チグリン酸とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 物質 > 化合物 > テルペノイド > チグリン酸の意味・解説 

チグリン酸

分子式C5H8O2
その他の名称チグリン酸、Tiglic acid、(E)-2-Methyl-2-butenoic acid、セバジン酸、Tiglinic acid、チグル酸、Cevadic acidtrans-ジメチルアクリル酸、trans-Dimethylacrylic acid、(E)-2,3-Dimethylacrylic acid、2-Methylcrotonic acid、(2E)-2-Methyl-2-butenoic acid
体系名:(2E)-2-メチル-2-ブテン酸、(E)-2,3-ジメチルアクリル酸、2-メチルクロトン酸、(E)-2-メチル-2-ブテン


チグリン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/10 22:34 UTC 版)

チグリン酸
識別情報
CAS登録番号 80-59-1 
PubChem 125468
ChemSpider 111629 
UNII I5792N03HC 
ChEBI
6499
特性
化学式 C5H8O2
モル質量 100.116 g/mol
密度 0.9641 g/cm3 (76 °C)
融点

63.5 - 64 °C, 273 K, -20 °F

沸点

198.5 °C, 472 K, 389 °F

酸解離定数 pKa 4.96
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

チグリン酸(チグリンさん、英語: tiglic acid)は、不飽和カルボン酸の一つで、ヘミテルペンに分類される天然由来の化合物である。ハズ油(クロトン油)などに含まれる。オサムシ科の甲虫の防御用分泌物からも発見されている[1]

性質

カルボキシル基に隣接する位置に炭素炭素二重結合を持ち、アンゲリカ酸とはシス・トランス異性体の関係にある。甘く暖かい感じのぴりっとした香りを持つ。香料香水に使われる。

毒性

皮膚や目を刺激する。吸入すると呼吸器系に炎症を起こす原因となる。アメリカ合衆国では有害物質規制法英語版 (Toxic Substances Control Act) のリストに記載されている。

歴史

1819年、ピエール・ジョセフ・ペルティエ (Pierre-Joseph Pelletier) とジョゼフ・ビヤンネメ・カヴェントゥ (Joseph-Bienaime Caventou) は、メキシコのメランチウム科の植物の一種 Schoenocaulon officinalis (現在は S. officinale) の種子から、昇華性を持つ結晶を単離した。その植物はセバジラ (cevadilla) あるいはサバジラ (sabadilla) とも呼ばれたことから、この物質はセバジラ酸(サバジラ酸)と名づけられた。その後、エドワード・フランクランドらによって1865年に合成されたメチルクロトン酸と同等であることが示された。1870年、ゴイター (Geuther) とフレーリッヒ (Fröhlich) はハズ油から酸性物質を取り出し、原料となった植物 Croton tiglium からチグリン酸 (tiglic acid) と名づけた。こちらについても1878年にメチルクロトン酸と同じであることが示されている[2]

サバジラ (sabadilla) は、花粉症の治療に使用されている。

参考文献

  1. ^ Attygalle, A. B.; Wu, X.; Will, K. W. (2007). "Biosynthesis of tiglic, ethacrylic, and 2-methylbutyric acids in a carabid beetle, Pterostichus (Hypherpes) californicus". J. Chem. Ecol. 33: 963–970. doi:10.1007/s10886-007-9276-3. PMID 17404818.
  2. ^ Lloyd, J. U. (1898). "Croton tiglium Archived 2003年8月1日, at the Wayback Machine.". Lloyd Brothers plant drug pamphlets, Lloyd Brothers Pharmacy: Cincinnati.

関連項目




チグリン酸と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「チグリン酸」の関連用語

チグリン酸のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



チグリン酸のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのチグリン酸 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS