日本航海図〈(羊皮紙著色)/〉
主名称: | 日本航海図〈(羊皮紙著色)/〉 |
指定番号: | 49 |
枝番: | 2 |
指定年月日: | 1989.06.12(平成1.06.12) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 歴史資料 |
ト書: | |
員数: | 1面 |
時代区分: | 江戸 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 朱印船貿易に所用されたアジア航海図は、諸外国にない、わが国独自の航海図として注目されるもので、羊皮紙製の原本である末吉図、角屋図、池田図はいずれも重要文化財に指定されている。 この東京国立博物館保管に係るアジア航海図、および日本航海図は一具として伝来したもので、両図共に羊皮紙一枚に描かれ、表面全体にわたって胡粉を施し、彩色をもって図示される。 アジア航海図は、末吉図、池田図と同型のポルトラノ型海図で、東は日本、西はインド洋からアラビア、南はジャワ諸島、北は中国大陸、ロシアまでを図示する。 その内容は末吉、池田図とほぼ同様であるがポルトガル国旗、十字旗、新月旗の記載はなく、中国大陸の地名注記が詳細であること、国名、地名注記も両図に比して多く、例えば池田図の地名がポルトガル語で注記されているのに対し、本図は、「日本」、「中国」「呂宋」を除き全て仮名で記され、スケール標示をみるに他国にない、わが国の里法を用いるなど独自の体裁がうかがわれる。 日本航海図は、蝦夷の記載はないが、本州、四国、九州など比較的に正確に図示され、各国ごとに海岸線を紫、藍、黄色等で色分けし、内陸の国境は墨線で示している。国名、および主要地名の他、主な岬、川も注記し、四国の直下にあるスケール標示は、アジア航海図と同様にわが国の里法を用いている。 両国共に内容等からみて九州方面で作製されたものと考えられ、両図を収める木額の墨書整理番号などによって本図は長崎奉行所旧蔵になるものと考えられる。 本件は、遺存稀な朱印船貿易にかかわる航海図の原本としてアジア航海図と共に日本航海図を併せ存する点、他に例はなく近世対外交通史研究上等に注目される。 |
日本航海図<(羊皮紙著色)/>
主名称: | 日本航海図<(羊皮紙著色)/> |
指定番号: | 75 |
枝番: | 0 |
指定年月日: | 1995.06.15(平成7.06.15) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 歴史資料 |
ト書: | |
員数: | 1面 |
時代区分: | 江戸 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | ポルトガル人等の日本への来航にともなってもたらされた技法による、ポルトラーノ型日本航海図である。羊皮紙一枚の表面に胡粉を施し、彩色をもって本州・四国・九州等を描く。図の中央とその周囲に環状に並ぶ一七の点(方位点)から方位線が各三二本引かれ、左上の方位点一点は朱・藍・黒・緑色で彩色された方位盤となっている。図の下部にはスケール表示があり、左端には南北に緯度度盛線が引かれ、朱、藍、緑色で区分し北緯三一度から四一度までの数字を記入する。右端にも同様の墨線が引かれているが、区分も数値もない。さらに左右の緯度度盛線および類似線の外側に平行して同じような墨線があるが、区分・数値等はない。 日本国土は、国界線を引き、国名を記し、海岸部は国別に色分けする。藩庁の所在地と大坂・京・駿府・江戸を城の形の記号で表示し、地名を付す。そのうち江戸城は後に城の形を擦り消してひときわ高く描き起こして金泥を施し、同じく大坂城・二条城・駿河府中城にも金泥を施している。長崎・堺など城下町以外の地名もある。また河川と湖沼が詳密に描き込まれ、富士山と筑波山が描かれる。製作時期は、図中の城の存続年代から十七世紀半ばと推定される。 本図は当時作製された他の日本図よりも全体に正確であり、特に西日本の地形についてそれがいえる。羊皮紙製日本航海図としては東京国立博物館保管図(重要文化財)と本図の二面のみが現存する。 日本図は図形を緯度上に定位させるために列島の測地が必要であり、西洋流の測量術に基づき行われたとみられる。その成果により作製された日本航海図は実用的で科学的意義があり、日本人が独自に作製したポルトラーノ型海図として地図学研究上等に貴重である。 |
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