エンリルと洪水
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/26 18:24 UTC 版)
エンリル、ないし神々がもたらす大洪水は当時のシュメールにおいて人間が何よりも怖れたものであった。この大洪水にまつわる比喩表現はいくつもあり、その多くがエンリルに結び付けられている。 例えば古代メソポタミアの軍神ニヌルタ(シュメールのニンギルス)は、彼が持つ軍神としての凄まじい破壊力をエンリルに例えて「王、エンリル神の洪水」「エンリル神の勇士」と呼ばれている。また、異民族(グティ人)の流入による王朝の衰退を「アッカド王朝第4代の王ナラム・シンがエンリルの神殿を汚したために都市に神罰が下ったためである」という論法を展開した者もいた。グティ人の襲来は「エンリルが送る大洪水のごとくであった」と表現されたが、これは「エンリルがもたらす罰であるならば逆らう意向はない」として、受け入れがたい蛮族侵入を納得するための自己弁護である。
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