推敲
「推敲」とは、詩文の字句・文章を吟味して練り直すことのことを意味する表現である。
「推敲」とは・「推敲」の意味
「推敲」とは文章の表現を吟味して、自身でよりよく直すことという意味の名詞である。「すいこう」と読む。「唐詩紀事」に漢文で書かれていた挿話をもとにした故事成語だ。短文で説明すると、たとえば一人称の代名詞を「わたくし」にした場合は「わたくしはそのとき、まだ家の事情を知らなかったのです」などとなる。「あたい」を使うと「あたいはそのとき、まだ家の事情を知らなかったんだ」などとなり読者に異なる人物像を想起させることができる。前者にすれば、ある程度経済的に余裕のある家庭に育った女性象が浮かび、後者の場合は東京の下町で育った女性かもしれないと想像させることができる。最初は「私はそのとき、まだ家の事情を知らなかった」と書いたとすれば、文章の内容によって、どの表現がふさわしいかを考えて手を入れるような行為を「推敲」と言う。校正は執筆の終わった原稿を確認して修正することだが、誰が行うかは問わない。文章の内容を洗練するというよりは、文字や文法などの間違いをただす行為である。「推敲」の英訳は不可算名詞のelaborationだ。推は小学校6年生で習うが、敲は漢字検定1級レベルのため小学生が読んだり書いたりするには難しい。JIS水準では第2水準である。
「推敲」の語源・由来
「推敲」の出典は、前述の通り「唐詩紀事」である。唐の無名の詩人であった賈島が自身の書いた詩句「僧は推す月下の門」を推す(おす)にするか敲く(たたく)にするかで迷い、当時、長安の大官であり著名な詩人でもあった韓愈に問うて敲くに改めたというエピソードに由来する。無名の詩人が地位の高い詩人の韓愈に助言をもらえた理由は、賈島が詩句の洗練に集中するあまり韓愈の行列にぶつかったためである。賈島は、科挙(中国の官吏の登用試験)のために詩を作っていたと言われている。捕らえられても仕方のないところ、韓愈が親切に賈島の話を聞いて助言したために後世に残る挿話となり、「推敲」の語源となった。後に賈島も、五言律詩(五言の句が8句からなる漢詩)に優れた詩人となっている。「推敲」の熟語・言い回し
「推敲」の熟語・言い回しには次のようなものがある。推敲するとは
推敲するは「推敲」に、動詞の「する」がついている。この場合のするの意味は、ある行為や動作を行うである。全体の意味は、文章を吟味して練り直しを行うとなる。
原稿を推敲するとは
原稿を推敲するは「推敲する」の前に、名詞の原稿と格助詞の「を」がついた文である。原稿は公表する目的で文章を書いたものや、そのもととなる文章を指す。講演などのための草案のことも言う。格助詞の「を」は 動作や作用の目標、対象を示し、この場合の対象は原稿だ。原稿を推敲するの意味は公表するための文章を書いたもの、またはその文章を吟味して練り直しを行うとなる。
「推敲」の使い方・例文
「推敲」の使い方・例文には次のようなものがある。・卒業論文はとっくにでき上がっていたが、推敲に1週間もかかったので提出が遅れてしまった。
・推敲を突き詰めると、いつまでも原稿が仕上がらない。
・出版されている本の中にも、推敲がおろそかなものがある。
・作文の推敲をすることで、読みやすく伝わりやすい文章になる。
・推敲は中国の唐の時代の、子弟のエピソードがもとになっている言葉だ。
・推敲した文章がよくなっているか否かは、第三者に読んでもらうと判断できる。
・子供が書いた文章には、推敲を重ねる前よりも、もとのままの方が人の心を揺さぶるものがある。
・野口英世の母が英世に宛てた手紙は教科書に載るほど有名だが、推敲されていれば、これほど人の心を打たなかっただろう。
・推敲に正しさはない。
・推敲の程度は書き手次第だ。
推敲
推敲とは、推敲の意味
推敲とは、詩や文章の表現などを見直し、修正を加え練り上げるという意味のこと。語源は昔の中国に唐という国があり、当時そこに暮らしていた賈島(かとう)と呼ばれる詩人が生み出した。その詩人が自分で作成した詩句の「僧は推す月下の門」を仕上げる時に、「推(おす)」の部分を「敲(たたく)」にするかどうか検討していた。そこで韓愈という詩人に相談し、「敲(たたく)」の文字に書き直したという由来がある。英語表記は polish、refine、improve などが挙げられる。推敲の類語
推敲の類語には、訂正(ていせい)、校正(こうせい)、校閲(こうえつ)などがあり、これらは主に語句や字句の誤字、脱字などといった間違いを修正するという意味で使われる。ゆえに校正や校閲は、文などを書いた本人以外の立場にいる者が手を加えることとされ、編集関係の仕事で良く使われる言い方である。推敲の語の例文、使い方
推敲は、作品の著者自身が自分の書いたポエムや文章の字句、表現を練り直すことである。推敲の「推」は「押す」、「敲」は「叩く」ということを指し、自分が創作した詩、文、文章など何度も読み直し、手直しを加え仕上げるということである。例えば、「私は作文を推敲する習慣を付けた」「彼は自作に推敲に推敲を重ねる人だ」という例文が考えられる。推敲を重ねるという表現は日常生活でもよく使われ、苦労して手間ひまをかけて努力した、何度も見直し修正することを心掛けたというニュアンスを伝える使い方である。また、推敲の習慣という表現は、きめ細かく丁寧な作業をするという印象を与えることができる。すい‐こう〔‐カウ〕【推×敲】
読み方:すいこう
[名](スル)《唐の詩人賈島(かとう)が、「僧は推す月下の門」という自作の詩句について、「推す」を「敲(たた)く」とすべきかどうか思い迷ったすえ、韓愈(かんゆ)に問うて、「敲」の字に改めたという故事から》詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすこと。「—を重ねる」「何度も—する」
すい‐こう〔‐カウ〕【推考】
すい‐こう【水孔】
すい‐こう〔‐カウ〕【水耕】
すい‐こう〔‐カウ〕【水行】
すい‐こう〔‐カフ〕【水×閘】
すい‐こう〔‐カウ〕【衰耗】
すい‐こう〔‐カウ〕【遂行】
水溝 (すいこう)
水光
すいこう
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