インナーチャイルド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 09:19 UTC 版)
「アダルトチルドレン」の記事における「インナーチャイルド」の解説
アダルトチルドレンの回復方法では、「インナーチャイルド」(内なる子供)という概念が広く採用されている。心の傷を負う前の、純真無垢な自己の部分といった意味のメタファーで、ニューエイジ・精神世界・スピリチュアル系でよく使われる用語である。アダルトチルドレン論に大きく影響したウィットフィールドは、アダルトチルドレンの困難は「偽りの自己(共依存の自己)」のせいであり、「真の自己」である「インナーチャイルド」を成長させる必要があるとした。「過去をさかのぼり、うろ覚えの、あるいは抑圧された幼児体験の記憶を呼び戻す過程」を通してインナーチャイルドを育てることができるとされ、これにより過去と決別できるという。インナーチャイルドを育てる行為は「インナーチャイルドを癒す」とも表現され、「心の傷を癒す」行為も「インナーチャイルドを癒す」と表現される。 アダルトチルドレンの議論において、子どもは「手をかけられ、養育されることを望み、必要とする無力な幼児」であるとされる。これは近代初期までの子ども観とはまったく異なるものであり、ジャン=ジャック・ルソー以降の「子どもが純粋無垢であるという理解」と親和的である。癒されるべき、そして傷つきやすい「インナーチャイルド」が「真の自己」であるというレトリックでは、子どもの無力さと受動性が強調され、実際には存在する子どもの能動的な面、親や環境との相互作用や遺伝的要素は考慮されていない。
※この「インナーチャイルド」の解説は、「アダルトチルドレン」の解説の一部です。
「インナーチャイルド」を含む「アダルトチルドレン」の記事については、「アダルトチルドレン」の概要を参照ください。
- インナー・チャイルドのページへのリンク