オズワルド殺害とジャック・ルビー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 09:11 UTC 版)
「ケネディ大統領暗殺事件」の記事における「オズワルド殺害とジャック・ルビー」の解説
ケネディ大統領暗殺犯とされたリー・ハーヴェイ・オズワルドは、事件の2日後の11月24日11時21分にダラス市警察本部から郡拘置所に移送される際に、警察本部の地下通路で、ダラス市内のナイトクラブ経営者でマフィアと関係が深いジャック・ルビー(本名:ジャック・ルーベンシュタイン)によって射殺された。なお、この現場はアメリカ中にテレビで生中継されており、数百万のアメリカ人が映像でこの瞬間をリアルタイムに見た。 ルビーがオズワルドを射殺した理由は「夫が暗殺され悲しんでいるジャクリーン夫人とその子供のため」、「悲しみに暮れるケネディの妻・ジャクリーンが法廷に立つ事を防ぐ為」という不可解な理由であったが、ウォーレン委員会どころかマスコミさえもが、その不可解さを取り上げることはなかった。また、事件後にルビーがオズワルドと複数の人物を介して知人の関係であった上、なぜか暗殺事件発生直後からオズワルドの行動を常に追いかけていたことが複数の人物から証言があった。 また、この事件と何の関係もなく、かつ警察関係者でもマスコミ関係者でもないルビーがなぜやすやすと警察署内に入りこめたのか、についてウォーレン委員会は、ダラス市警察本部の事前警戒の不備を厳しく批判するだけで、その理由については最終的に満足な説明はしていない。ただ大統領暗殺事件が起き、その容疑者が収監されたからと言って、警備体制はいつも通りで警察署内への出入りは特には制限されていなかった。 ただルビーの犯行が計画されたものでないことは明らかになっている。もともと24日10時にオズワルドを移送する予定(前日に報道陣に説明はしていた)であったのが、取り調べが長引き11時20分に延びたのだが、この日ルビーは10時に起き、すぐに自宅にダンサーからギャラの支払いを請求する電話が来て、急ぎ郵便局で25ドルの送金をするために11時過ぎに車で郵便局に着き、11時17分に送金を終えて外へ出るとすぐ近くの警察署でオズワルド移送の動きがあるのを見て、車に愛犬を置いたまま銃を懐に警察署の地下通路を通って入って行った。ルビーがオズワルドを射殺するまで郵便局を出てわずか4分後の犯行であった。もしオズワルドの移送が予定通り10時であったら、あるいはもう少し2~3分早く移送していたら11時21分の犯行は出来無かったことになり、彼の衝動的な行動であったことは疑う余地はない。 なお、ルビーは死刑判決を受け再審を待っている間に精神的に不安定になり「何者かに癌細胞を注射された」「ワシントンの刑務所に移送してくれたら本当のことをすべて話す」など不可解な言動が見受けられたという。4年後の1967年、肺癌による肺塞栓症により獄中で死亡した。
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