ラスタライゼーション【rasterization】
読み方:らすたらいぜーしょん
ラスタライゼーション
【英】rasterization, rasterize
ラスタライゼーションとは、点と線、あるいは文字と画像などからなるイメージデータを、色つきの点(ドット)の集合であるラスタイメージに変換することである。
コンピューターはイメージデータを、点の座標とそれを結ぶ線(ベクタ、あるいはベクトル)についての方程式を中心としたベクタグラフックスと呼ばれるイメージ形式で扱っている。これがWindowsに標準で備わる「ペイント」ツールの曲線描画や、あるいはウィンドウのサイズ変更を自由にしているわけだが、他方でディスプレイやプリンターは、表示するイメージデータを単純に点(ドット、あるいはピクセル)の集合として扱っている。通常のディスプレイやプリンターではベクタ形式の情報をそのまま表示したり印刷したりすることはできないので、ラスタ形式のイメージへ変換する、すなわちラスタライゼーションする必要がある。ちなみに、このようにラスタライゼーションを行う機能を持ったハードウェアやソフトウェアはラスタライザーと呼ばれる。
ラスタライズ
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ラスタライズ(米: rasterize, rasterization / 英: rasterise, rasterisation)は、コンピュータグラフィックスにおいてラスター形式の画像(ビットマップ画像)以外のデータをラスター形式に変換して画像化すること。
ドローグラフィックスあるいはCADデータのようなベクター形式の画像(ベクター画像)や、TrueTypeのようなアウトラインフォントなどを変換して画像化することなどが例としてあげられる。ディスプレイ表示のためのラスタライズはオペレーティングシステムがグラフィックスドライバーを介して行なう(ドライバーがインストールされていない場合や、ハードウェアが対応していない場合は後述のソフトウェアラスタライザが使用されることもある)。印刷のためのラスタライズはプリンタードライバーが受け持っている。またラスタライズ機能を内蔵しているプリンターもある。
3次元コンピュータグラフィックスの場合、ポリゴンやその他形状データをフラグメントと呼ばれるピクセルデータに変換する作業をラスタライズと呼ぶ。物理シミュレーションで照明表現を行なうレイトレーシングからのレトロニムとして、ラスタライズという用語が使われることもある。
ソフトウェアラスタライザ
- オープンソース
- OS付属
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- リファレンスラスタライザ - すべてのDirect3Dに含まれている。REFデバイスとも呼ばれる。
- Windows Advanced Rasterization Platform (WARP) - Microsoft Windows 7およびDirect3D 11にて導入された[2]。Direct3D 10.1[3]やDirect3D 12からも利用できる。
- Apple Software Renderer - AppleのCore OpenGLに含まれている。
- その他
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- Pixomatic SDK
脚注
関連項目
ラスタライゼーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 04:11 UTC 版)
「グラフィックスパイプライン」の記事における「ラスタライゼーション」の解説
ラスタライゼーションは描画シーンをラスターフォーマットに変換して、2次元画像空間に表現する処理である。これによりピクセル値が決定される。 通常、ラスタライズの処理には以下の効果のための処理が含まれる。特に三角形内のピクセルごとの色を決めるピクセルシェーディング処理がパイプラインの主要な処理を占めるため、処理速度の向上のためには可能な範囲での並列・順次処理が図られる。 ライティング処理 3次元シーンにおける物体の陰影は、物体の座標、物体の反射率、表面の特性、および光源(照明)の位置によって定義される。 テクスチャとフラグメントシェーディング 独立したフラグメント、またはピクセルごとに入力頂点の属性(頂点カラー)やメモリ上のテクスチャから補間した値を基にして色を割り当て、よりリアルな陰影や表面の質感を与える。 リアルタイムグラフィックス処理系においては、レンダリングされたポリゴンの法線方向にのみ照明を計算している。頂点間の照明の値はラスタライズの間に補間される。グラフィックスハードウェアが固定機能のシェーダーのみをサポートしていたDirectX 7 (Direct3D 7) 世代までは、面単位で陰影付けを行なうフラットシェーディングや、頂点単位で陰影を補間する頂点単位シェーディング(グーローシェーディング)/ライティングが主流だったが、グラフィックスハードウェアが性能を向上し、さらにプログラマブルシェーダー機能を備えるようになってからは、より高品位のピクセル単位(Per-pixel, Per-fragment)シェーディング(フォンシェーディング)/ライティングをラスタライズ後に実施することも行なわれるようになってきている。 なおリアルタイムグラフィックス処理系において、DirectX 9 (Direct3D 9) 世代が主流だった2005年頃までは、グラフィックスカードに実装される頂点シェーダーユニットおよびピクセルシェーダーユニットをそれぞれ増設し、順番に処理を行なわせることが描画高速化の主流であったが、ハードウェア利用効率の向上を目的として2006年頃から出現したDirectX 10 (Direct3D 10) 世代(統合型シェーダーアーキテクチャ)のグラフィックスカードでは、汎用シェーダーユニットの流動的な活用による高速化が行なわれている。
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