乳房温存術

PDQ®がん用語辞書

乳房温存手術、乳房温存術

【仮名】にゅうぼうおんぞんしゅじゅつ
【原文】breast-conserving surgery

乳がんは切除するが乳房そのものは切除しない手術。乳房温存手術には、腫瘤摘出術（しこりを切除）、乳腺1/4切除術（乳房の1/4または4分円を切除）、乳腺区域切除術（がんとその周囲の乳房組織の一部、腫瘍下の胸筋を覆う膜を切除）がある。「breast-sparing surgery（乳房温存手術）」とも呼ばれる。

乳がん用語集

乳房温存術（にゅうぼうおんぞんじゅつ）

乳がんの手術のうち、乳房の一部だけを切除する術式です。同時に腋窩リンパ節の郭清も行いますが、最近ではリンパ節を切除しない方法もあります。乳房温存術の最大の長所は、乳房を残せること、短所は、乳房内再発の可能性があることです。日本でも1980年代後半より積極的に取り組まれ、現在、乳房温存術は、部位にもよりますが、乳がんI期、II期の標準術式として確立されつつあります。温存手術では、乳房に肉眼では見えない少量のがん細胞が取り残されている可能性があるため、残った乳房に放射線治療を行うことが原則となります。

→乳房扇状切除術、 乳房円状部分切除術、 くりぬき手術、 腫瘤摘出術、 局所再発、 断端陰性、 断端陽性