ロシアン・ルーレット
『いとこ同志』(シャブロル) 大学生のポールとシャルルは、従兄弟どうしである。ポールは遊び人で、カンニングをして試験に合格する。シャルルは真面目な勉強家であるが、恋人をポールに奪われ、試験に落ちる。夜、シャルルは6連発の拳銃に1発だけ弾丸を込め、眠るポールに「君のチャンスは6分の5だ」と語りかけ、引き金を引く。弾丸は出なかった。翌朝、何も知らないポールは、戯れて拳銃でシャルルを撃つ真似をする。弾丸が発射され、シャルルは死ぬ。
★2.ロシアン・ルーレットによる決闘。
『親分』(つげ義春) ギャングのサブと鉄が、3日後に銃で決闘することになる。親分が「2人とも自分の6連発拳銃に1発だけ弾丸を入れ、弾倉を思い切り回してから、引き金を1回引け」と、決闘方法を指示する。鉄は、弾丸が1回目に発射されるように、弾倉を回す手加減を練習する。ところが決闘当日、親分は2人に「自分の頭に向けて引き金を引け」と命じる。鉄はやむなく自分の頭を撃って死ぬ。サブは「自殺はできない」と言って、親分に射殺される。
★3.ロシアン・ルーレットによる賭け。
『ディア・ハンター』(チミノ) ベトナムの戦場。ベトコンが、捕虜の米兵たちにロシアン・ルーレットをさせる。2人が向かい合い、弾丸を1発だけ入れた6連発銃を、交互に自分の頭に当てて引き金を引く。どちらが死ぬか、ベトコンたちは賭けをする。サイゴン市内でも、同様の賭けが行なわれる。米兵のニックは精神を病み、ロシアン・ルーレットの勝負師となって金を稼いでいた。彼の旧友マイクが、ニックを正気に戻すために、命を賭けて勝負を挑む。ニックが引き金を引くと、弾丸は彼の頭を撃ち抜いた。
★4.ロシアン・ルーレットの変形。
『ダーティ・ハリー』(シーゲル) ハリー・キャラハン刑事が拳銃を数発撃って、銀行強盗を追いつめる。ハリーは6連発銃を強盗犯につきつけ、「6発撃ったか5発撃ったか、おれにもわからない。運試しするか?」と問う。強盗犯は抵抗を諦めて、逮捕される。強盗犯は「弾丸が残っていたかどうか、教えてくれ」と請い、ハリーは引き金を引く。弾丸は残っておらず、強盗犯は悔しがる。後にハリーは、連続殺人犯スコルピオにも同様に問いかけ、抵抗しようとするスコルピオを撃つ。今回は弾丸が発射され、スコルピオは死ぬ。
『野獣死すべし』(村川透) 仲間とともに銀行を襲い、13人を射殺して逃走する伊達邦彦を、刑事が追う。深夜の列車内で、伊達と刑事が対峙する。伊達は刑事の持つ6連発銃を奪い取り、弾丸を1発だけ入れる。伊達は話をしながら、拳銃を刑事に突きつけて引き金を引く。4回引き金を引いても、弾丸は発射されない。伊達は「疲れた。もう寝ましょう」と言う。隙を見て逃げ出す刑事を、伊達は撃ち殺す。
★5.弾丸なしのロシアン・ルーレット。
『ソナチネ』(北野武) ヤクザの村川が6連発銃に弾丸を1発入れ、引き金を3回引く。弾丸は出なかった。彼は仲間の男2人とジャンケンをして、負けた1人を撃つ。弾丸は出ない。2度目のジャンケンでも同じ男が負け、村川はまた彼を撃つ。弾丸は出ない。3度目は村川が負け、彼は笑いながら自分のこめかみに拳銃を当てて撃つ。弾丸は出ない。村川は弾丸を入れるふりをしただけで、拳銃に弾丸は入っていなかった。
『夏の夜は三たび微笑む』(ベルイマン) マルコルム伯爵が、弁護士フレデリックに決闘を挑む。軍人で射撃の名手でもあるマルコルムは、「腕前に関係ない公平な方法で」と言って、ロシアン・ルーレットを提案する。6連発銃に1発だけ弾丸を入れて弾倉を回し、交互に自分の頭に銃を当てて引き金を引く。銃声とともにフレデリックが倒れる。マルコルムは弾丸の代わりに煤を詰めておいたので、フレデリックは無事だった。
★6.ロシアン・ルーレットの弾丸が出なかった時の、歓喜と安息。
『超越意識の探求』(ウィルソン)第6章 グレアム・グリーンはエッセイ『戸棚のリヴォルヴァー』で、10代の頃、倦怠感から無感情(アパシー)状態に陥り、ロシアン・ルーレットを試みた体験を語っている。自分の頭にあてて引き金を引き、カチャリと空(から)撃ちの音が聞こえた時、彼は圧倒的な歓喜と安息を感じたという。「まるで、そこにずっと灯りが点いていたことに初めて気づいたかのようだった。人生には無限の可能性があると私は感じた」。この瞬間、彼の中に「宇宙意識」が生じたのである。
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