ソー・メニー・ローズ、ソー・メニー・トレインズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/06 15:14 UTC 版)
| 「So Many Roads, So Many Trains」 | ||||||||
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| オーティス・ラッシュ の シングル | ||||||||
| B面 | I'm Satisfied | |||||||
| リリース | ||||||||
| 規格 | 7インチ・シングル | |||||||
| 録音 | ||||||||
| ジャンル | ブルース | |||||||
| 時間 | ||||||||
| レーベル | チェス 1751 | |||||||
| 作詞・作曲 | ポール・マーシャル (マーシャル・チェス) | |||||||
| プロデュース | レナード・チェス、フィル・チェス[1] | |||||||
| オーティス・ラッシュ シングル 年表 | ||||||||
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「ソー・メニー・ローズ、ソー・メニー・トレインズ」 (「So Many Roads, So Many Trains」)あるいは「ソー・メニー・ローズ」 (「So Many Roads」)は、シカゴ・ブルースのアーティスト、オーティス・ラッシュが1960年にチェス・レコードからシングル・リリースした楽曲である。
作詞作曲はPaul Marshallとクレジットされているが、これはチェス・レコード社主、レナード・チェスの息子、マーシャル・チェス(Marshall Paul Chess)のことである[2]。ラッシュによると、この曲は「誰かにもらった曲」だというが、当時17歳であったマーシャル・チェスが実際に書いたものかは定かでない[2]。
概要
ミッド・テンポの12小節ブルースであり、キーはFメジャー。リズム・ギターとベースが重厚なリズムを紡ぎ出す。歌詞のヴァースは3つで、ラッシュのギターによる短いイントロの後2つのヴァースが歌われ、それに続き12小節のラッシュによるギター・ソロが入る。その後もう一つのヴァースが歌われ、エンディングとなる。高いトーンで歌われるラッシュの鬼気迫る歌が特徴的である。
ラッシュがこれ以前にレコーディングをしていたコブラ・レコードが1959年に倒産し、彼はチェスに移籍。同レーベルからの第一弾シングルとして、1960年1月30日にレコーディングされ、1960年3月にリリースとなった。
チェスではこの後もう1回、1960年9月29日に2度目のレコーディング・セッションが行なわれ、2枚目のシングル「You Know My Love」/「I Can't Stop Baby」が同年12月にリリースされたが、シングルはこれだけであり、チェス時代は短命に終わっている[3]。
1969年になってリリースされたアルバート・キングとのカップリング・アルバム『ドア・トゥ・ドア』にこの曲を含むチェス2セッションの6曲が収録された[4]。
レコーディング・メンバー
レコーディング・セッションはレコード・リリース2ヶ月前の1960年1月30日、シカゴで行なわれている。
ウィリー・ディクスンをはじめとするメンバーの多くはコブラ時代からセッションに参加していた面々であるが、サックスのボブ・ニーリーとマット・"ギター"・マーフィーは、チェスで初めてラッシュとレコーディングしている。
- オーティス・ラッシュ Otis Rush - ギター、ボーカル
- ボブ・ニーリー Bob Neely - テナー・サクソフォーン
- ウィリー・ディクスン Willie Dixon - ベース
- マット・マーフィー Matt Murphy - ギター
- ラファイエット・リーク Lafayette Leake - ピアノ
- オディ・ペイン Odie Payne - ドラムス
ラッシュ本人の再演
1975年の初来日公演を収めた『BLUES LIVE!』(1975年Trio、1978年に米国デルマーク・レコードから『SO MANY ROADS - Live In Concert』としてリリース)、『CHICAGO BLUES FESTIVAL 2001』(P-Vine)など複数のライヴ盤で、ラッシュはこの曲を再演している。
歌詞
女性に振られ、途方にくれる心情を歌に込めている。沢山の道を歩き、沢山の列車に乗って彼女を探して見つけ出さなければ、心が満たされることはないと歌う。
沢山の道を歩き、沢山の列車に乗らねば (x2)
僕の彼女を見つけ出さねば
この心は満たされることはない
警笛が聞こえたとき、僕は窓辺に立っていた (x2)
ストリームライン列車だと思ったが
それはB&Oだった
それは性悪な消防士と冷酷な機関士だ (x2)
彼らが彼女を連れ去り
残された僕は呆然と立ち尽くしたんだ
主なカバー・バージョン
最も早い段階でこの曲をカバーしているのはジョン・ハモンドで、1965年リリース。収録されたアルバムも『So Many Roads』と題されている。他、主なカバーは以下の通りである:
| 年 | アーティスト名 | 収録アルバム |
|---|---|---|
| 1965年 | ジョン・ハモンド | 『So Many Roads』 |
| 1966年 | ジョン・メイオールズ・ブルースブレイカーズ・フィーチャリング・ピーター・グリーン | シングル・リリース |
| 1969年 | クライマックス・ブルース・バンド | 『The Climax Blues Band Plays On』 |
| 1975年 | ジミー・ジョンソン&ルーサー・ジョンソンJr. | 『Ma Bea's Rock』 |
| 1994年 | スティーヴ・ハケット | 『Blues With A Feeling』 |
| 2001年 | バイザー・スミス | 『Smitty's Blues』 |
| 2006年 | ジョー・ボナマッサ | 『You & Me』 |
| 2010年 | フォガット | 『Last Train Home』 |
脚注
- ^ LP『Door To Door』記載
- ^ a b Bill Dahl. “Who was/is Otis Rush ? - CDs, Vinyl LPs, DVD and more”. Bear Family Records. 2025年11月6日閲覧。
- ^ “Otis Rush - Discography”. 45cat. 2025年11月6日閲覧。
- ^ a b “DOOR TO DOOR (with Albert King) (1969)”. Blues Ginza. 2025年11月6日閲覧。
- ^ Les Fancount; Bob McGrath (2006). The Blues Discography 1943-1970: The Classic Years. Eyeball Productions. p. 546. ISBN 978-0-968-64457-7
- ^ “So Many Roads, So Many Trains - Otis Rush”. Genius. 2025年11月6日閲覧。
- ^ “Original: So Many Roads, So Many Trains by Otis Rush”. SecondHandSongs. 2025年11月6日閲覧。
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