ネット‐いなご【ネット稲子】
ネットイナゴ
ネットイナゴとは、ブログや掲示板のあるエントリーに対して、大勢で大量のコメントを書き込み、荒らしに近い行為を行う集団のことである。書き込みをするユーザーが、大量発生したイナゴ(蝗)が農作物を食い尽くす「蝗害」に喩えられている。
ネットイナゴは、集団で膨大な量のコメントを残すことによって、そのブログを「炎上」と呼ばれる状態に陥れる。炎上したブログや掲示板は、長期間にわたり機能停止状態になったり、閉鎖に追い込まれたりする場合も少なくない。
これまでにも、ブログのエントリーなどに対して暴言や罵りを大量に投稿して炎上させるユーザーがおり、「ネット右翼」などと呼ばれていた。しかし、ネットイナゴによる炎上は右翼や左翼といった特定の思想によるものではなく、むしろ単なる興味本位や愉快犯的な動機であり、集団心理によって書き込みの攻撃性が増しているという指摘がある。
ネットイナゴは、有名人や一般人によるブログの不用意な発言を拾い、はじめは指摘や反論をするが、コメントの数が増えるにつれて度を過ぎた非難や中傷、話題を逸した人格攻撃に至ることも多い。
炎上 (ネット用語)
(ネットイナゴ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 06:04 UTC 版)
炎上(えんじょう)とは、インターネット上のコメント欄などにおいて、稚拙な批判や誹謗中傷などを含む投稿が集中することをいう[1][2]。炎上による損害は、心理的、経済的なものが発生している[3]。
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- ^ 東浩紀が時代の節目に自らを振り返る――「平成という病」 | 特集 | Book Bang -ブックバン-
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