ダイオキシン類・・・とは? わかりやすく解説

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ダイオキシン類

 人に対す発がん性なども知られているが、我が国通常の環境濃度レベルでは危険はない。ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンポリ塩化ジベンゾフランは、炭素・酸素・水素・塩素が熱せられるような過程における副生成物で、主な発生源はごみ焼却による燃焼とされている。これに、構造類似化合物であり、発生原因がよくわかっていないコプラナーPCB含めてダイオキシン類対策特別措置法」では「ダイオキシン類」と定義されている。

ダイオキシン類

有機塩素化合物ポリ塩化ジベンゾ・パラ・ダイオキシン(PCDDs)類の総称ベンゼンでの塩素の数や位置よって多数異性体存在しそれぞれの異性体によって毒性異なる。ダイオキシン類は各種燃焼装置から発生するといわれ、ごみ焼却炉からも検出され問題になったが、1997年に「大気汚染防止法施行令一部改正により抑制基準告示され2002年まで見直しが行われた。この結果2002年1年間排出した全国総量は、1997年比べて90%の削減となり大幅に改善された。

ダイオキシン類

 ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシンPCDD75種類)及びポリ塩化ジベンゾフランPCDF135種類)の総称。ものの燃焼過程で非意図的に生成される

 ダイオキシン類のなかで最も毒性が強い2,37,8-四塩化ジベンゾ-p-ジオキシン史上最強毒物として知られており、分解しにくい性質を持つことから、環境中微量であるが広く存在し生物体内蓄積されやすく、発癌性催奇形性免疫機能低下などの毒性有するといわれている。


ダイオキシン類 (ダイオキシンるい)


ダイオキシン類

ダイオキシン類は、都市ごみ焼却炉の灰や有機塩素系農薬などに含まれる物質群で、ポリクロロジベンゾ-パラ-ジオキシンPCDD75種)、ポリクロロジベンゾフラン(PCDF135種)、コプラナ-PCBCoPCB13種)が含まれます。これらの物質構造毒性類似していることから一括して生体影響評価が行われる傾向にあり、平成11年7月制定されダイオキシン類対策特別措置法でもPCDDPCDFとコプラナ-PCBまとめてダイオキシン類と定義されています。これらの毒性塩素数と位置によって異なり最強とされているのは2,3,7,8-四塩化ジベンゾジオキシン(TCDD)でこれをダイオキシンと呼ぶこともあります2,3,7,8-TCDDは、ベトナム戦争枯葉作戦使用され除草剤(2,4-D等)に不純物として含まれていたため、人や生態系深刻な被害及ぼしたことが知られています。また、残留性、蓄積性が高く肝臓皮膚障害引き起こし、強い催奇形性発ガン性をもつことが確認されています。ダイオキシン類は塩化フェノール類原料とする農薬PCB製品含まれるほか、塩素を含む有機物不完全燃焼等によって生成しごみ焼却炉の灰や自動車排ガス漂白用に塩素使用する製紙工場排ガス等に含まれるといわれています。水質汚濁防止法要調査項目300物質)に登録されています。

ダイオキシン

読み方だいおきしん
別名:ダイオキシン類

塩素を含む物質不完全燃焼などによって合成される人体有害な物質群。PCDDPCDF、Co-PCBの総称

 一般にダイオキシンと呼ばれているものは、塩素を含む物質不完全燃焼したり、薬品類が合成されるときに予期せず副次的生成される人体有害な物質です。これは単独物質呼び名ではなく世界保健機構(WHO)ではポリ塩化ジベンゾパラジオキシン (PCDD) 、ポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF) 、コプラナーポリ塩化ビフェニル (Co-PCB) をダイオキシン類と定義してます。このため、これらの物質総称として「ダイオキシン類」と表記するのが正しいといえます
 ダイオキシン類は内分泌撹乱物質いわゆる環境ホルモンであるとともに国際がん研究機関IARC)の発がん性評価では代表的なダイオキシン類のひとつである2,3,7,8-TCDDが人に対して発がん性のある物質判定されています。


ダイオキシン類

ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDDs )、ポリ塩化 ジベンゾフラン(PCDFs)、コプラナーPCB総称であり、主に廃棄物の焼却
程などで非意図的に生成します。難分解物質であるとともに脂溶性であるため、 環境中生物人体脂肪組織蓄積しやすいことが知られています。これらのうち毒性があることが知られているものは29種類です。ダイオキシン類の毒性急性毒性の他、慢性毒性として発がん性生殖・発生毒性免疫毒性報告されています。また、動物実験において、多量のダイオキシン類を暴露させた場合には、免疫機能生殖機能低下があることも報告されています。

ダイオキシン類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 00:43 UTC 版)

ダイオキシン類(ダイオキシンるい、Dioxins and dioxin-like compounds)は、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、ダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル(DL-PCB)の総称である。これらは塩素置換された2つのベンゼン環という共通の構造を持ち、類似した毒性を示す。


注釈

  1. ^ この分布は生体内の脂質分布と一致する。脂質分布は記事「コレステロール」に詳しい。
  2. ^ a b 魚からの摂取が大きい場合の推定は大きな幅を持っており、国民栄養調査(1995)によると日本人の5%は魚介類・魚類加工品の摂取量が平均の2倍以上であることが知られている。魚の摂取が多いケースの推定値が3.26 pgTEQ/人/dayである。;ダイオキシンリスク評価検討会報告
  3. ^ 高山らによる大阪府下におけるマーケットバスケット方式推定値は総ダイオキシン類の摂取量は163 pgTEQ/人/dayであった[16]
  4. ^ 13 - 100 pg-TEQ/gであった[20][21]
  5. ^ ベトナム戦争で使用された枯葉剤は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)と2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)の混合剤であり、反応副成物として一般の2,4,5-T剤よりさらに多く 2,3,7,8-TCDD を含んでいた。この 2,4,5-Tはアメリカ合衆国や日本では使用が許可されていない。

出典

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ダイオキシン類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 23:58 UTC 版)

地下水汚染」の記事における「ダイオキシン類」の解説

環境省発表した平成19年度ダイオキシン類に係る環境調査結果によると地下水のダイオキシン類に関する環境基準(1pg-TEQ/L 以下)を下記地点超過していた。 福島県相馬市蒲庭):平均値2.4pg-TEQ/L (最大値3.1) 大分県大分市廻栖野):平均値1.7pg-TEQ/L(最大値2.1)

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ダイオキシン類

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底質の環境基準」の記事における「ダイオキシン類」の解説

ダイオキシン類対策特別措置法に基づく、ダイオキシン類による水底底質汚染係る環境上の条件つき人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準である。 媒体水底底質 基準:150pg-TEQ/g以下 測定方法水底底質中に含まれるダイオキシン類をソックスレー抽出し、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計により測定する方法

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ダイオキシン類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 09:30 UTC 版)

黄砂」の記事における「ダイオキシン類」の解説

黄砂飛来時に大気中のダイオキシン類の濃度増加するとの調査結果出ている。台湾中央研究院環境変遷研究センター調査では、大気中の濃度通常時よりも35%増加するとの結果出ている。一方2001年から2007年にかけて石川県行われた調査では、黄砂飛来であってもダイオキシン類の濃度上昇見られなかった。

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