ニッケルカルボニル
分子式: | C4NiO4 |
その他の名称: | Nickel tetracarbonyl、テトラカルボニルニッケル、ニッケルテトラカルボニル、ニッケルカルボニル、Tetracarbonylnickel、Nickel carbonyl |
テトラカルボニルニッケル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 06:50 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動テトラカルボニルニッケル | |
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tetracarbonylnickel(0) | |
別称 ニッケルカルボニル ニッケルテトラカルボニル | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 13463-39-3 |
EC番号 | 236-669-2 |
RTECS番号 | QR6300000 |
特性 | |
化学式 | Ni(CO)4 |
モル質量 | 170.7 g/mol |
外観 | 無色もしくは黄色の液体[1]、反磁性 |
匂い | かび臭い[1] |
密度 | 1.3 g/ml, 液体 |
融点 |
−19 °C |
沸点 |
43 °C |
水への溶解度 | 不溶 |
構造 | |
配位構造 | 四面体形 |
分子の形 | 四面体形 |
双極子モーメント | 0 D |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−632 kJ/mol |
標準燃焼熱 ΔcH |
−1180 kJ/mol |
標準モルエントロピー S |
320 J K−1 mol−1 |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | ICSC 0064 MSDS (PDF) |
GHSピクトグラム | ![]() ![]() ![]() ![]() |
GHSシグナルワード | Danger [2] |
Hフレーズ | H225, H300, H310, H330, H351, H360, H400, H410 |
Pフレーズ | P201, P202, P210, P233, P240, P241, P242, P243, P260, P271, P273, P280, P281, P284 |
NFPA 704 | |
引火点 | -20 °C |
発火点 | 60 °C |
関連する物質 | |
関連する金属カルボニル | ヘキサカルボニルクロム デカカルボニル二マンガン ペンタカルボニル鉄 オクタカルボニル二コバルト |
関連物質 | テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) Ni(PF3)4 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
テトラカルボニルニッケル (英: tetracarbonylnickel) またはニッケルカルボニル (英: nickel carbonyl) は、ニッケルの一酸化炭素錯体である。化学式 Ni(CO)4 で表される、無色もしくは黄色で揮発性の液体である。毒性が非常に高く、「死の液体 (英: liquid death)」の異名を持つ。歴史、応用、理論の各方面で重要な化合物である。毒物及び劇物取締法により毒物に指定されている[3]。
構造
他の多くの金属カルボニルと同じく18電子錯体である。金属カルボニルの有名な例として鉄カルボニルやモリブデンカルボニルが挙げられる。これらの化合物の特徴は金属とカルボニル配位子 CO の炭素原子との共有結合である。金属カルボニルは対称性の高い構造を持つため揮発性が高い。
合成法
金属ニッケルは室温で一酸化炭素 CO と反応してテトラカルボニル錯体を与える。暖かいガラス表面と接触させるなどして穏やかに加熱すると、分解して金属ニッケルと一酸化炭素に戻る。これらの反応はモンド法によって純粋なニッケルを得るための基礎的手法である。
外部リンク
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