マックス・ザイラーとは? わかりやすく解説

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マックス・ザイラー

(マックス・サイラー から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/03 08:58 UTC 版)

マックス・ザイラー
Max Sailer
ザイラー(1914年フランスグランプリ)
生誕 (1882-12-20) 1882年12月20日
ドイツ帝国
ヴュルテンベルク王国 エスリンゲン・アム・ネッカー
死没 (1964-02-05) 1964年2月5日(74歳没)
西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州エスリンゲン・アム・ネッカー
国籍 ヴュルテンベルク王国 ドイツ帝国) → ドイツ国 ドイツ国 連合国軍占領下のドイツ 西ドイツ
職業 レーシングドライバー、自動車技術者
前任者 ハンス・ニベル(技術部長)
後任者 フリッツ・ナリンガー(技術部長)

マックス・ザイラー(Max Sailer、1882年12月20日 - 1964年2月5日)は、ドイツのレーシングドライバー、技師、実業家である。レーシングドライバーとしては、ダイムラー社英語版(Daimler Motoren Gesellschaft、DMG)の最初期のワークスドライバーであり、1910年代から1920年代前半にかけて活躍した。後にダイムラー・ベンツの取締役となる。

経歴

1902年11月26日にダイムラー社に入社し、技師として働き始めた[W 1]。1905年7月に一旦退社し、アイゼナハの自動車工場で5年間働き、1910年10月1日に再びダイムラー社に戻った[W 1]

レーシングドライバー

同社ではワークスドライバーとなって自動車レースに参戦し、1914年7月のフランスグランプリでは参戦全般の責任者を任された[1][2]。このレースではライバルのプジョーチームが有力と思われていたが、ザイラーは自らが序盤でプジョーチームのエースであるジョルジュ・ボアロ英語版と首位争いを演じて翻弄する作戦を実行した。ザイラーは途中でエンジントラブルを起こしてリタイアしたが、ボアロもファイナルラップでリタイアしたことで、メルセデスチームの残りのメンバーで1-2-3フィニッシュを果たして、チームは完勝を遂げた[1][W 2]

その後、第一次世界大戦(1914年8月 - 1918年)を挟んで、1921年にメルセデスチームはレースに復帰した。ザイラーは同年のタルガ・フローリオで2位という結果を残し、翌年にはインディアナポリス500にも参戦した。

取締役

1924年限りでドライバーとして引退したザイラーは、翌1925年にダイムラー社の部門責任者となった。翌1926年にダイムラー社はベンツ社ドイツ語版と合併してダイムラー・ベンツが設立される。やがてザイラーは同社の取締役となり、同社の全ての自動車を設計する中央設計本部の本部長の要職を務めるようになる[3]

1934年11月に同社の技術部長(開発部門のトップ)であるハンス・ニベルが急死したため、その地位を引き継ぎ、市販車とレーシングカーの両方について、車両開発全体の責任者となる。この職務は1940年4月にフリッツ・ナリンガーに譲るまで務め[W 3]、1942年にはダイムラーを退職して、引退した。

その後は隠居生活を送り、1964年2月5日、塞栓症により故郷のエスリンゲン・アム・ネッカーで死去した。

レース戦績

インディアナポリス500

シャシー エンジン スタート フィニッシュ チーム
1923年英語版 メルセデス メルセデス 20 8 ダイムラー

脚注

出典

書籍
  1. ^ a b シルバーアロウの軌跡(赤井1999)、第2章「8 1914年フランスグランプリ」pp.60–63
  2. ^ モータースポーツミセラニー(高斎1998)、「洋書の文献の誤り」 pp.105–112
  3. ^ MB グランプリカーズ(菅原1997)、p.47
ウェブサイト
  1. ^ a b Sailer, Max” (英語). M@RS – The Digital Archives of Mercedes-Benz Classic. 2021年6月28日閲覧。
  2. ^ A matter of identity” (英語). Motor Sport Magazine (1982年5月). 2021年6月28日閲覧。
  3. ^ New on Board of Management: Nallinger becomes chief design engineer” (英語). M@RS – The Digital Archives of Mercedes-Benz Classic (1940年4月23日). 2021年6月28日閲覧。

参考資料

書籍

外部リンク

  • Max Sailer - Mercedes-Benz Public Archive (英語)



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