ラブローション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 00:50 UTC 版)
現在の性玩具用消耗品である「ローション」は、粘性と潤滑性をもった水溶液で、摩擦を軽減させる効果がある。ローションにより愛撫の効果を高めたり、本来の肉体機能によっては潤滑されない部位を潤滑させたりする(パイズリ・素股などが有名→ローションプレイ)他、性器の自然な湿潤が難しい場合に利用されることもある。 標準的な業務用製品は濃縮状態でパックされており、水や湯で薄めて使用する。濃厚なタイプでは5倍以上に薄めて使用する物も見られる。薄める際に湯を使えば、後述の温感ローションを使わずとも温かい使用感を得られるため、風俗店等では主にこの濃縮状態の製品を薄めて使用している。一般の愛好者も増えた近年では、そのまま薄めずに使用できる製品も増えている。 製品によっては紫外線で分解してしまったり、生分解性があるために腐敗したりする物も多い。密閉容器に入れ冷暗所で保存して、開封したら早めに使い切る必要がある。また、コンドームの摩擦緩和用として、薬局・薬店のコンドームコーナーでは、化粧品や歯磨きのようなチューブ入りのローションが販売されている。これらの多くは「潤滑ゼリー」という名称で販売されており、潤滑性の点では一般的なローションより劣るが、容易に洗い流すことができる。 主成分は水溶性ポリマー(主にポリアクリル酸ナトリウム)と水であるが、これは食品添加物の増粘剤にも利用されており、口にしても特に大きな危険性は無いと考えられる。通常の化粧品に含まれるパラベンなどの保存料が含まれる場合があるため、それらに過敏な場合は使用を控えるのが望ましい。 温感ローションと呼ばれている物では、グリセリンが配合されている。これは浣腸に用いられる成分であるため、肛門に対するローションとしては使用できない。温感ローションに関しては、主に男性がオナホールなどを利用する際に使うべき物で、それ以外の用途に使うと悪影響がある場合がある。例えば、油脂分がコンドームを溶解させ避妊効果が落ちる例が報告されている。 性行為に用いる避妊具同様に、薬局やドラッグストアなどでも販売している製品もあり、アダルトグッズショップで売られているものとメーカーは同じである。流通形態が違うので、同じメーカーであってもドラッグストアなどとアダルトグッズショップで売られているものはパッケージが違うことが多々ある。例えば、ベストセラーである「ペペ」は、ドラッグストアで売られているものはラテックスメーカーのオカモトであるが、メーカーはアダルトグッズショップと同じ中島化学産業である。国内製造メーカーは、化学薬品メーカー・化粧品メーカー・製薬会社など多岐にわたる。OEM品がほとんどなので、メーカーは表示されないことが多い。 主な製造メーカーは以下の通り。 三彩化学工業 中島化学産業 クサノハ化粧品(旧・くさの葉化粧品) 江戸時代には、男色(肛門性交)をする際の粘滑剤として「通和散」または「練(り)木」と称したトロロアオイの根・ふのりなどで製した白い粉が市販されており、それを用いた。作家の檜山良昭によると、痛和散は蛤の貝殻に詰められて、当時のアダルトショップで売られていたという。 なお、ローションは性行為とは関係ない用途でテレビ番組の企画などに用いられることもある。一例として、オールスター感謝祭のぬるぬる企画ではローションが塗られた地面上で競技を行い、予想外の展開や出演者の滑る姿を映している。
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