セルマー・バリトーン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/29 03:50 UTC 版)
このシステムには、ピックアップ用のマイクロフォンも組み込まれ、コントロール・ボックスが付いており、演奏者は、専用に開発されたアンプに繋ぐことで、トレモロなどの効果や、簡単なイコライザーの機能(「明るい bright / 暗い dark」)をかけたり、オクターヴ下の音を同時に鳴らしたり、エコーをかけることができた。フルートのヘッドジョイント(頭部管)、サクソフォーンのネックジョイント、クラリネットのバレルジョイントに組み込むため、高い音圧と湿気に耐えるセラミック製のマイクロフォンが開発された。これは当時の新素材であった圧電素子を用いたものであった。ピックアップはプリアンプとコントロール・ボックスに接続され、コントロール・ボックスは楽器の底部のキーガードに取り付けられたり、演奏者のベルトに装着されたり、演奏者の首から紐でぶら下げられたりした。 セルマーからの依頼により電気関係のシステムを開発したのはエレクトロボイス(英語版)社であった。 バリトーンを用いた著名な演奏者としては、エディ・ハリス(英語版)、ルー・ドナルドソン、モー・コフマン(英語版)、ソニー・スティットらがいる。マイケル・ブレッカーも、ブレッカー・ブラザーズ・バンドとしての活動の時期にはバリトーンを頻繁に使用していた。 バリトーンは、金管楽器のリード・パイプ (lead pipe) にはんだ付けして使用することもできた。ジャズ・トランペット奏者のクラーク・テリーは、インパルス!レコードから出した1967年のアルバム『イッツ・ホワッツ・ハプニン (It's What Happenin' The Varitone Sound Of Clark Terry)』でこれを活用している。当時のテリーは、セルマー社製品の愛用者であった。
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