バトルメックの武装
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/31 07:16 UTC 版)
「メック (架空の兵器)」の記事における「バトルメックの武装」の解説
バトルメックの武器はレーザーや粒子ビームに代表されるエネルギー兵器と、マシンガンやミサイルなどの実弾兵器、ハチェットなどの格闘武器に分けられる。実弾兵器は発熱が低く、種類によっては一撃必殺が狙える程の高威力を持つものが存在するが、重くかさ張る上に、弾薬に直撃されるとメックが一撃で破壊される危険性がある。エネルギー兵器は一撃の威力はそこそこで重量も軽く、弾薬誘爆の危険も無いが、発熱量が高いという欠点がある。格闘武器は一撃必殺級の威力があり、発熱もしないが、敵に接近する必要がある。 レーザー 射程距離と威力で4種類、発射速度で2種類あり再発射までチャージに多少時間が掛かる高出力レーザーと、低出力レーザーを凄まじい発射速度で撒き散らして面制圧を行うパルスレーザーがある。高出力レーザーは主として中距離火器として用いられ、発熱と威力のバランスがとれた扱いやすい火器である。対してパルスレーザーは凄まじい連射性に由来する極めて高い命中率を有するが、発熱が大きくまた射程距離が短いなどの不利益もあり、重量も在るため積載量が限られ、瞬間打撃力に劣る。ただ残弾を気にしなくて良く、命中率が極めて高く、確実な損害を敵に与えることができるため、近接防御火器としては非常に優秀である。 オートキャノン バースト射撃を行える滑腔砲である。発熱が少なく連射性も極めて高いが積載弾薬に限りがあり、弾切れを起こしやすい。また重量や積載に必要な容積も大きく、軽量メックに搭載は向かない。射程距離は口径が小さいと長く、大きいと短くなるが、小口径タイプは火力に欠ける為に搭載する意味がほとんど無い。最大口径のものは最強の破壊力を持っており、一撃必殺を狙える。速射性を高めたウルトラ・オートキャノンは、単位時間当たりの射撃弾数が2倍のため、ほぼ倍の威力を誇るが発熱も消費弾数も倍となる。別の見地から発展したLB-Xオートキャノン(ルクソール弾丸X型速射滑腔砲)は通常の徹甲榴弾とクラスター弾の撃ち分けができ、発熱を抑えわずかに軽量化した扱いやすい重火器となっている。 ガウスライフル いわゆる電磁レールガンである。圧倒的な威力と長距離ミサイル以上の射程を持つが、極めて重く積載量も大きいため、軽量メックへの搭載はほぼ不可能である(50トン級以上の中量メックならば、他の火器ほぼすべてを犠牲にすることで1門だけなんとか搭載可能)。超長距離から敵機を撃破するには最適の重火器。重量と積載量が最大の欠点だが、発熱が無いと同じのため、反対の性能を有する粒子砲(軽量、高発熱)との相性が最高であり、この2つを組み合わせることで圧倒的な長距離火力を得ることができる。電磁気力で弾丸を加速させる仕組みのため炸薬が必要なく、弾薬に直撃しても誘爆の危険性が無いが、本体に直撃された時は弾薬誘爆と同等のダメージを受けるので、危険性は他の実弾兵器と変わらない。星間連盟時代の優れた技術が無いと製造出来ない為、3025年当時では使用出来ない。 マシンガン 実弾系最弱という打撃力・有効射程距離を持つ兵装だが、反面容積や重量が小さく、また弾薬積載量も稼げる事から、コンピュータ・ゲーム版などではこれを大量に積載した軽量級メックで素早く重量級メック側面に取り付き、瞬時に脚部を打ち砕いて行動不能を誘うという戦術を取る事も可能である。原作であるボードゲームの場合、発熱が全くないため近距離での連射に向き、1門1門の効果は小さいが、大量に搭載することで強力な近接防御火器となる。弾薬も搭載量を喰わないため誘爆する危険性は大型火器よりは小さいのも利点である。 ミサイル 遠距離用と短距離用の2種類が在る。誘導兵器であり、全身に5点(長距離ミサイル)ないし2点区切り(短距離ミサイル)で複数回命中し、全身に万遍なく損害を与えることができる。コンピュータ・ゲーム版などでは多少外しても近接爆発によりダメージを与えうる。遠距離ミサイルでは誘導効果と近接爆発に伴うボーナス効果が大きめに設定されている。ただこの近接爆発だが、至近距離で発射した場合には、自分自身もダメージを食らうというオマケ付である。遠距離ミサイルは打撃力が大きく、また一度ロックオンした相手なら曲射も可能なため便利が良い兵器である。反面弾薬が誘爆しやすいため、一歩間違えると自爆兵器となってしまいやすい。また飛行中のミサイル兵器は当たり判定を持つため、発射直後のミサイルを打ち落とされると、ミサイルポッド全体が吹っ飛ぶ事もある。 ナパームミサイル(インフェルノ弾頭) ミサイルの中でも短距離ミサイルに分類されるが、直撃しても直接的なダメージは小さい。しかし着弾後の燃焼中はメックの温度上昇を招き、舐めてかかるとジワジワとダメージが蓄積する恐るべき兵器である。軽量であるため軽量メックに積載される他、歩兵が対メック用に使用する事も多い。中心領域では広く使用されるが、氏族社会では卑劣な戦法として忌み嫌われている。 粒子砲(PPC) 電磁粒子加速器によってイオン流および高エネルギー陽子を超高速で投射し、高熱と衝撃を同時に与える重火器である。粒子砲は超遠距離射撃に最適だが、発射時にかなりの輻射熱が発生する事から連射性はかなり悪い(よほど放熱に注意を払っているメック以外では、複数の粒子砲を2~3発連続で発射しただけで融合炉シャットダウンの危険がある)が、相手に与えるダメージはガウスライフルに次ぐほど強力で、その連続射撃はドロップシップすら沈めるほどである。他の重火器と比べると本体重量はかなり軽量だが、効率的に運用するためには多量の放熱器を搭載しなければならないため、2門より多く搭載すると、膨大な放熱器の搭載を余儀なくされ、重量対効果が極端に悪くなる。MechWarrior2では何故かかなりの低速で発射されるため、メック同士の戦闘では躱され易く、偏差射撃を行うか、故意に敵の足下に着弾させ、プラズマ火球を炸裂させて近接爆発に敵を巻き込むなどのこつが必要な火器である。このため通常は起動前のメックを超々長距離精密射撃で沈黙させたり、施設破壊に利用される。他のシリーズ作品やボードゲーム版では発射速度が極めて速く(レーザーの次に速い)、発熱を除けば優秀な兵器と言える。 火炎放射器 プラズマを放射する超高温の火焔放射器で、相手に強烈な発熱を与える。射程が短く、発熱も大きいが、これを4門以上装備して敵に密着することができれば、追加放熱器を一切持たないメックは中型レーザーなどの小火器を1門~2門発射しただけでペナルティを被ることになり、粒子砲などの重火器を撃とうものなら、かなりの不利益を覚悟しなければならない。火炎放射器を高速メックに大量搭載し、近接戦闘で鈍重な大型メックを攻撃することで重量差を覆す可能性がある。特にミサイルやオートキャノンの弾薬を大量搭載し、廃熱に問題のあるメックに対しては、絶大な効果を誇る。どんどん熱を蓄積させて行動を制限し、尚且つ弾薬誘爆を狙うことで、相手に致命的損害を与えることができるのだ。 パンチ、キック、踏み潰し(D・F・A) メックも格闘を行うことが出来る。特にキックは「メック戦闘の基本は敵の足を蹴って折る」とグループSNEのリプレイや解説書に書かれている(『バトルテック』の頁にある「1.2.1.3 部位の概念」も参照)。パンチはダメージこそ低いものの、コックピットが有る頭部に命中する確率が高い為、一発逆転を狙って使われることが多い(キックは下半身に、パンチは上半身に攻撃が集中する)。至近距離でしか使えないが、どちらも発熱は無く廃熱に気を使う事なく使用出来るのも利点である。踏み潰し(D・F・A)はジャンプして敵を踏み潰すものであり、ジャンプジェットを装備していないと使うことさえ出来ない(例外として崖からの飛び降り)。ダメージは機体の重量に比例して上昇するが、命中率は最悪でスキも大きい為、完全な博打技である。さらにジャンプジェットを使用するので発熱する他、敵に命中した時は脚部にダメージを負ってしまう。一方で文字通りの必殺技になる為、D・F・Aの使用を前提に開発された強襲級メックが存在する。 ハチェット、ソード、メイス メックに装備される近接格闘戦用兵器。格闘戦でより強力なダメージを与える事が可能となる。あらゆる兵器の中で唯一熱が発生しない兵器でもあり、至近距離でしか使えないとは言え、性能はそれを補ってあまりある。特にコクピットがある頭部に命中すれば文字通り一撃で沈める事が可能。だが、パンチやキックと違い攻撃は全身に散らばるため、頭部に命中する確率は火器と変わらない。 高速振動剣 人間用の格闘武器をメックサイズに拡大させたもの。元々はグループSNEのリプレイで設定されたオリジナル武器だったが、最新版のルールで設定された。使用時には発熱するが、破壊力はハチェットを遥かに凌ぎ、どこに命中しても一撃必殺を狙える。 チェーンソー、回転鋸など。 「メックウォーリアー・ダークエイジ」で設定された格闘武器。作業用メックの腕に装着されていたものを武器として転用した。
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