伝説・奇勝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/23 07:02 UTC 版)
比婆山には、様々な伝説が存在し、地元では類を見ないパワースポットとしても人気が高い。 陰陽竹(いんようちく) 山の中腹に繁茂している。伊邪那美之尊が出産のため、比婆山に上がった時に杖にした竹が、そのまま根を下したものだと言う伝説があり、この竹を杖にすれば、安産をなすと言われている。ある時、塚に小竹が繁っているため、牛馬を牽いてきてこの塚の草などを牛馬に食わせようとしたが、塚のあたりへは牛馬が寄りつかず、与えても食べなかった。また、この竹を杖に突いて行くと蛇の類が寄りつかず、蛇の居る所へ杖を突き立るとすくんで動けなくなるという伝説がある。陰陽竹はここにしか繁殖していない珍しい竹で、男竹に女性的なササがついているため「陰陽竹」と名付けられた。今まで学会で竹の茎とササの葉の結合体を説明する決定論が出ず、四回学名が変わったが、昭和四十六年夏、花が咲き、学名を研究してきた丸山巌氏・岡村はた氏によって業平竹とササ両属の雑種で、進化の中間過程にある「雑種起源」として「ヒバノバンブーサ・トランキランス・マルヤマ・オカムラ」と命名された。学問上貴重な竹であり、保護しないと絶滅のおそれがあるとして今は県の天然記念物に指定されている。勝手に持ち帰る事は禁止されている。 玉抱石(たまがかえいし) 玉抱石には神気がこもっていると言われ、子供に恵まれない人が石に触れると霊気が授かり、伊邪那美之大神に祈願すると子供に恵まれて安産であると言い伝えられている。石に空いた穴はそこから飛び出してお腹の中に入り、玉のような元気な赤子になって生まれてくるという伝承がある。 ちんちん井戸 昔はちんちん音がして水が湧いていたと言われ、現在は枯れている。ちんちん井戸の御神水を飲むと母乳が出ると言われた。また産湯に使うと、その子は一生元気で健やかに育つと言い伝えられている。 玄武岩柱状節理 奇異な岩体が多い比婆山であるが、 中でも特筆すべきは柱状節理である。 この節理はマグマの冷却面と垂直に発達,組成したものであり、六角柱状のものが多い。 比婆山の壁面は、この柱状節理が顕著に見られる貴重な場所である。
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