSの雑誌の表紙に選ばれ[5]、2025年にはローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦 第15弾 in 長野に登場した。
解体の動きと住民の反対
長野市では2013年(平成25年)から2031年(令和13年)の間に旧松代駅跡地周辺環境整備事業を計画しており[6]、周囲の道路の拡張計画に合わせて解体するとしている。
2022年には駅舎開業100周年を記念して、旧駅舎で式典が開かれた[7]。今後は旧駅舎内でカフェを併設するなどの構想がある[8]。
しかし、2025年4月24日、老朽化の問題で2025年度中に解体されると正式に発表された[3]。この計画が実行されれば、旧屋代線での現存駅舎は旧信濃川田駅のみになる。
なお、2012年の長野電鉄旧屋代線活用基本構想では耐震診断を予定しており[9]、2013年の長野市歴史的風致維持向上計画暫によると旧松代駅は旧松代駅舎保存活用事業の対象であり[10]、この計画は2023年度版も同様であった。
2016年には有志による耐震性の調査がおこなわれ、構造上は問題ないと結論を下した[11]。2025年の解体公表後に行われた市歴史的風致維持向上委員会委員による説明会でも、補強すれば耐震性は問題ないとしている[12]。
バス路線
駅前にアルピコ交通(長野支社)・長電バス・長野市乗合タクシー・ぐるりん号の松代駅停留所がある。
- アルピコ交通
- 長電バス
- 長野市乗合タクシー
- 松代ぐるりん号
隣の駅
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k 信濃毎日新聞社出版部『長野県鉄道全駅 増補改訂版』信濃毎日新聞社、2011年7月24日、296頁。ISBN 9784784071647。
- ^ 『長野・更埴の昭和史』郷土出版社、12月10日 1999、200,201頁。
- ^ a b “【独自】長野市の旧松代駅舎、老朽化で本年度中に解体へ 地域の象徴が…悔やむ声相次ぐ”. 信濃毎日新聞 (2025年4月26日). 2025年4月26日閲覧。
- ^ 「長野市統計書」による
- ^ “CURIOUS(キュリアス)Vol.17|メディアパル”. メディアパル. 2025年5月18日閲覧。
- ^ “3 歴史的まちなみと周辺環境の整備に関する事業”. 長野市 (2024年). 2025年4月26日閲覧。
- ^ “【長野市】松代駅は今年で築100年!記念イベント「松代駅舎百寿祭」が行われます!”. 号外NET 長野 (2022年6月9日). 2025年4月26日閲覧。
- ^ “松代駅舎築100年を祝う会”. 2025年4月26日閲覧。
- ^ “千曲川新道活性化プラン ~長野電鉄旧屋代線活用基本構想~”. 長野市 (2012年12月). 2025年4月26日閲覧。
- ^ “平成25年度進行管理・評価シート (案)/ 暫定版 長野市歴史的風致維持向上計画(平成25年4月11日認定)”. 長野市 (2013年4月11日). 2025年4月26日閲覧。
- ^ “松代駅のこれから”. 松代まち歩きセンター観光案内&電動自転車レンタル・ガイドブック. 2025年4月26日閲覧。
- ^ “長野市の松代駅舎の保存、信州大工学部教授が訴える 市は解体方針だが「補強すれば耐震は問題ない」|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト”. 信濃毎日新聞デジタル (2025年5月8日). 2025年5月19日閲覧。
関連項目
外部リンク
- ながでんバス 屋代須坂線 - ウェイバックマシン(2017年1月21日アーカイブ分)
- アルピコグループ 松代駅 バスのりばご案内 - ウェイバックマシン(2020年1月5日アーカイブ分)
固有名詞の分類
- 松代駅のページへのリンク