けり/

デジタル大辞泉

けり

《和歌・俳句などに助動詞「けり」で終わるものの多いところから》物事の終わり。結末。決着。

けり

［助動］［（けら）｜○｜けり｜ける｜けれ｜○］《動詞「く（来）」の連用形に動詞「あり」の付いた「きあり」の音変化から》動詞・助動詞の連用形に付く。

１ 過去に起こった事柄が、現在にまで継続してきていることを表す。…てきた。

「昔より言ひけることの韓国(からくに)の辛(から)くもここに別れするかも」〈万・三六九五〉

２ 過去に起こった事柄を他から伝え聞いたこととして回想的に表す。…たということだ。…たそうだ。

「坊の傍らに大きなる榎(え)の木のありければ、人、榎の木の僧正とぞ言ひける」〈徒然・四五〉

３ 初めてその事実に気がついたことを詠嘆的に表す。…たのだなあ。…たなあ。

「ふるさととなりにし奈良の都にも色はかはらず花は咲きけり」〈古今・春下〉

４ 眼前の事実を述べる。…た。…ている。→き（助動）

「夜すでに明けければ、なぎさに赤旗少々ひらめいたり」〈平家・一一〉

[補説] 過去の助動詞「き」に動詞「あり」の付いた「きあり」からとも。過去の助動詞「き」が直接経験をいうのに対し、「けり」は伝聞的過去をいうのが特徴。4は中世以後の用法。未然形の「けら」は、上代に「けらず」「けらく」の形で用いられた。完了の助動詞「つ」に「けり」の付いた「てけり」においては、院政期ごろから「てんげり」の形でも用いられた。

け・り【^▽来り】

読み方：けり

［動ラ変］《動詞「く（来）」の連用形に「あり」の付いた「きあり」の音変化》来ている。

「玉梓(たまづさ)の使の—・れば嬉しみと」〈万・三九五七〉

け・り【^▽着り／^▽著り／^▽服り】

読み方：けり

［動ラ変］《動詞「き（着）る」の連用形に「あり」の付いた「きあり」の音変化》着ている。

「我が旅は久しくあらしこの吾(あ)が—・る妹が衣の垢つく見れば」〈万・三六六七〉

けり【蹴り】

読み方：けり

蹴ること。足を物に強くぶつけること。キック。「—を入れる」

けり【^×鳧／^▽計里】

読み方：けり

チドリ科の鳥。全長約36センチ。頭から背は灰褐色、腹部は白く、胸に黒色の線がある。本州北部と近畿地方の草原や田畑で繁殖。ケリリ、キリリイと鳴く。《季 夏》「—の子の浅田にわたる夕かな／暁台」

日本語活用形辞書

けり

【文語】ラ行変格活用の動詞「けり」の連用形、あるいは連用形が名詞化したもの。

終止形

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来り、着り、服り

読み方：けり

ラ行変格活用の動詞「来り」「着り」「服り」の連用形である「来り」「着り」「服り」、あるいは連用形が名詞化したもの。

終止形

来り  » 「来り」の意味を調べる
着り  » 「着り」の意味を調べる
服り  » 「服り」の意味を調べる

蹴り

読み方：けり

ラ行五段活用の動詞「蹴る」の連用形、あるいは連用形が名詞化したもの。

終止形

蹴る  » 「蹴る」の意味を調べる

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津軽語辞典

けり

方言	意味
けり	短靴

隠語大辞典

鳧

読み方：けり

1. 物ごとの終りをいう。過去を表す義から出た語。

隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ。

Wiktionary日本語版（日本語カテゴリ）

けり

出典:『Wiktionary』 (2021/11/30 15:45 UTC 版)

発音

• (東京) けり​ [kèríꜜ] (尾高型 – [2])
• IPA^(?): [ke̞ɾʲi]

名詞:蹴り

けり【蹴り】

1. 蹴ること。
   • 蹴りを入れる

翻訳

• イタリア語: calcio ^(it), pedata ^(it)
• 英語: kick ^(en)
• スペイン語: patada ^(es)
• ポルトガル語: patada ^(pt)

類義語

• キック, 足蹴（あしげ）, 撃蹴, 乱蹴, 怒蹴

名詞:けり

けり

1. 争いごとの決着。仕事などの始末。
   • けりをつける。（結論を出して終わらせる。結末をきちんと準備したのち、物事を終わらせる。）

語源

古典日本語助動詞。俳句などの多くが「けり」で終わることから、「決着」「終結」の意が生じた。

翻訳

• 英語: conclusion ^(en)

助動詞

けり

1. (伝聞過去) また、人から伝え聞いたことの回想。（～た。～たそうだ）
   • 今は昔、竹取の翁といふものありけり。（竹取物語）

     今となっては昔のことだが、竹取の翁という者がいた（そうだ）。

2. (気づき) 今まで気づいていなかったことに今、気づき、驚くこと。（～だなあ。～だったなあ。）「詠嘆」という用法は、学校文法の中で作り出された概念。
   • 山川に 風のかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり （春道列樹／小倉百人一首）

     山川に風が掛けたしがらみは、流れないで溜まっているもみじだったのだなあ。

3. (切れ字) 俳句で強調、詠嘆、断定などを意味する。
   • 島々に灯をともしけり春の海（正岡子規）

活用

連用形接続

未然形	連用形	終止形	連体形	已然形	命令形
（けら）	○	けり	ける	けれ	○

類義語

• き

動詞

けり【来り】

1. 来ている。

活用

け-り 動詞活用表（日本語の活用）

ラ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	已然形	命令形
け	ら	り	り	る	れ	れ

語源

動詞「く（来）」の連用形「き」に補助動詞「あり」の付いた「きあり」からの音変化

Weblio日本語例文用例辞書

「 けり」の例文・使い方・用例・文例

• 人手が多けりゃ仕事は楽だ
• あざけりの声
• この件についてはきっぱりけりをつけなければならない
• その話題を選んだことによって，演説者はあざけりのやじに身をさらした
• 彼はここ2,3年アルコールにふけりすぎているようだ。
• 上司が私の企画書を大声であざけり始めたとき、私は自分の顔が赤くなるのを感じた。
• 我慢できないあざけり
• それは場合によりけりです。
• あなたは物思いにふけりながら、湖の周りを歩いていた。
• 論争にやっとけりが付いた。
• 彼女は物思いにふけりながらあちこち歩いていた。
• 彼は妻を失ってから酒にふけり始めた。
• 場合によりけりだと思います。
• 作物の出来不出来は試合中の選手達のボールの投げ方やけり方によって決まるものと信じられていたのです。
• 行きがかり上しなけりゃならなかった。
• 共通の利害をもった両当事者がけんか腰でいたとき、彼が間に入って、いさかいにけりをつけた。
• きっと合格しなけりゃダメよ。
• 人を(あざけり)笑う.
• 人のあざけりを浴びるようなことをしてはいけない.
• 石けり遊びをする.