アミロイドβ前駆タンパク質
アミロイドβ前駆タンパク質(APP)はさまざまな機能をもつ複雑なタンパク質で、老化した神経細胞に蓄積することが知られている。このタンパク質自体は体のどの細胞表面にも存在する膜タンパク質で、細胞内・細胞膜・細胞外にドメインをもつ。
機能
APPはさまざまな機能を持っているらしい。完全な(intact)タンパク質として、Gタンパク質共役系を通じてレセプタータンパク質として働いたり、細胞外のヘパリンやラミニンといった多くの構造分子と結合することから細胞接着にもかかわっているらしい。
また、APPは細胞膜に結合したβセクレターゼや細胞内のγセクレターゼというプロテアーゼによって断片化され、細胞外のドメインは細胞から切り離され、細胞内のドメインは細胞内に入る。核内のタンパク質合成系と相互作用する。
アルツハイマー病との関連
アルツハイマー病の原因となっているのは、セクレターゼによる切断時に残るペプチド断片部分だと考えられており、その部分を「アミロイドβペプチド」と呼ばれる。
アミロイドβペプチドは小さい断片だが、自己集合・自己組織化によって非常に長い繊維状の凝集体(アミロイド繊維)を形成することによって神経細胞上に濃い斑点として沈着する。このアミロイド繊維が神経細胞内の同じ部位とも自己集合していくことで神経細胞が死んでしまう。
PDBエントリ
細胞外ドメイン
細胞膜ドメイン
βセクレターゼ
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