ヒットボックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/13 13:05 UTC 版)
ヒットボックス(hitbox)とは、ビデオゲームにおいてリアルタイムの衝突判定のために一般的に使用される「見えない四角」であり、バウンディングボックスの一種である。3Dモデル(3Dゲームの場合)やスプライト(2Dゲームの場合)などの可視オブジェクトと同じ場所にアタッチされることが多く、2Dゲームでは長方形、3Dゲームでは直方体の形をしている。円形または球形をしている場合もよくあるが、それでもほとんどの場合は「ボックス」と呼ばれる(海外でも)。可動オブジェクトでは、モーション中の精度を確保するために、可動する各パーツにヒットボックスがアタッチされているのが一般的である[信頼性要検証]。 ヒットボックスは、キャラクターと敵の打撃や弾丸との衝突判定を取る場合など、「一方向」の衝突を検出するために使用される。衝突によってフィードバックが発生する場合、例えば壁にぶつかった際にフィードバックによって反発が起き、すぐ次のフレームでは壁から引き離される、と言うような場合は、ヒットボックスの位置が絶えず変化することになり、ヒットボックスの位置の管理がとても面倒になるので、ヒットボックス方式を使うのは適していない。このような場合はヒットボックス方式より単純な実装である「軸並行境界ボックス方式(Axis-Aligned Bounding Box、AABB方式)」を使うのが適している。しかしプレーヤー目線では、これらの実装方式を区別せず、どちらも単に「ヒットボックス」と言う場合も多い。 ヒットボックスとよく似た概念としてハートボックス(hurtbox)と言うものも存在する。「ダメージを受ける衝突判定」と「ダメージを与える衝突判定」を使い分ける必要がある場合、前者を「ヒットボックス(あたり判定)」と呼び、後者を「ハートボックス(攻撃判定)」と呼ぶ。たとえば、攻め側のパンチのヒットボックスが相手側のハートボックスと衝突した場合は攻撃が「通った」と判定されるが、相手側のヒットボックスと衝突した場合は「相打ち」または「打撃キャンセル」と判定されたい、というような場合に使われる。ハートボックス同士が衝突しても何も起きない。なお、この用語は業界全体で標準化されておらず、「ヒットボックス」と「ハートボックス」の定義がこれと逆になっているゲームもあり、またどちらも単に「ヒットボックス」と呼ぶゲームもある。
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