小笠原国立公園/とは? わかりやすく解説

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おがさわら‐こくりつこうえん〔をがさはらコクリツコウヱン〕【小笠原国立公園】

読み方:おがさわらこくりつこうえん

小笠原諸島のうち聟島(むこじま)・父島母島の各列島中心とする国立公園熱帯植物海食地形に富む。


小笠原国立公園

写真:南島・扇池
南島・扇池]

地図

東京湾の南には、伊豆諸島始まって南に延々と走る火山島海底火山の列がある。伊豆小笠原海嶺である。このうち伊豆諸島のはるか南方東京から南南東に約1,000〜1,200kmの、沖縄本島とほぼ同じ緯度位置するのが小笠原諸島で、北から聟(むこ)島列島父島列島母島列島火山列島と続く。

この公園は、北硫黄島以北小笠原諸島区域とする。清澄な空と海の狭間にあって多く固有の生物たちを育む亜熱帯小さく美しい島々である。

島々の成因

写真:ムニンノボタン
[ムニンノボタン]

昭和47年指定され公園である。

公園含まれる島のうち、北硫黄島などは火山島であるが、そのほか島々は古い火山島浸食により一度海中没したあと、第四紀になってから隆起して再び島になったのである山頂部の高さが比較揃っているのは、海中にあった時代頂部波浪により浸食受けたためである。どの島も周囲海食を受け、断崖になっているところが多い。

植生は、父島兄島ではシマイスノキ、シマシャリンバイなどの乾性低木林広く分布する母島では、石門せきもん山付近に残るシマホルトノキ、モンテンボクなどからなる湿性高木林特徴がある。

父島では各所に、状(まくらじょう溶岩見られるが、これは溶岩海中噴出して固まり堆積したもので、海底火山活動があった証拠である。

圧迫される固有の生物たち

自然保護と利用の共存を図る

小笠原はもともと火山島であったため、島の周り水深急激に深くなり、サンゴ礁発達よくない。しかし、湾の内部などには小規模ながらサンゴ礁があり、造礁サンゴ種類多く華やかな色彩熱帯魚類とともに見事な海中景観つくっている。

公園利用父島母島両島近く小島限られる交通機関は、東京港から数日1回出航する父島行きの船が唯一の定期便である。母島には、父島からさらに海路時間要する車道は、父島では島の北・中部周回できるよう整備されている。歩道父島母島では整備され小笠原特有の生物景観を楽しむことができる。

なお、自然との共生を図るため、全島キャンプ禁止とするなどのルール定められている。また、沈水カルスト地形知られる南島は、自然に及ぼす影響最小限にするため、一日の上陸者数が制限されている。

外来種と固有種

写真:ノヤギの群れ(平成8年時の媒島)
ノヤギ群れ平成8年時の媒島)]

小笠原では持ち込まれアカギ増殖して在来樹木置き換わる例が拡大している。また、野生化したヤギ急斜面植生食べて裸地化させたり、固有の植物食害している。

このためヤギノヤギ)、グリーンアノールトカゲ1種)、オオヒキガエルアカギなどの外来生物について、影響調整駆除などの対策が行われている。写真の媒(なこうど)島のノヤギは、平成16年に全頭駆除完了した

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小笠原国立公園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/04 04:59 UTC 版)

小笠原国立公園(おがさわらこくりつこうえん)は、東京都小笠原諸島を中心とした国立公園。指定区域総面積6,629 haは日本の国立公園の中で最小[1]であり、なおかつ公園指定範囲は全て小笠原村内にあり、単一行政単位(市町村)内のみで構成される日本唯一の国立公園である。小笠原諸島のうち立ち入りが制限されている硫黄島南硫黄島を除く全ての島嶼が指定されている。また、孤立島の沖ノ鳥島南鳥島は含まれない。


  1. ^ 陸域のみの面積で海中公園区域は含まない。
  2. ^ 1972年(昭和47年)10月16日環境庁告示第30号「国立公園に関する件」
  3. ^ 1975年(昭和50年)5月17日環境庁告示第29号「国立公園に関する件」
  4. ^ 2009年(平成21年)11月12日環境省告示第73号「小笠原国立公園の公園区域を変更する件」


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