接続 (主束)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/15 06:38 UTC 版)
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微分幾何学において接続(せつぞく)とは、多様体上に定められた様々なファイバー束について、ファイバーの間の平行移動を与える微分方程式的な概念である。この項では特にリー群を構造群とする主束の接続について解説する。
主束の接続を決めることは、束の全空間の接空間のなかで構造群の作用によって不変な「水平な方向」を定めること同じである。したがって、主束の接続はCharles Ehresmannによって導入された[1]ファイバー束の接続のうち構造群の作用に不変なものと見なすことができる。
主束上に接続が与えられると、構造群の線形表現に付随するベクトル束に対してベクトル束の接続・共変微分を誘導することができる。また、リーマン多様体のレヴィ・チビタ接続など多くの幾何学的に重要な概念が主束の接続として定式化されている。
名称に関して
主束の接続のことをとエーレスマン接続[2](英: Ehresmann connection) と呼ぶ場合があるが[3]、より一般のファイバー束の接続の接続の事を「エーレスマン接続」と読んでいる書籍[4]もあるので、注意が必要である[5]。なお主束上においても両者の概念は同値ではなく、ファイバー束の接続のうち構造群の作用に関して不変なものを主束の接続と呼ぶ。
両者の区別のため、一般のファイバー束の接続を一般の接続(英: general connection[6])、主束の接続を主接続(英: principal connection[6])と呼ぶ場合がある。
またファイバー束の接続のうち、完備なもののみを「エーレスマン接続」と呼ぶ場合もある[6]。なお「エーレスマン接続」自身による定義では完備性を仮定していた[7]。
接続の歴史
主束に限らずに接続の歴史を概観する。歴史的には、接続は無限小の視点からリーマン幾何学を扱う際に研究された。クリストッフェルの研究に端を発し、後にリッチ (Gregorio Ricci-Curbastro) とレヴィ・チビタ (Tullio Levi-Civita) が精力的に研究した[8]。彼らはクリストッフェルの意味の接続が平行移動の概念を許容することを確かめている。
レヴィ・チビタは平行移動がその解となるような微分作用素としての接続に注目した。時代が進むのに併せてエリ・カルタンが接続の新しい形式を開発した。彼はクラインのエルランゲン・プログラムにパフィアン (Pfaffian system) に関する技術を応用する手段を探していた。彼はある無限小の接続の概念 (Cartan 接続) が適用できることを発見した。この接続は曲率を許容する(古典的なクライン幾何にはないと思われていた)[9][10]。更に、ダルブーの結果を用いてカルタンは平行移動をカルタン接続にまで一般化することができた。このことは現代でも主要な扱い方の1つである微分形式としての接続を確立した。
微分作用素としての接続と、微分形式としての接続と、接続の理論における二通りの扱いは、現在に至るまで残っている。1950年、Koszul はKoszul 接続を使って微分作用素としての接続について代数的な枠組みを与えた[11]。Koszul 接続はレヴィ・チビタ接続よりも一般的で、かつ接続の形式化において不恰好なクリストッフェル記号を最終的に除去することができた(少なくとも隠すことができた)ので取り扱いが容易であった。付随する平行移動操作は接続の用語を用いた自然な代数的解釈を持つ。Koszul 接続は共変微分と平行移動の概念との解析的な対応を代数的な対応に書き換えるので、微分幾何学のコミュニティに受け入れられた。
同じ年、カルタンの学生のEhresmann は主束、一般にはファイバー束の文脈から微分形式としての接続の多様性を提示した[1]。Ehresmannによるファイバー束の接続は、厳密にはカルタン接続の一般化ではない。Cartan's equivalence methodとの関係により、カルタン接続は底空間の微分構造と強く結びついている。ファイバー束の接続はS.S.チャーンのような当時の幾何学者の基礎的な結果に対して、むしろ強固な枠組みであった。S.S.チャーンは当時ゲージ接続と呼ばれることになるものを研究するのにカルタン接続から離れている。Ehresmannの視点からは主束の接続は全空間の「水平な」或いは「鉛直な」ベクトル場の仕様から構成されている。このとき平行移動は底空間の曲線を全空間の水平なベクトル場への持ち上げだと見なせる。この視点は、ホロノミーを考える際に特に有用であることが示されている。
定義
滑らかな多様体 M 上に、リー群 G を構造群とする滑らかな主束 π:P→M が与えられたとする。このとき、P 上の主 G-接続 ω とは、G のリー代数 g に値を取る P 上の1次微分形式で、
- 整合性
- x ∈ P における G の作用が導く写像 g → Tx P (基本ベクトル場) と ω との合成は g の恒等写像になっている
- 同変性
- G の作用の微分写像 d Rg: Tx P → Tx g P と g への随伴表現 Ad に関して ω(d Rg X) = Adg(ω(X)) が成り立つ
の2つの条件を満たすようなもののことである。
文脈によっては、主 G-接続 は対 (P, ω) のことを指し、ω 自体は接続形式と呼ばれることもある。
ファイバー束の接続としての定義
多様体 M 上の G-主束 π: P → M の接続形式 ω を用いることで、P の接空間を M の接空間に同型な部分空間とファイバーの接空間 ker π との直和に分解することができる。つまり、G の作用によって g からファイバーの接空間の上への同型が得られるが、一方で、ker ω は M の接空間に同型な P の接空間の部分空間を定めることができる。この部分空間は TP の部分束をなし、水平な方向および垂直な方向への分解 TP = ker ω ⊕ ker π によってファイバー束の接続が定められている。
反対に、ファイバー束の接続
「接続 (主束)」の例文・使い方・用例・文例
- 等位接続詞
- 従位接続詞
- 接続副詞
- 彼は2つのスピーカーをアンプに接続した
- この列車はここでロンドン行きの列車と接続している
- バスが遅れて接続の列車を逃した
- インターネットの一律接続料金
- ホースをタンクに接続するのは簡単です
- このバスは列車と接続しています
- 簡単にコードレスで携帯経由のネット接続が出来る
- パソコンとの接続にはストレートケーブルを使った
- 携帯電話経由でPCをインターネットに接続します
- 個人のパソコンを会社のネットワークに接続しない
- 彼が複数のストレージ機器を複数のホストコンピュータに接続する
- 彼がネットワーク接続状況を把握する
- それが接続機器に最大12W程度の電力を供給する
- 彼が光スイッチの接続技術などを,今回のシステムに応用している
- デジタルオーディオプレーヤー専用接続端子をフロントパネルに装備している
- Xで複数の機器を同時にインターネットに接続できる
- U字形かぎを用いて部品を接続する
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