ルネサンス以後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 10:43 UTC 版)
16世紀半ばに起きた宗教改革と、それに応じる形で起きた対抗宗教改革によってキリスト教思想が、厳格なものとしてイタリア文学にのしかかってくる。1600年には宇宙の無限性を主張したジョルダーノ・ブルーノは火あぶりにされたりと、自由な表現や異教的なモティーフは使いにくくなっていた。また新大陸の発見によって経済の中心地が完全に大西洋沿岸地域に移り、経済的にもイタリアは衰亡していく。もちろん文学自体は変わらず盛んであったものの、前時代の模倣といった感が強い。この時代は『アドニス』の著者ジャンバッティスタ・マリーノが絶大な影響を及ぼし、追従者を多く生んだ。(ギリシャ神話的な作品『アドニス』はフランスのパリで発表された)1690年にはローマにアルカディア・アカデミーという文芸団体が創設されたりなどしている。 18世紀はフランスから到来したロココ趣味と啓蒙思想が各方面に影響を与えることになる。歴史学者で哲学者のジャンバッティスタ・ヴィーコがこの時代の代表的知識人であった。文学ではヴェネツィアの喜劇作家カルロ・ゴルドーニが、コメディア・デラルテの伝統に心理的な構成を加えて洗練させた作品を発表し、時代の寵児となった。代表作は『珈琲店』『抜け目のない未亡人』。またイタリア語にフランス語の影響が強くなりすぎて、言語純化運動が起きたのもこの時代である。
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