エラーコイン
エラーコイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 16:15 UTC 版)
数あるリンカーン・セントの珍しいエラーコインが、これまで鋳造されている。中央部分が欠落したものなど、無作為のエラーはわずかに硬貨の価値が上昇するため、ニッチなコレクターが捜し求めている。しかし、エラーの中には体系的で同じ年で完全に同じエラーとなった多数の硬貨が鋳造されている場合もあり、そうしたエラーコインは極度に価値あるものとなるために主流のコレクターによって収集が行われている。 1922年、フィラデルフィア造幣局からは1枚のリンカーン・セントも鋳造されることはなかった。しかし、デンバー造幣局では局内にあった少量の硬貨の金型を使用し、デンバーで作られたことを示す硬貨上の「D」の文字を不鮮明にして、フィラデルフィアで鋳造されたかのような外見を装って発行されたリンカーン・セントもある。この種の硬貨は1922年「プレーン」セントとして知られており、収集家も1セント硬貨を見る際に除去された造幣局の「D」の文字が無いか細心の注意を払っている。 硬貨に鋼鉄や亜鉛を主に使用していた1943年には、それとは反対に青銅で鋳造されたリンカーン・セントが数枚存在する。現在までに10枚~12枚ほどの青銅硬貨の存在が確認されている。同様に、1944年にも鋼鉄や亜鉛を使用した数枚の硬貨が鋳造されている。 1955年、硬貨の打ち型のエラーで2重に鋳造されてしまったことにより、硬貨に描かれる年や文字がずれて二重に見える硬貨が発行された。これは1955年二重1セント硬貨 (1955 doubled die cent) として知られている。また、やや異なった技巧により同様のエラーを持って発行された1972年二重金型1セント硬貨 (1972 Doubled Die cen) も存在する。こうした二重にずれて見えるリンカーン・セントは毎年確認されているが、これら1955年と1972年のものと比較すると、他の年の金型ずれによるエラーコインはややマイナーで印象も弱いものとなっている。 1990年、サンフランシスコ造幣局で鋳造された、およそ3000枚に上る試し打ちのリンカーン・セントには、同地で鋳造されたことを示す「S」の文字が欠落しており、フィラデルフィア造幣局で鋳造されたかのようなデザインになった。しかし、同年フィラデルフィア造幣局では試し打ちの硬貨を鋳造していなかったため、それら硬貨は容易にエラーと区別できる上、かなり高価なものとなった。 他にも、1998年から2000年にかけて鋳造されたリンカーン・セントの中に、裏面に描かれている「AMERICA」の文字の最初の2文字「AM」が通常より大きくなっているものがあり、これらは「ワイドAM」硬貨として知られ高値が付いている。
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