デュアルステレオ放送とは? わかりやすく解説

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音声多重放送

(デュアルステレオ放送 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 23:32 UTC 版)

音声多重放送(おんせいたじゅうほうそう)とは、一つの放送チャンネルに複数の音声を多重化して行う放送である。


注釈

  1. ^ 各々の放送に於いての音声テストテープを流して、実験を実施。映像は、テストパターンカラーバーを使用。
  2. ^ 当時は東京12チャンネル(現・テレビ東京・テレ東)は独立局だった。
  3. ^ モノラル音声にしか対応していないの受信機(テレビやFMラジオ)では、2つの音声チャンネルのうち主音声用チャンネルの音声信号(左チャンネル音声と右チャンネル音声の混合信号)のみが可聴音声に復元される。
  4. ^ ステレオ放送と二重音声放送(2か国語放送や解説放送などの副音声付放送)は、同じ信号方式を利用して送信され、受信機側の識別情報を自動的に判別する機能により、それぞれの放送に応じた人間が聞くことのできる音声に復元している。したがって、ほとんどの受信機ではステレオ放送と二重音声放送への対応は同じことを表す場合が多い。
  5. ^ アナログ放送における音声多重放送対応型受信機でのステレオ音声の分離原理は、左(L)チャンネル用は主音声信号と副音声信号の和((L+R)+(L-R)=2L)、右(R)チャンネル用は主音声信号と副音声信号の差((L+R)-(L-R)=2R)として生成出力される。
  6. ^ ステレオ音声の左右いずれか片方の音声のみを出力する機能はあくまで受信機・装置の仕様に拠るもので、ステレオ音声は固定的に2chステレオとしてしか聴けないものもある。
  7. ^ ステレオ放送の場合は、主音声信号と副音声信号の2つから左チャンネル用音声と右チャンネル信号を復元分離する。二重音声信号の場合は、そのまま主音声信号は主音声、副音声信号は副音声として復元する。
  8. ^ アナログ放送では音声多重放送は、2つの音声チャンネルしか使用できない規格であったことから、2チャンネルステレオ放送、二重音声放送のどちらかであることを意味していたが、デジタル放送では音声チャンネルの多重化(最大8チャンネル)が許容されているため、アナログ放送での2チャンネルステレオやモノラル音声の組み合わせによる二重音声の他に、2チャンネルステレオで3か国語以上の同時放送や、5.1チャンネルサラウンドステレオ放送が可能になった。なお、マルチ音声信号(マルチ音声放送)による音声信号選択が2つのみであってもそれは、従来技術の二重音声とは区別される。例えば2チャンネルステレオでの2か国語放送(デュアルステレオ放送などと呼ばれることもある)のみの場合でも、通常は二重音声放送とは呼ばず、あくまでマルチ音声放送として区別され、操作上も殆どの受信機ではマルチ信号切り替え(操作上は「音声信号」「音声」「信号」「マルチ音声」「マルチ信号」など機種によって異なる)になっている。放送規格の仕様上では、マルチ音声放送の一信号として、従来のモノラル音声の組み合わせによる二重音声を組み込むことも可能(例えば二重音声と5.1チャンネルサラウンドとの組み合わせなど)であるが、実際に両方式を組み合わせて放送が行われることは殆どない。
  9. ^ デジタル放送が登場した当初は、多重音声の方式の違い(二重音声/マルチ音声)への考慮として、多くのデジタルテレビ放送受信機のリモコン装置での「二重音声および2チャンネルステレオのLR切り替え」と「マルチ音声の信号切り替え」の切替は操作ボタンを分けていたが、地上波アナログテレビ放送の終了する過渡期以降は、両方式の切替ボタンを統合した操作形態の方が主流になった。
  10. ^ テレビ(モニタ装置)にAV機器(DVDBDHDDなどのデジタルビデオレコーダーおよびプレーヤー、単体チューナーなど)を接続し、それらの機器からの音声出力をデジタルにした場合、出力設定をPCMBitstreamかを選択するタイプのものが多いが、Bitstreamを選んだ場合は、レコーダー/プレーヤー側の操作では音声切替が出来なくなる(但し、画面に表示される動作状態では切り替わっている旨の表示がなされる)動作をする。使用上の支障がある場合は、必要に応じてデジタル音声の出力設定をPCMに変更するか、接続形態をアナログ接続(コンポジット端子接続/S端子+アナログ音声接続/コンポーネント端子接続/D端子接続など)に変更する。
  11. ^ しかし、地上デジタル放送では常時ステレオ信号なのでモノステレオ音源で放送されていた。
  12. ^ 日本での一般個人向けのCSデジタル放送には、東経110度にある通信衛星によるCS放送と東経128度/東経124度にある通信衛星によるCS放送の2種類に大別(詳細は衛星放送の記事を参照)され、前者はISDB、後者はDVB方式で行われている。
  13. ^ 初期設定メニューなどに二重音声の設定がある機器の場合、電源再投入時の動作はその設定に従う仕様のものもある。
  14. ^ 尚、スカパー!での放送を含むデジタルテレビ放送では、放送開始15分前のテストパターンと放送終了前のイメージソング・大学学歌のみステレオ放送を実施している。
  15. ^ 同放送の初の番組は、同日23時50分からの映画『冬のライオン』の2か国語放送だった。
  16. ^ 開局前に、同年6月24日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
  17. ^ 中京テレビのみ、事前にサービス放送を、同年6月15日から開始している。
  18. ^ 事前にサービス放送を両局共に、同年6月21日から開始している。
  19. ^ 開局前に、同年9月24日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
  20. ^ 開局前に、同年3月25日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
  21. ^ 開局前に、同年9月15日からサービス放送を開始しているが、音声多重のサービス放送は行わず、開局日に同放送を開始している。
  22. ^ 開局前に、同年3月27日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
  23. ^ a b c 奄美地域は、当初含まれず、未実施だった。
  24. ^ 開局前に、同年9月23日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
  25. ^ 開局前に、同年9月25日からのサービス放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。
  26. ^ ただし胆振支庁管内の苫小牧市勇払郡も含む。
  27. ^ 当初はステレオのみで、二か国語を始めとする二重音声も対応となったのは、1988年8月のことである。
    朝日新聞縮刷版 1988年8月 264ページ(1988年8月7日新聞紙面 10ページ(8月7日テレビ欄))
  28. ^ 開局前に、同年9月20日からの試験放送開始と同時に、音声多重も同放送扱いとして開始している。

出典

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  3. ^ a b 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'70』日本放送出版協会、1970年、5頁。 
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  71. ^ 朝日新聞縮刷版 1995年4月 72ページ(朝日新聞1995年4月2日朝刊 20ページ(翌4月3日のテレビ欄))
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