四極子分裂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/18 22:15 UTC 版)
四極子分裂は核エネルギー準位と周囲の電場勾配(EFG)の間の相互作用を反映する。非球形の電荷分布を有する状態の原子核、すなわち1/2より大きい角量子数 (I) を有する原子核は全て核四極子モーメントを有する。この場合、非対称電場(非対称電子電荷分布もしくは配位子配列により生じる)が核エネルギー準位を分裂させる。 57Feや119SnなどのI = 3/2励起状態を有する同位体の場合、励起状態は2つの準状態mI = ±1/2 と mI = ±3/2に分裂する。基底状態から励起状態への遷移はスペクトル中に"doublet"と呼ばれることのある2つの特定のピークとして現れる。四極子分裂はこの2つのピークの間隔として測定され、核における電場の性質を反映している。 四極子分裂は、酸化状態、スピン状態、位置対称性および配位子の配置を決定するために使うことができる。
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