地狐とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 地狐の意味・解説 

地狐

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/10 18:43 UTC 版)

地狐(ちこ)は、密教および日本の伝承における霊獣ないし妖狐。日本ではが霊力を得たものであると考えられている。

概要

密教では、三類形(さんるいぎょう)と称して、天狐・地狐・人形(人狐〈にんこ〉とも)という3つを使用する修法・まじないが説かれており、地狐の名称が見られる。地狐として描かれる絵は野干(やかん=狐)であると『秘蔵金宝抄』(12世紀)などに記されているが、13世紀頃には『実帰抄』、『白宝抄』などでこの三類形に描かれる天狐・地狐・人形そのものが「三毒」のしるしであり、災い・障礙神を示すものであると説かれるようにもなった[1]

荼枳尼天に関する文献には、辰狐王(荼枳尼天)の眷属たちとして、五つの方角に配された神名(東方青帝地狐木神御子・南方赤帝地狐火神御子・西方白帝地狐金神御子・北方黒帝地狐水神御子・中央黄帝地狐土神御子)に地狐の名称が見られる[2]

江戸時代の日本では、地狐は狐の階級の一つの名称としても挙げられていた。奇談集『兎園小説拾遺』では、天狐空狐・白狐・地狐・阿紫霊の順で挙げられており、地狐は100歳から500歳くらいまでの狐がなるものであると説かれている[3]

民間伝承

長崎県小値賀島では「ジコー」という人間に取り憑く妖怪が語られていた。この呼称は天狐・地狐に由来している[4]

脚注

  1. ^ 中村禎里『狐の日本史 古代・中世びとの祈りと呪術』戎光祥出版、2017年、51-61頁。ISBN 978-4-86403-248-3(旧版『狐の日本史 古代・中世編』日本エディタースクール出版部、2001年)
  2. ^ 『狐の日本史 古代・中世びとの祈りと呪術』117-118頁。
  3. ^ 笹間良彦『怪異・きつね百物語』雄山閣、1998年、18頁。ISBN 4-639-01544-5
  4. ^ 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、234頁。ISBN 978-4-620-31428-0 


このページでは「ウィキペディア」から地狐を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から地狐を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から地狐を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「地狐」の関連用語

地狐のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



地狐のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの地狐 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS